
(52)全日本予選事前インタビュー④/大湊柊翔
昨年度、惜しくも本戦出場を逃した全日本大学駅伝(全日本)。その悔しさを糧に鍛錬を重ねてきた紫紺の戦士たちが、今年度こそ出場権を勝ち取るために予選会に挑む。本記事ではリベンジに燃える選手たちの声をお届けする。
第4回は大湊柊翔(情コミ2=学法石川)のインタビューです(この取材は6月17日にオンラインで行われたものです)。
――現在のコンディションはいかがですか。
「約1週間前ということでまだ状態は上がり切ってはいませんが、大会に向けて少しずつポイント練習をこなしていく中で感覚も良くなってきているので、調子は良いと思います」
――3月のアメリカでの合宿はいかがでしたか。
「ポイントの練習メニューが本当に当日のアップが終わってから、スタートの直前に教えられます。前日などに前もって教えられるわけではないので、それがすごく印象に残っています。現地の選手たちはアップや持ち物などから、どのような練習メニューが発表されても対応できるような準備をしていました。そういったことが当たり前にできるから、試合でイレギュラーが起こった時にも世界のトップの選手たちはそれに対応して、自分のパフォーマンスを発揮しているんだなと肌で感じられました」
――その合宿を終えて意識が変わった部分はありますか。
「競技に向かう姿勢はより一層高まりました。実際に世界のトップで走っている選手たちと関わってみて、自分の陸上への意識とは違うなと感じました。それは少なからず大学スポーツとその競技を仕事にもしている人たちとの差という部分もあるとは思いますが、自分は少し現状に満足してしまっていたのではないかなと思いました。慢心していた気持ちを引き締められたような、すごくいい刺激を受けました」
――六大学対校大会(六大学)、国士大競技会と出場を重ねていく中で調子は上がってきていると感じますか 。
「六大学と国士大競技会の1万メートルは本当に自分の走りができなくて、その後にケガや体調不良も重なり、その頃は調子が悪かったです。1カ月前くらいから調子は上がってきていて、先週の国士大競技会の5000メートルでもペース走でうまく走ることができました。急ピッチではありましたが、シーズン最初の頃より徐々に調子が上がってきてくれたと感じます」
――そのケガや体調不良は問題のない程度にまで回復していますか。
「そうですね。ケガはまだ違和感が少しありますが、問題はないです」
――今回、この予選会メンバーに選出された時の心境はいかがでしたか。
「アメリカから帰ってきてなかなか疲労が取れなかったり、ケガをしてしまったりということが重なり走れる状態じゃない期間が2カ月くらい続いていたので、予選会ももう間に合わないと思った時期もありました。でもその間に豪さん(山本駅伝監督)やいろいろな人にアドバイスやサポートをしていただいて、家族は励ましの言葉を一番掛けてくれていました。そういった人たちが応援してくれている、支えてくれているというのを感じながら今回メンバーに選ばれる段階まで来られたことには素直にうれしいという思いもありますし、選ばれたからには出走したいという気持ちにもなりました」
――予選会が近づく中で、チームの雰囲気はいかがですか。
「1、2カ月前はケガ人が多かったり、チームで方向性を見直すという段階にあったりしたので意識の差が生まれていました。ですが関東学生対校選手権などのチームで戦う試合を重ねていくことで、競走部としてまとまってきているように感じます。長距離だけでなく短距離や競歩ブロックの人たちも一緒に予選会に向かっている雰囲気が、主将の村越さん(優汰・文4=横浜)のおかげもあって高まってきているので、チームの雰囲気としてはすごくいいと思います」
――予選会での目標順位やタイムなどは考えていますか。
「タイムというよりもしっかり順位を意識して走ることにはなると思っています。組の中で一桁順位を狙っていきたいです。まだ何組目に走るかは分かりませんし、チームの流れなどもあると思いますが、その状況にあった最高のパフォーマンスで自分がやらなきゃいけないことをやりたいと思います」
――最後に意気込みをお願いします。
「昨年度は予選で落ちて、自分は付き添いとして近くで見ていましたがすごく悔しい思いをしました。今年度こそは本戦に出場できるようにチームとして戦っていって、その中で自分のやるべきことをやりたいなと思います」
――ありがとうございました。
[春田麻衣]
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