(200)日本学生ハーフマラソン選手権事後インタビュー①/山本豪駅伝監督

2024.03.12

 長距離部門にとって、新チーム発足後初の公式戦となった今大会。当初15名の選手がエントリーしていたものの、ケガや体調不良の影響で2名の出場にとどまった。その中でも健闘を見せた選手たちの声をお届けする。

 

 第1回は山本豪駅伝監督のインタビューです。

 

――出走した2人の走りはいかがでしたか。

「古井(康介・政経2=浜松日体)は16キロ地点では余裕があるように見受けられました。いいペースで行っていましたからどのぐらいでゴールするんだろうと楽しみにしていたんですけれど、そこからペースダウンしてしまいました。自己ベストは出しましたが、途中の走りからするとあと20秒から30秒速くゴールしてほしかったなというのが本音ですね。窪田(悠人・政経2=沼津東)に関しては、事前の練習からそんなにいいところがなかったので当然と言えば当然の結果ですし、これで良しとしていたらどうしようもないですから。見直すべき点を私もそうですし、本人もしっかり洗い出して自覚して次に進んでいく必要があると本人にも伝えました」

 

――今回のレースはタイムを狙いに行く想定で指示を出されましたか。

「古井に関しては保険をかけた走りじゃなくてちゃんと前の方で勝負しなさいと。今まではそのように言ってもできていなかったのですが、今回はそれができていましたから、そういう点では評価はできますね。後半の5キロが落ち込んだことで課題が明確になったので、今度はそれを埋めていく作業になります」

 

――今大会の位置付けとしてはどのように臨みましたか。

 「今回はユニバーシアードの選考もないので私の中ではそんなに重きは置いていません。例えば大湊(柊翔・情コミ2=学法石川)や尾﨑(健斗・商3=浜松商)などトラックに集中したい子もいるので、それは全く別で動いています。そこはしっかりと分けてやっていきたいということは学生にも伝えています」
 

――今大会の棄権者が多かった理由はありますか。

「ケガとインフルエンザです。ケガで欠場もいますし、インフルエンザにかかって中途半端な体調で出てもケガの原因になりますから回避した人数が多くなりました」
 

――新潟ハーフマラソン2024(新潟ハーフ)にエントリーされた選手はどのような目的で出走しますか。
 
 「新潟ハーフ組は本来今大会に出る予定でしたが、故障とか体調不良でスライドした組なんです。彼らはトラックよりもロードを中心にやっていきたいという希望の選手たちなので、故障や病み上がりでどのぐらい走れるかわかりませんが今の力を確認するために出るという感じですね」

 

――チームが本調子に戻るめどは立っていませんか。

「今の段階では本当にまだですね。これは私も全体に向けてしっかり一度話をしなければいけないと思っていますが、今はとてもじゃないけれど戦えるようなチームの雰囲気ではないので真剣に話をして向き合う必要があると思います」
 

――今シーズンは駅伝監督として初めて新チーム発足の段階から指揮を執ることになります。その中でどのようなことを選手に伝えていこうと考えていますか。
 
 「今は規律があるようでないような雰囲気があります。やっぱりルールや自分で決めたことは守りましょうということは伝えたいですね。日々の生活や競技面での目標を含め、全てを達成するためには例えば掃除、挨拶、時間を守るといった自分の気持ち一つでできることすらできなければ目標を達成できるわけがないじゃないですか。そういう細かいところからしっかりみんなで守っていきましょうと。そういうこともしっかりできている組織の方が目標の達成率が高いというデータもあるので、しっかりみんなに伝えていきたいと思います」
 

――現段階で調子の良い選手はどなたになりますか。

「今はトラック組では堀(颯介・商2=仙台育英)が良くて、尾﨑も今は実業団の合宿に行っていますが元気にやっています。あとは大湊なども変わらず元気ですね。」
 

――調子が良い選手は先ほどおっしゃられたように、普段のこともしっかりできるような意識の高い選手だと見ていますか。
 
 「やっぱりちゃんとしている子が多いです。はたから見ると明確に結果に出ているけど当の学生たちは分かっていない、気付かれていないだろうと思っているのでそういうところもどんどん言わないといけないと思っています」
 

――厳しいこともしっかりと伝えてチームを引き締めていくという方針なんですね。
 
 「やっぱり言わないと変わらないです。僕は就任してまだ約半年ですけど、本当にそう感じました。だから何かを変えるときには痛みを伴うし、ひずみも出てくると思いますけど、それにびびっていたら何も変わりません。選手にとっては嫌かもしれないけどチームの強化にとっては必要なことなので、心を鬼にして取り組んでいきたいと思います」
 

――4月から入部する長距離ブロックの新入生の中で注目している選手はいますか。
  「全体的にはちょっと小粒なんですけど、その中でも成合(洸琉=宮崎日大)は持ちタイムもいいですし、即戦力として使いたいと思っています。今回の合宿で走りを見せてもらいましたが、成合は練習も積めているので安心して迎えることができます。あとは世羅高の井上(史琉)も元気なので、その辺を軸に考えていきたいなと思っています」
 

――新たなシーズンに向けた目標や意気込みをお願いします。
  「まず関東学生対校選手権は1部でしっかりと点を残るために準備しなければいけません。あとは全日本大学駅伝予選会、箱根駅伝予選会を通過して、そこで初めて挑戦者になるわけじゃないですか。そういう意識付けをどんどんしていきたいですし、とにかく三大駅伝に出るのが当たり前になるようなチームに育てていかないとこれ以上の発展はないのかなと思っていますから注力していきたいです」

 

――ありがとうございました。

 

[松原輝]