(7)体育会ラグビー部マネジャーインタビュー拡大版/新歓号特別企画

 昨年度創部100周年を迎えた明大ラグビー部。その活動を陰で支えているのが学生スタッフだ。その中でもマネジャーは昨年度、北村美貴(農4)、天童梨紗(文4)、魵澤直(文2)の3名で活動。部の財務管理やSNSを使った広報活動など幅広い分野の業務を行い、チームの活動をサポートしてきた。今回はマネジャーの皆さんのインタビューを掲載する。

この取材は3月14日に行われました写真はラグビー部提供。

――ラグビー部のマネジャーになろうと思った理由を教えてください。
天童 私は元々中学ぐらいから、家族で明大ラグビー部の試合を見に行ってて、その時に明大ラグビー部がいいなと思っていました。自分は中学高校で、組織の中でサポートスタッフのようなことをするのが楽しかったので、大学生になっても何かしらで続けたいなと思ったのと、明大ラグビー部が好きという、ファンのような思いで入部しました。

北村 私は桐蔭学園出身で、桐蔭が花園で2連覇した時も現地で試合を見て、その時からラグビーが好きになり始めました。元々秋濱悠太(商4=桐蔭学園)と友達で、私が明大に進学することが決まった時に秋濱も明大でラグビーを続けると聞いて、秋濱が日本一を目指すなら、私も一緒にやってみたいなという気持ちになって入部しました。

魵澤 2021年度の全国大学選手権の対東海大の試合が、私が人生で初めてスポーツ観戦した時で、それで明大進学を決めるほど印象に残りました。その後明大に入学できたのも何かの縁かなと思い、ラグビー部に関われたらいいなと思い選びました。

――やりがいを感じるときはありますか。
北村 広報という仕事でSNSをしている時に、選手とファンをつなげられているなというのを実感できたのがやりがいとして感じました。例えば去年だったら、広報の企画で春シ―ズンに100周年とファンをつなげたいところで、ファンの質問に100個答えるという企画をしました。その企画をする上で、SNSはファンと選手がつながるコミュニティーのメディアの一つだと思っていて、それをやったことによって実際にファンの人にも、選手の寮生活はこんな感じなんだとか、こういうの見るんだねとか言われたこともありましたし、他大のマネジャーにも100個全部やり遂げられるのは本当にすごいねと言われて、やりがいというか、私の中で1個頑張ってその企画を成し遂げられて良かったなと思います。新規ファンも増えて、SNSのフォロワーも去年12000人だったのが2万人と8000人プラスで増えているので、ちゃんと頑張れて良かったし、やりがいとして感じられました。

天童 私は試合の時にロッカールームで手伝いをすることが多くて、マネジャーは試合の時はチケットなどに回るのですが、私は2年ほどグラウンドに入らせていただいてます。そこで選手が万全の体勢で試合に臨めて、観客がいっぱい入ってくれて、試合が無事に始まった時に、ここまで(準備を)積み重ねてきたから無事に開催できたなというのを感じます。大会運営の書類提出などの小さな仕事から、チケットなど何百万の単位を扱う大きな仕事が絡み合って、最終的に3万人ぐらいお客さんを入れることができる試合を無事開催できたというのが、グラウンドに入って観客席を見上げた時に達成感を感じます。

魵澤 私は普段試合の時はチケットなど、実際にファンや保護者の方々と対面で話す場面で動くことがたくさんあります。例えば八幡山グラウンド開催の試合の時はメンバー表をファンの人に渡して、いっぱい配れた時はファンの人の多さを実感できるし、選手権などの大きな試合の時はメンバー表に関わらなくても、明大のジャージーを着ていたりグッズを持っている人をたくさん見ると普段の仕事を頑張ろうと思えます。メンバー表は普段私が作っているので、ファンの方がもらってくれるとすごくうれしいし、もっと頑張ろうと思えるので、そういう時が一番やりがいを感じます。

――マネジャーの仕事をしていて成長したことはありますか。
魵澤 昨年ラグビー部が100周年を迎えたタイミングというのもあって、いろいろな人と関わって、仕事をしている普通の大人の人との関わり方を学ぶことができたのが1年の成長かなと思います。

北村 いい意味で人によっての対応の変え方を覚えることができました。例えば選手だったら、ずっと試合に出られない選手やケガが多い選手がいる中でも、マネジャーという立場なら私たちは全員に同じようなラフな会話をいい意味でし続けないといけないと思っています。コーチだったらちょっと厳しいことを言うかもしれませんが、だからこそマネジャーはラフな感じで明るいキャラで、選手みんなに平等に接していくというのは、学年、試合に出る出ない問わず心がけています。保護者などだったら、私は試合当日チケット配布をすることが多くて、選手全員の保護者の顔をおそらく覚えているのですが、選手たちは寮でずっと生活しているので、この選手にこんなエピソードがありましたよみたいなことをチケット配布の時に話したり、この前この選手にこんなことをしてもらいましたとか、お土産をもらいましたとか、小さなことでも伝えるようにしています。OBの方だったら、応援してくれてありがとうございますとか、欲しいグッズありますかとかもたまに聞いたりしています。協会の方には明大のだめなところを言われたりするのですが、それは真摯(しんし)に受け止めて会話して、明大の看板を背負っているということを忘れずに、人によっていい意味で立場をわきまえて話すことを変える能力は成長したかなと思います。

天童 一つ目は、先を見て行動する能力が伸びたと思っています。例えば、今目の前にある仕事はこれだけど、その先こういうことをしないといけないとか、逆算して物事を考えたり、試合の時は開始時間が決まっているので、それまでにこれをしないといけなくて、ここで選手がくるから何時何分までにこの荷物がないといけないとか、頭の中で順序立ててその先で不具合が起きないように立ち回ったりすることは身についたのかなと思います。二つ目は、組織の中での自分のあり方をすごく学ばせていただいてると思っています。私はありがたいことにマネジャーに同期がいて、それぞれタイプが違うのは私も美貴ちゃんも分かっていると思うのですが、2人いるから補える部分も絶対あると思います。例えば美貴ちゃんがチケットをしてくれているから私はグラウンドで作業ができているし、美貴ちゃんは選手や保護者と関係性をつくるのが上手なのでそこから学ぶことも多いです。じゃあ自分にどういうことができるのかなと考えた時に、先を見て行動することだったり、広報活動などを積極的に取り組んだり、柔軟さという自分自身の大事な根底の部分を変えないで、自分がどういう行動をすればチームのためになるのかなというのを考えさせていただいている3年間かなと思います。

――学生スタッフの魅力を教えてください。
天童 擬似社会人のようなものを体験できるのは経験としてすごく役立っていると思います。大人のスタッフさんという上司がいて、選手はお客さん、取引先という捉え方ができます。学生スタッフはどの部門でも、上司の方の意見とお客さんのやることの板挟みになりがちなのですが、その中で自分はどういった行動ができるのか、どういうことが向いているのか、苦手なのかを考えさせられたり、自分のやりたいこと以外の仕事に対してどう向き合うかという経験をもらえることが、大学生全員にあるわけではないですし、その経験は社会人になって、どの道に進んでも生かせる場面がきっと出てくると思います。周りの大学生と特に就活で話す機会が増えて、自分がさせていただいている経験は本当に普通じゃないことなんだなと改めて感じますし、自分が得たものを生かせる場所はあるはずだと思っています。そういった考え方の面で、学生スタッフをすることは貴重な経験だと思うし、それをみんなやりがいとして感じているのではないかと思います。

北村 全体の魅力として新入生に伝えたいことで言うと、本当に大学で何か一つのことをやりたいと思っている人に絶対おすすめしたいです。私は高校生まで10年間バスケをやってきて、本当にうまくなりたいという気持ちで続けてきました。大学ではプレーを続けようとは思わないけど、何か一つのことに熱中したいなと考えている人は今の大学1年生にいっぱいいると思っていて、そういった子たちにすごくおすすめしたいです。ずっと勝ち上がってきた選手たちの挫折や、そこからはい上がる選手たちのことを見ることができて、選手90人のいろいろな姿を見ることができるのは学生スタッフの私たちしか経験できないことだと思いますし、日本一を目指す環境にいきなり入れます。何か一つのことを頑張りたくて、一緒に日本一という見たことのない景色に自分も行きたいと思っている人にはぜひ来ていただきたいです。

魵澤 この明大ラグビー部には歴史があって、いろんな人から愛されていて、たくさんのファンの人からの応援をじかで感じられるのは、普通は経験できないことだと思います。マネジャーにフォーカスすると、ファンの方だけでなくOB会の方など、ラグビー部にたくさん関わってくださっている人たちと1対1でちゃんと向き合って話さなくてはいけない場面もあって、それはラグビー部に入っていなければ経験できないようなことを経験させてもらえることが魅力だと思います。また、U20や高校日本代表に選ばれるようなすごい選手たちと、フランクに笑いながら話せる環境もなかなかないと思うので、そういった意味でも学生スタッフという立場には魅力があるのかなと思います。

――新入生にメッセージをお願いします。
天童 大学の看板になるようなスポーツに関われる機会に巡り合えることはないと思うし、未経験でスポーツやったことがないにも関わらず、そういうチームに携われる機会があるっていうのはすごく貴重なことだと思うので、ラグビーのルール知らなくても全然構わないし、ラグビー選手、部員1人も知らなくてももちろん構わないし、何かやってみたい、何か挑戦したいなって思ってる人とか、何か1つ強い思いを持っている子にはぜひ挑戦してほしい環境だと思います。成長を応援してくれる環境もあるし、勉強を応援してくれる先輩もいるし、他の大学生と充実度合いがやっぱり違うと思うので、 この4年間を有意義に使いたいと本当に思っている方はぜひ明大ラグビー部へ!

北村 決して甘くなく過酷ではありますが、大学生からでも日本一のメンバーになれるので、ぜひ一緒に日本一のチームの一員になりましょう!

――ありがとうございました。

[晴山赳生]