(番外)2024年J加入選手特集 阿部稜汰編/明大スポーツ第535号特別企画

2024.01.23

 全日本大学選手権(以下、インカレ)で大きな活躍を見せた阿部稜汰(政経4=日章学園)。着実に主力選手に成長し、自身の大学サッカーを華々しく締めくくった。

 

 1、2年次はなかなか芽が出なかった。ケガにも悩まされ、ピッチ外での我慢の時間が続いた。それでも3年次からは激しいポジション争いの中で徐々にトップチームに絡みだす。4年次のリーグ戦では22試合中17試合に出場し、見事〝明治のSB〟としての地位を確立させた。

 

 迎えた最後のインカレ。阿部は全試合で先発出場を果たし、大きな活躍を見せた。その中でも3回戦の仙台大戦では、大学で初の公式戦での得点を収め、チームの勝利に貢献。チームメイトからも喜びの声が上がった。「明治や今までお世話になった人たちに恩返しの大会にしたい」。その恩返しは、初ゴールという最高の形となった。

 

 インカレでの活躍は、阿部の今後の人生を決定づけた。彼の活躍がJ3・FC今治の目に留まり、オファーが舞い込んだのだ。「サッカーで挑戦できるチャンスがあるんだったら、行けるところまでチャレンジしたい」。どんな時でも強い信念を持ち〝その時〟を待ち続けてきた阿部。その我慢強さで、最後には新たな可能性を切り開いてみせた。

 

[尾﨑陽菜]

 

◆阿部 稜汰(あべ・りょうた)政経4、日章学園高。171センチ・68キロ。