
(23)開幕直前! 全日本事前インタビュー⑤ 宇田幸矢×宮川昌大×山本歩
1月23日から開幕する全日本選手権(以下、全日本)。明大勢からはシングルス2連覇中の戸上隼輔(政経4=野田学園)や王座奪還を狙う宇田幸矢(商4=大原学園)ら計13選手が出場予定だ。選手たちは紫紺のプライドを胸に、頂上決戦へ挑む。今回は海外遠征で不在だった戸上を除く12選手に、明大の合宿所にてインタビューを行った。第5弾は宇田と宮川昌大(情コミ4=野田学園)、そして山本歩(商3=出雲北陵)のインタビューをお届けする。
(この取材は1月14日に行われたものです)
――まずは2023年の総括をお願いします。
山本(以下、山):2023年はリーグ戦とインカレで一つも優勝できなくて、個人戦でもあまりいい結果残せなかったので、今年はその反省を生かしてリーグ戦とインカレで優勝して、個人戦でもしっかり勝てるように頑張りたいです。
宇田(以下、宇):まとめちゃったじゃん(笑)。そうですね。2023年はやっぱりパリ選考だったり、全日本選手権っていうものは自分が思うような結果を残すことはできなかったなと。選考会でも優勝して、やっぱり上位いきたかったです。去年の全日本もベスト8止まりでしたし、ダブルスも2連覇目指していたんですけど、できなくて悔しい1年でした。ケガとか、腰ヘルニアになっちゃったりして思うように練習できなかったりと、結構自分のやりたい気持ちがあっても、そこに対して体がついてこないっていうのがあったので、そこのバランスがすごく難しい1年ですごく悩んだし、悔いが残る1年でした。やっぱり明治としてもインカレもそうですし、リーグ戦も4年生で最後だったので優勝できなかったのは悔しかったなと思います。
宮川(以下、宮):チーム戦に関してはリーグ戦とインカレ、自分らが1番上の学年で優勝できなくて本当にチームに申し訳ない気持ちもありましたし、自分自身もシングルスでもダブルスでもあと1勝していればチームが優勝できた可能性があったので、最後までチームには本当に申し訳ないなっていう気持ちが強かったです。シングルスでは今年入る前に、最後の年は関東、全国両方優勝するっていうふうに自分の中で目標があったんですけど、関東学生(選手権)優勝してすごくいい感じで来たんですけど、全日学(全日本大学総合選手権・個人の部)に関しては決勝で負けて準優勝ってことで、チーム戦でも個人戦でも自分の目標には届かず終わってしまった1年間でした。でもすごくこの1年自分自身成長できたと思うので、自分的には充実した1年間を過ごせたのかなって思います。
――全日本を直前に控えた心境はいかがですか。
山:調子は悪くないので、あと10日間ぐらいしっかり調整して、いい形で試合に臨みたいです。
宇:12月に腰に、新しい病院でブロック注射っていうのをしたんですけど、そこから少しずつ練習量増やしてこの間のカタールでの試合もすごくいいプレーというか久々にいい感覚で試合ができました。今全日本前になってきて卓球自体のプレーもいいですし、精神的にも前よりは少し自信が持てた状態で保っているので、この調子のまましっかり調整して全日本を迎えたいなと思います。
宮:今大会3種目、シングルスとダブルスと混合ダブルスに出場させてもらうんですけど、シングルスでは今まで一回も入ってないランク、そしてそれ以上っていうのを目標にして頑張りたいなと思っています。ダブルスでも去年ベスト8で表彰台には登れなかったので、今年は何としてもまずはベスト4以上目指して去年より上に行けるように頑張りたいと思います。全日本まであと少しですけど、自分自身すごくいい感じで調整ができているので、あと1週間ちょっとぐらいもっともっとギアを上げていけるようにまたこれから調整していきたいと思います。
――宮川選手と山本選手は前回大会ベスト8でしたが、昨年度振り返っていかがですか。
山:去年は1回戦からの出場で初戦から試合があって、試合やっていくうちにどんどん調子上がっていって、ベスト8決定戦とかも結構いい試合内容だったんですけど、準決勝でストレートで負けてしまったんで、今年はやっぱ一つ上のベスト4を目標に頑張っていきたいです。
宮:山本とのダブルスは自分が3年生の時から組み始めました。リーグ戦でも結構負けていたので、全日本はまずはベスト8っていうか、組み合わせて見た時にベスト8に入るチャンスが全然あったので、まずはそこに行ければいいかなっていうふうに思って試合していました。いざ試合になると山本選手がすごいいいプレーをしてくれて、自分自身も助けられましたし、そういったことがあって去年はベスト8に入れたので、今年は自分もそうですけど、お互いがいいプレーをしてベスト4以上、去年の結果を上回れるように頑張りたいと思います。
――宇田選手にとって全日本はどんな大会ですか。
宇:高校3年生で1回優勝してますし日本で一番大きい大会で、誰もが目指す場所だと思うので、そこでもう一度優勝することだったり、それぞれ目標も違うと思うんですけど、 (優勝は)一番自信になりますし、自分の立場もはっきり分かると思うのでやっぱそこに対する、懸ける思いってものはみんな強いと思います。ただ世界を目指していく上では通過点。通過点なので全日本は。卓球はシーズンがなくて、本当に大会がたくさんある中で、一番みんなが仕上げてきて挑戦するので自分にとっては勝てば人生が変わる、それぐらい大きな大会だと思います。
――先日までWTTドーハ(カタール)で試合がありましたが、技術面で手応え感じた部分はありますか。
宇:攻めるスピードが、前より無駄のない動きができているのかなと。腰をケガしてしまって、今までは自分の持ち味であるパワー、そこにすごく重点を置いて取り組んでいたんですけど、ケガしてしまってやはり強く打てない機会が多く、少し卓球を変えていかないといけないっていうことで、プレースタイルを小さくして、より早いものにしたんですよね。スピードがあるような。それがすごく形になってきていますし、フォアは回り込みが得意なんですけど、腰痛くて回り込めない分、バックの練習をすごい強化してきました。(WTTドーハでは)そこもやっとすごくマッチしてきて、落ち着いてプレーができました。今まで苦手な部分だったので、落ち着いてプレーすることで得意な面も自信持ってできますし、少しプレーに余裕ができたのかなと思っています。
――宮川選手は初のスーパーシードですが、いかがですか。
宮:まずはスーパーシードが自分にとっては初めてなので、スーパーシードの難しさっていうのは自分自身まだ肌で体感してないんですけど、やっぱり強い選手の話を聞くと、スーパーシードの1発目っていうのはどんな相手でもなかなか厳しい試合になるって聞いているので、もう組み合わせとかは気にせずに一戦一戦、4回戦から自分の100パーセントの力を出し切れるように。その日3試合ありますけど、3試合とも自分の持っている力を全部出し切ることだけを意識してやっていきたいなと思います。
――11月の全日本学生選抜選手権後から成長感じた部分、変えた点はございますか。
山:僕はダブルスしかないので、ダブルスでどうやって勝つかっていうのを意識して12月、1月はずっと練習してきました。
――宮川選手と山本選手、試合以外での関わり合いはございますか。
宮:ただ自分がいじって、山本がちょっと反応して終わりみたいな(笑)。深い仲はないというか(笑)。
――宮川選手から見て、山本選手はどんな選手ですか。
宮:卓球に関してはいつも練習終わっても残ってずっと練習していますし、リーグ戦とかでも後半に置いたら大体は勝って帰ってきてくれるので、本当に団体戦に関しては頼りになる選手です。ダブルスでも予想外のプレーをしてくれるので、自分自身はすごく頼りがいのある後輩だと思いますけど、私生活ではちょっとあんましゃべらないので、ちょっとどんな感じかわかんないですね(笑)。卓球ではすごく本当に頼りになる後輩ですね。
――山本選手から見て、宮川選手はどんな先輩ですか。
山:んー。
宮:なになに(笑)。
山:こういう先輩になりたいです(笑)。
――山本選手は、宇田選手にはどんな印象お持ちですか。
山:尊敬できる先輩です。
宇:浅いな、何か。含みがないな(笑)。
山:こういう先輩になりたいです(笑)。
――宇田選手と宮川選手は同級生ですが、お互いどんな印象をお持ちですか。
宇:僕と戸上と昌大の3人が、1年生の時に入ってから主力メンバーとして髙山さん(髙山幸信監督)も考えてくれていて、(ただ)その中で僕と戸上はいないことが多くて。インカレは比較的出ていたんですけど、リーグ戦はいないことが多かったので、その中で僕の学年の中では一番明治を引っ張ってきたというか、練習にも一番いますし、後輩とも接する時間も多いので、明治を引っ張って、(2022年の)リーグ戦優勝につなげてくれたし、チームの中ではリーダーとして引っ張ってくれた存在なのかなっていうふうに思います。
宮:小学校の頃、常に全国のトップを走っている選手だったので、自分は全国じゃ全然勝てない選手でずっと尊敬していた存在でもありましたし、すごく昔から仲良くさせてもらっていて、大学に入ってからもコロナ禍の中で練習ができない中でも宇田選手がすごく練習に誘ってくれて。自分の練習もするんですけど、僕にフォームとかの改善とかいろいろとアドバイスをしてくれて自分をすごく変えてくれた存在かなって思っていて、宇田選手もそうですけど戸上選手も、この2人がいなければ今の自分はいないのかなと思っています。
――宇田選手は、戸上選手とのダブルスで期待の声が多いですが、いかがですか。
宇:ここ1年は比較的組むことがあんまり多くなかったので、この間もファイナル(WTTファイナルズ・ドーハ)の試合に出て、中国選手と(ゲームカウント)2―3でしたけど、個人的にはそんなダブルスとしていいプレーができたっていうわけではなかったので、定期的に組んでない分そこのお互いのコンビネーションがあまり良くないっていうのが現状だと思うので、そこは全日本までにしっかり調整していきます。やっぱり去年負けてしまっているので、その負けたペアも勝ち上がれば早い段階で当たるので、しっかりリベンジしてまた優勝できるように頑張ります。
――最後に、全日本への意気込みと目標をお願いします。
山:ダブルスは去年ベスト8入って、今年も頑張ればチャンスある場所なのでベスト4を目指して一戦一戦初戦から頑張っていきたいです。
宇:目標は2冠を目指して頑張りたいですし、シングルスはベスト4決定で張本(智和・智和企画)と当たるので、まずはそこに勝ち上がるまで頑張らないといけないんですけど、(張本が)一番強いと思っているので、そこでしっかりいいパフォーマンスができるように頑張りたいです。ダブルスも明治大学として出る大会は多分国内だともう最後になると思うので、髙山さんがベンチに、シングルスもダブルスも入ってくれると思うので、今まで教わってきたことも生かしたいですし、感謝の意味を込めていい結果を残せるように頑張ります。
宮:全日本選手権、日本で一番大きい大会なので、やっぱりそこで勝つことが本当に意味のあることだと思っています。出場する全種目で自分のベストのプレー、結果も大事ですけど、まずは自分の100パーセントのプレーができるように頑張っていきたいなと思います。
――ありがとうございました。
[末吉祐貴]
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