
(29)シーズン後インタビュー 岡部季枝
今シーズンも銀盤を彩った選手たち。日本学生氷上選手権(インカレ)では惜しくも2年連続のアベック優勝は逃したものの、チーム力は健在。各自の目標に向けて、チーム一丸となって一冬を戦い抜いた。本記事ではシーズン後の選手たちの声をお届けする。
(この取材は2月29日に行われたものです)
第8回は岡部季枝(法4=新渡戸文化)のインタビューです。
――4年間お疲れ様でした。明治×法政 on ICE(以下、明法オンアイス)を終えての率直な感想を教えてください。
「やはりあのように盛大に祝ってもらえて、引退したんだなと、現役引退というのをすごく実感しました」
――グループナンバーとオープニングで笑顔あふれる演技をしていたのが印象的でしたがいかがでしたか。
「本当にずっと楽しくて、オープニングは少しぐだぐだしていたと思うんですけど、踊っている私は楽しかったです。グループナンバーもなんとか形にはなっていたので、良かったなと思います」
――ご自身のプログラムを披露する前には、江川マリア選手(政経2=香椎)と恩師である佐野先生からメッセージがありました。
「本当に感動的な言葉をいただいて、演技の前なのに泣きそうになってしまいました。後輩のマリアちゃんの頑張ってくださいという言葉と、あとはスケートを始めてからずっと同じ先生についているので、先生からの言葉もすごくうれしかったです」
――4歳の頃からずっと佐野先生の指導を受けていると伺いました。思い出などはございますか。
「もう本当に小さい頃からずっと一緒にやっていて、合宿にもずっと連れていってもらっていたし、すごくお世話になっている先生なので本当に感謝しかないです。最近は勉強の方に力を入れていてあまり練習に行けていなかったので、会えていなかったんですけど、このような形でメッセージをくださって本当にうれしかったです」
――『フォレストガンプ』の演技を振り返っていかがですか。
「なんとか最後まで踊り切ることができたのが、まず一番安心したところです。体力が少し心配だったので、そこを最後までできて良かったなと思うのと、最後のスピンをミスしてしまったのが悔しいところですけど、自分としてはいい演技ができたかなと思っています」
――アンコールでは『素敵なあなた』という曲を披露しました。そのプログラムに込めていた思いを教えてください。
「『素敵なあなた』も結構長い間使っていた曲なんですけど、明るい曲で踊っている自分もすごく楽しい気持ちになるので、本当に好きな曲です。やはりアンコールは盛り上げるためにもこの曲を踊りたいなと思ってたので、会場の皆さんも盛り上がってくれていたらいいなと思います」
――明法オンアイスのからは少し離れて、今シーズンの試合について質問させていただきます。東京選手権(以下、ブロック)がシーズン最初の試合でしたが、振り返ってみていかがですか。
「ブロックは2カ月前くらいから練習始めて、頑張って感覚を戻そうと思って練習していて、練習では結構いい感じのところまで戻っていたんですけど、試合でジャンプを成功させるとなると、やはり難しいなというのを実感した大会でした」
――当時の体の感覚の戻り具合はいかがでしたか。
「そうですね。SP(ショートプログラム)は練習でノーミスも出ていたので、うまくいけば通るかなと少し思っていたんですけど、やはり試合だと緊張もありますし、久しぶりの試合というのもあって、なかなかうまくいかないなと思いましたね」
――12月にはFS(フリースケーティング)の『エクソジェネシス』を披露する機会がありましたが、いかがでしたか。
「もう学校も始まっていて、あまり練習も本格的にはできていなくて、ぼちぼち練習を続けていたという感じなんですけど、FSというのもあって、全然体力が足りていなくて。しかもジャンプもそこまでいい感じの状態ではなかったので、それにしては頑張ったかなという演技でした」
――この4年間、明大スケート部フィギュア部門で過ごしてきていかがでしたか。
「本当にいい先輩と、本当に優しい後輩たちに囲まれて、すごくいい4年間だったなと思います。それに、すごく上手な選手が周りにたくさんいるので、いい刺激がもらえたなと思っています」
――今年度の夏には合宿にも参加されていました。その中で部としての絆は感じましたか。
「はい。仲は結構いいと思うので、楽しい合宿だったなという思い出があるのと、練習以外のところでは、和気あいあいとしているのに、練習では一生懸命やっているギャップがかっこいいなと思っていました」
――特に仲の良かった選手や、プライベートでも交流していた選手はいらっしゃいますか。
「あまりプライベートでどこかに一緒に行くというのはないんですけど、一緒のリンクの人はよく話します。もう卒業しちゃいましたけど、新葉ちゃん(樋口新葉・令5商卒)とか、伊吹ちゃん(佐藤伊吹・令5政経卒)とはよくリンクで話していました」
――この4年間の一番の思い出をお伺いしてもよろしいですか。
「合宿もすごく楽しかったんですけど、選ぶとしたら明法オンアイスですね。やはりあれだけ盛大に祝ってもらえて、グループナンバーも一体感があって、みんなで集まって練習して本当に良かったなと思います」
――同期には松井努夢(政経4=関西)選手、堀義正(商4=新渡戸文化)選手、そして本田真凜(政経4=青森山田)選手がいらっしゃいました。同期のメンバーへの思い入れはございますか。
「やはり同期は特別な存在だなって思うのと、本田選手はこの4年間あまり会う機会も少なかったんですけど、今年の合宿には来ていたので少しお話できて、合宿の時は4人そろって写真も撮れて、すごくいい同期だなと改めて思いました。あと、男子2人は同じリンクで、練習で頻繁に顔を合わせていたので『頑張ってるな』と思いながら刺激をもらって、自分も頑張れました。本当にいい同期だったなと思っています」
――フィギュアスケートを続けてきて一番大変だったことは何ですか。
「ケガしていたときが一番大変だったかなという風に思います。ケガで練習に行けないことが気持ち的に落ち込む部分がありました。でもそれも乗り越えて、今となってはケガでスケートをできなかった期間も、いい経験にはなったのかなと思っています。(昨年の腰のケガの時ですか)本当に何回もあるんですよね。昨年は腰の疲労骨折で休んでいたんですけど、休んでる期間にスケートができないとなってしまうと、気持ち的には自ら休んでいる間とケガでできないって期間は違うなと感じました」
――これまでのフィギュアスケート人生で特に思い入れのあるプログラムはございますか。
「やはり『素敵なあなた』が一番印象に残っています。この曲ですごくいい演技ができた思い出がたくさんあるからですね。(選曲はご自身でされたのですか)いや、先生に勧められて、選んだ曲です」
――フィギュアスケートをしてきて学んだことがありましたら教えてください。
「やはりスケートをやっていると、つまずく部分とか、練習していてもなかなかうまくいかない時間があるんですけど、それでも諦めずに続けていれば、少しずついい方向に進んでいくことを学びました」
――今年は特に勉強との両立が大変だったと思います。その中でフィギュアスケートは岡部選手の中でどのような存在でしたか。
「勉強を頑張る上で、今はスケートがあって本当に良かったなと思うし、スケートを頑張る上でも勉強があって良かったなと思えるし、本当に両方があってこそ私の人生が成り立っているなと思っています」
――明法オンアイスのスピーチの際には、今後も勉強だけでなく、スケートに関わりたいとおっしゃっていました。今後、どのような形でスケートに関わっていきたいか教えていただきたいです。
「来シーズンも試合には出る予定です。夏までは勉強に専念すると思いますが、そこからできるだけ戻せるように頑張って試合に出たいなと思っています」
――弁護士を志していると伺いました。志したきっかけはございますか。
「木村拓哉さんのファンで、『HERO』というドラマが好きで。きっかけとしてはこのドラマを見て、あれは警察官ですけど、法曹三者という弁護士、検察官、裁判官という仕事に興味を持ったところからですね」
――今後の目標を教えてください。
「来年もスケートをやりたいと思っているんですけど、まず第一に夏に司法試験があるので、そこに向けてできる限り今から5カ月間頑張って勉強に専念して、その後シーズンに向けても調整できたらなと思っています」
――最後に応援してくださったファンの方へメッセージをお願いします。
「これまで応援してくださりありがとうございます。来シーズンもできる限りスケートを続ける予定なので、これからも応援してくださったらうれしいです。これからもよろしくお願いします」
――ありがとうございました。
[髙橋未羽]
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