奪還(4)「きつい時こそチームをリードしたい」福田大晟 新体制インタビュー

2024.04.04

 昨年度、明大は全国大学選手権(以下、選手権)決勝に進むもあと一歩届かなかった。雪辱を果たすために今年度掲げるスローガンは『奪還』。木戸大士郎主将(文4=常翔学園)が先頭に立ち、6年ぶりの頂点を目指す。本連載では新チームの監督と幹部となる4年生のインタビューを全7回にわたって紹介します。

第4回は福田大晟(商4=中部大春日丘)選手のインタビューをお送りします。(この取材は3月21日に行われたものです。

――昨シーズン振り返っていかがですか。
 「 昨シーズン通して試合に出続けられたのは、自分としてもこれからのためにいい経験でした。プレー面ではちょっとまだ自分で満足できない部分があったので、そこはもう今年が最後なので、後悔しないようにやっていきたいなと思います」

――満足いかない部分というのは具体的にどのような部分ですか。
 「パフォーマンスは悪くはなくて、自分の個人の感想っていうか、あともう一歩出られたのになとか、ここ頑張れたなとか。スタッツや分析上はいいんですけど、自分の気持ち的にまだまだやれる、まだまだやらないといけないなっていうのは感じました」

――FWリーダーは昨シーズンはなかった役職ですが、今シーズンあえてつくった理由を教えてください。
 「明治ってブランドの高いチームだと思ってて、やっぱり2人に任せるのは責任も重くなってくるし、そういうのは分担して少しでも(幹部の)5人だけではなく、チーム全体で支えていければいいかなという感じでつくりました」

――FWリーダーの役割を教えてください。
 「主にFWをまとめるってところです。1〜3年生の時は円陣とかで声出したことなくて、FWリーダーになったのも1年間出てるっていう部分でなった部分も結構大きくて、慣れないです。一応高校の時主将やってたんですけど、あまり声を出すキャラではなかったので。でも役職つかせてもらって、FWリーダーとしてFWをまとめたり、チームの雰囲気をつくったり、大士郎(木戸・文4=常翔学園)もいるんですけど、自分も大士郎をサポートできたらいいなと思っています」

――『奪還』というスローガンはどのように決めましたか。
 「僕たち入学してからずっと優勝が遠ざかってて。やっぱり最終的には日本一が明治の最後の目標だと思っています。ずっと入学した時から日本一っていうのは掲げてたんですけど、準優勝だったりベスト8だったり、なかなかあと一歩届かなかったので、100周年終わって101年目も新たな一歩だし、そういうとこでもう一回優勝を意識づけるために『奪還』にしました」

――あと一歩になる部分というのは具体的にどのような部分ですか。
 「昨年は(廣瀬)雄也さん(令6卒・現クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)が主将で、1年間通して『ONE MEIJI』っていう部分ですごくいいチームになったと思いますし、自分たちも憧れてたその理想像というか、まとまって日本一を目指して頑張ってたいいチームでした。でもラグビー面で決勝の帝京大と違うのはオフザボール。ボールを持っていない時の動きとか、ボールへの執着っていう部分で、明大も意識してたんですけど、ちょっと細かいところが出てしまって、昨シーズンは負けてしまったかなという印象です」

――今年度はどのようなチームにしていきたいですか。
 「ファンから愛されるチームはもちろんなんですけど、昨年は『ONE MEIJI』ってファンも巻き込むみたいな感じで、今年度はもう一回自分たちにフォーカスしたいです。自分たちがちゃんとやれば周りもついてくるという感じでやっていきたいです。その中で昨年みたいに愛されるチームっていうのが理想です」

――個人的に注目してもらいたいプレーを教えてください。
 「やっぱり自分の強みはディフェンスで、今年ちょっと頑張ろうと思うのはジャッカル。レフェリーも厳しくなって、取れる部分というか、ピンチをチャンスに変えられる部分が結構少なくなっています。それでもフランカーなので1試合で何本か取らないといけないと思います。ディフェンスのタックルとジャッカルと、たくさん動いてどこにでもいるようなところが自分の強みなので、そこを見てもらいたいです」

――最上級生として意識していることを教えてください。
 「最上級生として意識していることは、やっぱりきつい時こそ自分が声出したりとか、きつい時こそ自分が前に出て走ったりとか、リードするじゃないですけど、きつい時にリードできるようにしたいなと思います」

――春シーズンへの意気込みを教えてください。
 「試合に出ることが自分的には意味があると思っています。春は勝ち負けも大事ですけど、結構土台作りというか、負けても勝っても課題が見つかったり、成長できる部分はあると思うので、個人の目標としては、紫紺をずっと着続けることです」

――ありがとうございました。

[森口絵美理]

◆福田 大晟(ふくだ・たいせい)商4、中部大春日丘高、173センチ・96キロ
最近の楽しみはオフ日の前夜に同期とお酒を飲むこと。好きなお酒はハイボールとのことですが「最近の1杯目はビール。社会人になるし、頑張ってみようかなって(笑)」