(1)春季オープン戦事前インタビュー➀/櫻井亮監督

 昨年度の関東大学1部リーグ戦を2年連続の3位で終えたグリフィンズ。〝ALL GRIFFINS〟をチーム理念に掲げ、悲願の甲子園ボウルを目指す櫻井亮監督体制2年目の春季オープン戦が4月27日から開幕する。

 前編は櫻井亮監督(平23商卒)のインタビューです。(この取材は4月21日に行われたものです)

――監督就任1年目となった昨年度を振り返っていかがですか。

 「結果としてはチームとして目指している学生日本一、関東1部優勝が出来なかったことは、目標としては達成できていないところです。あとは、監督就任時にチーム理念を作りフェアプレーの精神を徹底しようといっていた中で、関東1部の中でフェアプレー賞を受賞できたというのは、理念を作って活動してきた中で結果を示せたのは良かったのかなと思います」

――昨年度から導入したチーム理念とポジションコーチ導入の効果についてはどうお考えですか。

 「効果はすごい実感しています。生きるチーム理念みたいな方だった野崎一夫総監督の影響力が弱ってきたというか、把握していない学生が多くなってきている中で、学生主体がチーム理念のようになってしまっていました。それは少し違うなと感じていた中で、1つの軸を作れたのは良かったかなと思います。コーチ体制に関しては、相談できる相手を作れたというのは今の学生たちには良かったのかなといったところです」

――昨年度の秋シーズンを振り返っていかがですか。

 「やはり詰めの甘さというか、試合開始から試合終了の笛まで1人1人サイドラインに立っている人間を含めてやりきるということは、常日ごろからグラウンドで行ってきてはいたつもりではあるんですけれど、立大戦も含めてやはり爪の甘さが出てしまったので、最後までこだわるといったところは実直にやり続けなければいけない、常に僕から見てやらなければいけないのかなと。逆に言えば、そこがやり切れていれば立教さんはなんとか勝つことはできたと思いますし、法政さんに対してももう少ししっかりとした試合ができたんじゃないかという感覚です」

――秋シーズンを終えて冬に力を入れて取り組んできたことはありますか。

 「ファンダメンタル(基本技術)の部分で、うちのチームはどちらかというとフットボールをやりながらそういったところを鍛えるというのが今までのやり方ではありましたが、今年は深尾(徹・政経4=佼成学園)や廣長(晃太郎・商4=箕面自由学園)ら幹部を筆頭にそういったところからしっかり練習に入れて、そのプラスでフットボールをやろうという取り組みを行ったというところが今年の取り組みの部分です」

――今年度の春季オープン戦で目指す部分はどのようなことですか。

 「もちろん勝ちにこだわるというところはありますが、そのプロセスの部分をしっかり大事にしていきたいです。やはり秋のリーグ戦が本番なので、 OBの方などからは春は強いのにねとよく言われることがあるので、春もしっかり結果を残して、秋の甲子園ボウルという場所にしっかり立って勝ち切れるチームを作っていきたいなと思います」

――昨年度の春季オープン戦に続き今年度も関西の大学との試合が予定されています。何か意図はありますか。

 「フットボールはどうしても西高東低と言われている。小学校や下部組織などで小さなころからフットボールに触れている子たちが関西には多いですが、グリフィンズは大学からフットボールを始めた子も多いので、レベルの高さや関西のブランドなどそういったところを肌で感じてもらえるようにと考えています」

――今年度のリーグ戦から方式が変わりましたが、その点に関してについてどのようにお考えですか。

 「正直、観客として見ている分にはとても面白いトーナメントになってくるかなと思います。ここ2年を3位で終えているうちのチームにおいては、上に流れるチャンスがあるというのは本当にありがたいことかなと。とはいえ3位を目指すわけではなくて、しっかりリーグ戦優勝を目指していきたいと思います」

――今年度のチームの特徴や戦い方を教えてください。

 「グリフィンズは毎年突出したタレントがいるわけではないので、本当に学生全員で、 4年生がやるのは当たり前なので、3年生以下がしっかりそれについていくチームになれるようにと考えています。4年生がもっと自覚持って4年生のチームということをしっかり意識して行動してほしいと感じています」

――今年度入部した新入生の印象はいかがですか。

 「幸いなことにグリフィンズのセレクションで入ってきてくれる子たちは本当に即戦力級の子たちが多い。グラウンドに立ったら1年も4年も関係ないので、試合終了の笛が鳴るまで相手のチームを常に圧倒し続けてほしいと思います」

――新主将の深尾選手はどのような選手ですか。

 「彼はプレーでも引っ張れるし、口でも引っ張れる人間なので、そこは僕らもリスペクトしています。周りがついてきてくれるかどうかは、彼のこれからの行動に関わってくると思います」

――春秋通しての今年度の目標を教えてください。

 「そこはもう本当に僕自身毎年ぶれないものにしたくて、理念に掲げている〝ALL GRIFFINS〟で勝つスポーツ組織を目指す。そして、最後の学生生活の大学でアメリカンフットボールを選んでくれた子たちに対して、学生としても人間としても社会に出てからの方が長いので、しっかり人として成長して卒業していってもらいたい。人間力を上げれるようなチームにしていければなと思います」

――ありがとうございました。

[菅波陸哉]