
(19)ルーキー特集⑭/小迫彩斗
今年度も伝統の重みを感じながら「関東インカレ1部残留」と「箱根駅伝シード権獲得」という目標へ向かって突き進む明大競走部。チームにさらなる勢いをもたらすべく、15人のルーキーが仲間入りを果たした。新たな世界への一歩を踏み出す時、彼らは何を思うのか。その無限の可能性を感じさせる“今”の声をお届けする。
第14回は競歩部門・小迫彩斗(文1=倉敷)のインタビューです。(この取材は3月31日に電話で行われたものです)
――競技はいつ頃から始めましたか。
「陸上は小学4年生ぐらいの時からやっています」
――きっかけは何ですか。
「きっかけは小学3年生の時に太り気味だったので水泳を始めたんですけど、水泳のバタ足を強くするために脚力を付けようと思って陸上を始めました」
――水泳から陸上に移行したのはどういった理由ですか。
「単純に陸上の方が楽しかったです。また水泳はずっと同じ景色で苦しかったけど、陸上は景色が変わるのでその方が自分には合っていると思って陸上にしました」
――陸上競技の魅力はどんなところですか。
「魅力はトラックだったら周りを見渡せることですかね。水泳は泳いでいる時に見えて両隣のレーンぐらいなんですけど、陸上は全体を見渡せる開けたスポーツというか、爽快感があるスポーツだと思います。持久力系の種目だったら才能っていう縛りがなくて、努力した分だけ伸びるという魅力があると思います」
――競歩以外に長距離もやられていますが、2種目行っていた理由は何ですか。
「高校時代は倉敷高校に入っていて一応走りで頑張っていこうと思っていました。でも練習量が自分と合っていなくて、まだ体も仕上がっていなかったこともあり結構ケガをしていました。それで2年生になる前に疲労骨折してしまって、そのリハビリとして始めたのが競歩でした。そこでちょっとやってみたら、だんだん速くなっていきました。どんどん速く歩けるようになるっていう成長が楽しかったです。それで始めて2カ月ぐらいでインターハイに出られたので、才能あるんじゃないかなって感じて始めました」
――高校の競技生活を振り返っていかがでしたか。
「倉敷高校は長距離の強豪校っていうのもあって、競歩の練習はあんまりできなかったです。僕は競歩で大学に入りたかったので、自主練習を長距離の練習後に毎日夜1人でやっていました。こつこつ努力して速くなっていったので、それが思い出です」
――印象に残っているレースや大会はありますか。
「競歩を始めて最初に出たインターハイ予選はもうフォームもぐちゃぐちゃだったんですけど、いきなり県2位になって監督やコーチがレース中すごく興奮して喜んでくれました。それが一番印象に残っています」
――競歩は長時間のレースになりますが、レース中はどんなことを意識していますか。
「練習時間があんまり取れていなかったので、技術練習っていうのが他の選手よりできていない中でのレースでした。歩型を守れないと失格になってしまうので、スピードを出しつつ歩型を維持する大変さや審判との駆け引きをずっと考えながら歩いていました」
――明大の選手で憧れの選手はいますか。
「やっぱり先日パリ五輪代表内定ほぼ確実になったんですけど、古賀友太選手(令4商卒・現大塚製薬)と濱西諒選手(令5文卒・現サンベルクス)が憧れですね。あと野田明宏選手(平30商卒・現自衛隊体育学校)ですかね。35キロメートルWで日本記録を出していてすごいなって思っています」
――明大に進学を決めた理由を教えてください。
「明大の先輩たちがとても優しいっていうのとチームの雰囲気がいいことです。あと自分の思うような練習ができるというか、自主性を尊重するやり方に惹かれました。高校2年生の頃から明大に入りたくてずっと目指して頑張ってきました」
――ご自身の歩きの特徴や強みはありますか。
「まだ経験が浅くて最近本格的に指導してもらい出したところなんですけど、まだまだ伸びしろがあるところだと思います」
――現在、課題に感じている部分や今後改善していきたいところはありますか。
「課題はやっぱり歩型の正しさを維持する力ですね。スピードを上げても歩型が崩れないようにする技術がまだ足りていないので、そこが課題です」
――4年間通しての目標をお願いします。
「明大に入れたことはとてもうれしいので、その喜びを胸にしっかり明大に貢献できるようにしていきたいです。あと日本代表に4年間で1回でも選ばれたらいいなって思っています。タイムでいうと5000メートルWは18分台で、1万メートルWは38分台、20キロメートルWは1時間20分を切れるように、それを目指して頑張っていこうと思います」
――ありがとうございました。
[石井遥]
※写真は本人提供
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