
(1)篠原光アナウンサーインタビュー拡大版 前編/新歓号特別企画
「好きを追求してほしい。それが最大の原動力」。明大を卒業後日本テレビに入社し、アナウンサーとして『ヒルナンデス!』などの番組で活躍。現在はゲームキャスター界の第一線で活躍する岸大河氏の下に弟子入りし、活動の幅を広げている。〝好き〟を追いかけ続ける、その類を見ないキャリアに迫った。
今回は篠原光アナウンサー(平30政経卒)へのインタビュー前編(明大~日本テレビ時代)をお送りします。
(※この取材は3月5日に行われたものです)
――高校時代はどのように過ごされましたか。
「これからの考え方もすごく通じるんですが、高校の時から好きなことばかりやっていました。軽音楽部と柔道を兼部していて、まず柔道部で朝練をやって、授業中爆睡して、放課後軽音楽部でバンド活動をやって。そうしたら体力がなくなっちゃうから勉強する時間なくて。成績もガンガン落ちていったけど、僕的は勉強してないから当然かなと納得していました。だから後悔もなく、気持ちよく明治に入ったっていう感じですね」
――大学生活での印象的な思い出はありますか。
「僕が今日和泉キャンパスでお願いしたように、1、2年生の思い出が結構濃いです。3、4年ぐらいからより自立して外にベクトルが向くようになるので、大学からさらに社会に出ていくようになりました。サークルはアナウンス研究会入っていて、どこかの教室で発声練習を、土日にしていたのを覚えていますね。
声の仕事がしたい、というのは高校生の時からもう思い描いていました。僕が結構漫画、アニメ、ゲームが大好きで、ニコニコ動画っていう動画サイトを見て育ったのがあって。そういう志を持ったままそのような業界を知る機会とか人脈とかできるんじゃないかなと思ってアナウンス研究会に入りました。声を出す練習が楽しくて、今プロになって振り返ってみるとかわいいことやっていたなっていう感じなんですけど、その日々がすごく楽しかったですね」
――大学生の時に今後のキャリアを考える上で大切にしていたことはありましたか。
「外側や肩書きで絶対決めないことが多分大事だと思います。自分が知っていることって世の中の1パーセントにも満たないっていまだに思います。だからこそ、これがやりたいなって漠然とアクションや目標、夢の方が先です。僕はその声を使った仕事がしたい、プラス通信社でアルバイトをしていたので報道ってかっこいい、という2つの要素を掛け合わせた結果、声で命を守りたいっていう志望動機になりました。
今の時代のすごくいいところは、会社に入らなくても発信なり行動を、個人の単位で影響力を持ってできるところ。だから、夢が叶うのであれば別に会社に勤めなくてもいいと僕は思っています。仲間を集めて小さくベンチャーを立ててもいいと思うし、それがキャリアだと思う。本当に人生の過程でしかないから、大学入ってサークルなどを選ぶのと同じように、 何かをやりたいっていうモチベーションで決めていいと思います。」
――日本テレビで勤めた中で、特に印象深い番組や出来事はありますか。
「1つ目は報道面で、安倍晋三元首相が撃たれた事件、その瞬間にニュースをやった時ですね。まだ生死も分かっていないっていう第1報が入って、3行ぐらいの原稿を繰り返し読んでいました。それが『ヒルナンデス!』の枠2時間すべて直撃したので、2時間1人で喋り続けたっていうのが一番怖かったし、自分がやらなきゃいけないっていう使命感みたいなものがみなぎりました。これが自分の仕事なんだ、とすごく実感した場面でした。
もう1つは、24時間テレビで『ヒルナンデス!』のメンバーと、暗闇の中で太鼓を叩くパフォーマーたちと共演して、音楽と光のクリエーティブっていうパフォーマンスをしたことですね。コロナ禍が明けたばかりで、少しでも笑顔にもう1歩立ち上がろう、という気持ちで南原清隆さんはじめ『ヒルナンデス!』の皆さんとできたことがうれしかったです。自分を見た人が笑顔に、明るい気持ちになってほしい、というのは『ヒルナンデス!』で教わった大事な人生観ですね」
――日本テレビを退社するにあたり、不安はありませんでしたか。
「生きていけるのかな、と不安もありました。でも、僕の中での夢が変わったわけです。大学の時は『テレビで報道を伝えたい』でしたが、今の夢は『eスポーツをはじめネットカルチャーを社会に浸透させたい』に変わりました。テレビができることは盛り上がっている文化をもっとたくさんの人に伝えることですが、テレビに扱ってもらえるくらいまで一旦自分たちであたためる作業をやりたいと思いました。幸い、日本テレビがそういう気持ちを応援してくれる人が多かったので、それもモチベーションになりましたね。頑張ってこいよって言ってもらえることがすごく多かったです。恩知らずの子供でしたが、それを大きい器で送り出してもらえたっていうのはすごく大きかったです」
[杉田凜、高橋佳菜]
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