
(番外)2024年J加入選手特集 村上陽介編/明大スポーツ第535号特別企画
今季プロ内定堂々の第1号としてシーズンインした副主将・村上陽介(法4=大宮アルディージャ)。しかし、今季は決して平たんな道のりではなかった。それでも全日本大学選手権(以下、インカレ)優勝に大きく貢献。その強さの秘訣に迫る。
「4年間で大宮アルディージャに戻るためにやってきた」。有言実行。今年度の明大サッカー部を副主将としてけん引してきた村上の堅実な努力が実を結び、目標を現実へと変えた。
「(明大に)入ってきた瞬間は、とても衝撃的だった」と当時を振り返る。しかしその衝撃をすぐに〝学び〟として吸収。1年次からトップチームに絡み続け、常に第一線としてチームを導いてきた。しかし、数々の悔しかった記憶の方が鮮明だと語る。2年次の関東大学1部リーグ戦(以下、リーグ戦)最終節では流経大に敗北を喫して優勝を逃した。3年次のリーグ戦開幕節では4失点。優勝こそつかんだが「チームを勝たせる選手」にはほど遠いと、人知れず辛酸をなめていた。さらにプロ内定選手としてシーズンインした4年次は、長期間のけがに苦しめられ、思うような結果が望めず。それでも〝前へいく明治のサッカー〟を体現すべく対人やインターセプト、ビルドアップを磨き続け、出場機会を待ち続けた。そして迎えた冬の大舞台、インカレ。村上は大学最後の戦いでリーグ戦第1節対東海大戦ぶりにスタメンへかえってきた。「試合に出る出ない関係なく変わらずやり続けてくれた。彼の姿が、村上に賭けようと思わせてくれた」(栗田大輔監督)。その期待通り、準々決勝から3試合連続完封勝利を成し遂げ、見事に優勝の立役者となった。
「4年間苦しかったと思うが、自分の強みと弱みに向き合って葛藤して努力をしていた。彼は逃げずに、毎日を積み重ねていた」(栗田監督)。その精神力こそが、彼をプロの道へと導いた。「あのユニフォームを背負えることは自分にとってはとてつもない誇り。明治で培った土台を軸に、アルディージャが上にいくための起爆剤のような存在になりたい」。誰にも負けないクラブ愛と4年間貫いてきた〝明治魂〟を胸に、プロサッカー界へと羽ばたく。
[田上愛子]
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