(19)開幕直前! 全日本事前インタビュー① 村松凜音×千年颯太×寺下敏倫

2024.01.21

 1月23日から開幕する全日本選手権(以下、全日本)。明大勢からはシングルス2連覇中の戸上隼輔(政経4=野田学園)や王座奪還を狙う宇田幸矢(商4=大原学園)ら計13選手が出場予定だ。選手たちは紫紺のプライドを胸に、頂上決戦へ挑む。今回は海外遠征で不在だった戸上を除く12選手に、明大の合宿所にてインタビューを行った。第1弾は村松凜音(営4=長野工)と千年颯太(文1=北科大付)と寺下敏倫(営1=福井商)のインタビューをお届けする。

(この取材は1月14日に行われたものです)

 

――ここまでのチーム全体と個人をそれぞれ振り返っていかがですか。

村松(以下、村):去年1年間を振り返ると、大学の大会の目標はグランドスラムだったので一つもタイトル取れなかったのはすごく悔しいなと思ってます。個人戦に関してはそれぞれ目標違うんですけど、それが達成できた人とできなかった人それぞれいるので、後輩たちには来年、今年以上にいい結果を残してほしいなと思っています。

千年(以下、千):団体戦はどちらも惜しいところまで行ったんですけど、勝ち切れなくて。 自分は秋リーグからベンチに入ることができたんですけど、試合には出ていなくて、出てない選手の頑張りが結果とかにつながってくると思うので、来年もベンチ入りすることは前提で、そこから何ができるかを考えて団体戦は頑張っていきたいと思います。個人戦は強い選手に負けるのは仕方ないことだとは思うんですけど、勝てるチャンスもあったと思うので、大事な1本とか、そういう1本、2本の差で結構負けたっていう試合が多かったので、より緊張感を持って練習してもっと強くなって頑張りたいと思います。

寺下敏(以下、寺):自分は試合に出る立場ではなかったんですけど、チームとしてタイトルが取れなくて、自分なりにもっとできる事はたくさんあったのかなと感じています。 試合に出る人と出ない人で、その日頃の生活や練習で差が出ているなと感じていて、その差をなくしていくことがチーム全体としてもいい雰囲気や結果にもつながってくれるのかなと思うので、そこの差をなくしてチーム一丸となって一つの目標に向かっていけるように頑張りたいです。個人としては、 環境が変わった中で最初は戸惑うこともたくさんあったんですけど、1年生で全日学(全日本大学総合選手権・個人の部)のシングルスの試合には出ることができたのですが、ダブルスでは決定戦であと1本取れれば全日学本戦に出れるという場面で取り逃してしまったので、しっかり取れるように日頃の練習から最後の1本まで取れるように練習に取り組みたいと思います。
 

――全日本を控えた今の心境を教えてください。

村:大学入って初めての全日本で、最後の年で出られるということで目標は高く持ちたいんですけど、レベルが高いのでそこまで大きく言えないですが、張本選手(智和企画)までは上がりたいと思っています。実業団選手とか日本リーグの選手がいるので、そこをしっかり勝ち切るのが一つの目標で、あとは本当に最後の明治のユニホームでの試合なので、楽しむことも意識してやっていきたいなと思います。

千:組み合わせが出て、 自分は一応シードをもらったんですけど、自分の下で戦う選手はどちらも強い選手で、そこの初戦で星選手という専大で試合に出てる選手にはインターハイで負けているので、そのリベンジをしたいです。目標としてはやっぱり村松さんと同じスーパーシードまで行くことが目標なので、明治のユニホーム着て試合に出られることに誇りを持って戦いたいと思います。

寺:自分は男子ダブルスとミックスダブルスに出場させていただいてるんですけど、明治のユニホームを着て試合に出るということで、多分緊張するとは思うのですが精一杯頑張りたいと思います。ミックスのパートナーは高校2年生からダブルスを組んでいるパートナーで、来年からはマネジャーになるそうなので、この試合が引退の試合となるので、引退に花を添えられるように一生懸命頑張りたいと思います。
 

――予選大会を振り返っていかがですか。

村:長野県の予選に出て、その中で僕の就職先である岡江市役所の先輩たちは明治の先輩がたくさんいるんですけど、その選手たちの誰か一人に勝たないと通過できないという状況で、市役所の実業団の選手を意識して前日は結構準備してきました。そこでしっかり勝ち切ることができて予選も通過できたので、2年生と3年生、全部岡江市役所の選手に負けてきたので、4年目で最後成長できたかなと思っています。

千:自分は北海道の予選に出たんですけど、今まで高校生の時とかずっとJR北海道の実業団の人たちに負けていました。大人相手に全然勝てなかったんですけど、(今回は)同じぐらいのレベルの人にしっかり勝つことができました。決定戦はゲームカウント0―2の(カウント)1―7負け(の状況で)で、本当にきつい状況からだったんですけど、そこから逆転できたり、その1個前の試合もゲームカウント1―2の(カウント)7―10で負けていて、あと1点落としたら駄目っていうところで踏ん張れたのが全日本出場につながったと思います。

寺:ミックスは高校2年生の時に決勝で負けて全日本に出れなくて、高校3年生の時は準決勝で負けて、今年こそは通るぞと2人で意気込んでいました。ミックスは無事に通ることができたんですが、男子ダブルスは1枠しかない中で、決勝で負けてしまったんですけど、優勝した中大の坂田選手のペアが全日学の本戦でベスト4に入ったので、その繰り上がりという形で男子ダブルスに出場させていただくことになりました。ただ坂田選手が全日学本戦で別のペアと組んでいるので、本来出るはずだった4年生の寺下(拓海・商4=福井商)選手っていう自分のいとこが全日本に出ることができなくなってしまったので、その選手の分まで頑張りたいと思います。
 

――ここまでの練習で意識してきたところはありますか。

村:得意なことを試合で絶対やらないと勝てないタイプで、疲れたりしたら負けてしまう試合が多いので、苦手なところを少し伸ばそうかなということで、バックハンドを強化したり、強いボールいくときといかないときの緩急をつけたりとか、バックハンドで得点することをすごく意識して練習しています。そこはすごい今いい状態なので、試合で生かせればと思います。

千:去年1年間はずっと左利きの選手に負け続けて、自分自身左利きの選手がすごく苦手で、今回の全日本の初戦の相手も多分左利きで、どういうプレーがいいだろうっていうのを常に考えながらプレーしたり、あとはやっぱり明治大学はすごいレベルの高い選手がたくさんいて、今までだったら全日本出場しても「すごい強い」で終わっていたんですけど、常にそういう環境で練習させてもらってるので、そういう驚きみたいのはあんまり受けずに、明治の人たちの方がっていう、ちょっと強気な考えで頑張りたいと思います。

寺:自分の課題として、ラリーとかは続くんですけど、決定力がないっていうところが課題としてずっと言われてきていて、特にフォアハンドで得点が取り切れないっていうことが多くあったので、最近の練習ではフットワークっていう足を使って動く練習を取り入れてフォアで動くという練習をしていて、フォアで強く打つ練習を取り入れるようにしています。
 

――ご自身の強みは何ですか。

村:僕は本当にサーブは誰にも負けないと思ってるので、そこだけは譲れないっていう部分なので、そこもやっぱり試合で最初に自分の1球目攻撃みたいな意識で相手を翻弄(ほんろう)させたいと思ってます。

千:自分は入る入らないは別として、ラケットを振るっていう点においては多分結構明治でも上の方に行けると思うんで。

村:入ればね(笑)

千:入れば結構いい感じになるんですけど、今まだちょっと期間あるので、振ったボールがより入るように、入んなかったら駄目なんですけど、頑張って入れるように意識を高く持って練習を頑張ります。

寺:ミスが多い選手じゃなくて、ミスが少ない選手でそつのないプレーをすることが得意なので、そのプレーを心がけてミスが少ない卓球をしていきたいと思います。
 

――対戦してみたい選手やライバルはいますか。

村:スーパーシードの張本選手は世界で活躍してるので、どういう球打つとかどういう戦術使うかなっていうのはしっかり自分で受けて学びたいなっていうふうに思ってるので、まずそこまで行けるように、すごく苦しい戦いにはなるんですけど、張本選手まで行けたら本当に自分の4年間の練習というか、努力は無駄じゃなかったと証明できるので、まずは張本選手まで行きたいので頑張りたいです。

千:自分は先を見てるんですけど、準々決勝で先輩の戸上さん(戸上隼輔・政経4=野田学園)と本戦で試合してみたいなっていうのが夢なので。卓球何があるか分かんないぞっていうのを、自分が勝ち上がって見せたいと思います。

寺:男子ダブルスは1回戦で金沢ポートに所属している山本勝也選手(リコー)と明治のOBである出雲選手(出雲卓斗選手・令4政経卒・現ケアリッツ・テクノロジーズ)と当たると思うのですが、厳しい戦いになると思うんですけど、そこに勝つことができれば、その次は愛知工業大学の篠塚選手という日本を代表するペアと対戦することができるので、 まずはそれを目標に頑張っていきたいと思ってます。
 

――寺下選手の混合ダブルスのペアは高校2年生から組まれていたとのことですが、相性はいかがですか。

寺:スタイルはよく分からないんですけど、私生活の面ではよく話したり仲はいいと思います。
 

――男子ダブルスのペアは明大ではない選手ですが、練習時間の確保やコミュニケーション面はいかがですか。

寺:ダブルスの選手は小学校、中学校が同じクラブチームで、高校も同じ高校で。ダブルス自体は小6、中1、中2で組んで、高校生になってからは高2、高3で組んで、長く組んでいるペアなので。相手の考えていることとかはよく分かるので、組みやすいかなとは思っています。
 

――千年選手は今大会をどう位置づけて臨みたいですか。

千:卓球選手なら誰もが出たい大会だと思うので、それに出場できるっていうことはすごくうれしいことなので、自分も今年度の集大成として仕上げて挑みたいなって思ってます。
 

――村松選手は今回が大学生活最初で最後の全日本ですが、今大会をどのようにしたいですか。

村:本当に4年間の最後の試合なので、人よりもちょっと思うところはあるんですけど。 もう明治のユニホームも着れないってなるとすごい寂しいんですけど、 一つの大きな大会ということで、全日学よりもすごくレベルが高くなりますし、そこで自分の実力がしっかり発揮できればいいなと思ってるので、これから社会人でも卓球を続けるので、今回の大会が社会人の大会に向けて何かのきっかけになればいいかなっていうふうに思ってます。
 

――普段あまり対戦しない選手たちと対戦する機会をどう糧にしていきたいですか。

村:次、社会人になるともう社会人の選手としかほぼやらなかったり、全日本社会人とか全日本実業団とかではもしかしたらその選手と当たるかもしれないので、今回の対戦相手とかしっかり見て、社会人でもそういう大学生と社会人の卓球の質というか、そういうのはちょっと変わってくるので、そういうのがきっかけで何か変われればいいかなって思ってます。

千:優勝しない限り、やっぱりどっかで負けるとは思うんですけど、ただ勝った負けたじゃなくて負ける時でもなんで負けたかとかしっかり考えたり、相手のいいところとかを考えたいです。自分はまだ1年生なので、あと3年間全日本予選を通れば出られると思うので、次の年、その次の年につながるような試合にしたいと思います。

寺:大学生と実業団の選手、プロの選手は卓球が全然違うと思うので、戦術面であったり試合の運び方であったり、普段と違うようなことをたくさん吸収して学んでいけたらいいなと思ってます。
 

――今年1年間何かをテーマにして、意識してやってきたことはありますか。

村:大学最後の年で一番いい結果残すっていうのは、すごいテーマにしてて、これはずっと髙山監督(髙山幸信監督)が学生の前でミーティングを行う時に言っていた言葉なんですけど、最後の年にいい結果を残して卒業してもらいたいというのが高山さんの願いというか。頭の中に入れて、最後にどうやったらいい結果残せるかとか日頃から考えていて、少し卓球のことを考える時間を増やしたりとか、ボールを打つ時間を増やしたりとか、そういうのを行ってきました。最後に全日本も出れましたし、全日学でも自己ベスト更新できましたし、そういったところは本当に自分で自信にもつながりましたし、成長を感じられたかなと思います。

千:北海道だと正直、大学生のレベルってあまり高くなくて。その中で関東の1部で去年グランドスラム達成してる明治大学に来て、刺激を受けるっていうことは分かって入ってきてたんですけど、入ってみたら思ってたよりすごくて刺激を受けました。自分の中で頑張っていたことは、その人たちに見劣らないようにというか、頑張ってついていくことをテーマにしてて、それが達成できたかまだ分からないですけど、身近にこんな強い人たちがたくさんいる環境ってあんまりないと思うので、そういうのを全部吸収して自分も強い選手になれたらと思います。

寺:生まれた時から18歳まで福井県にいたんですけど、今年から東京とかに来るということになって、普通の環境も全然違いますし、卓球という面でも全部レベルが大幅に上がっていたので、まずは慣れるということを前提に学校生活は卓球も含めて、頑張り過ぎて逆にダメになっちゃうこととかもあるので、まずはその環境に慣れて自分なりに頑張ることを目標にしました。
 

――全日本の目標をお願いします。
村:
えー、どうしよう。大きく言った方がいい?優勝で。もうずっと言ってますが、張本選手まで行くことです。

千:戸上さんが今連覇してるんですけど、この連覇を僕が止めたいと思います。真面目に言うと、多分今の実力なら、初戦の星選手に勝つ確率が多分10パーセントもないと思うんですけど、その選手に勝って、次の選手がリコーっていう実業団の郡山選手なのですが、この間の年末にあった東京選手権予選でダブルスで負けたので、またそこもリベンジなんですけど、 その選手にリベンジしてスーパーシードの横谷選手(愛工大)まで行けたらと思います。

寺:自分は男子ダブルスではシードなんですけど、2回戦をまず突破して、3回戦でオリンピックに選ばれる可能性がある篠塚選手を倒して、自分の評価を高めて自分もオリンピックもしかしたらいけるんじゃないかって協会に思わすのと、ミックスではスーパーシードを倒して、この選手はダブルスがうまいんだと思わせれるような結果を残すぐらいにしたいです。男子ダブルスが、まず初戦のTリーガーと実業団という選手のペアに勝って、その次の篠塚選手のペアと戦って自分自身の精一杯の力を出すことが男子ダブルスの目標です。ミックスダブルスの目標では1回勝つとスーパーシードの筑波大学の田原選手とTリーガーである田口選手(カンサイホールディングス)のペアに当たるのですが、そこに勝ってその次の安藤選手(トップおとめピンポンズ)と木造選手(関西卓球アカデミー)っていうTリーガー同士のペアなんですけど、そこまで行って自分の実力を出し切れたらいいなと思ってます。

 

――ありがとうございました。

 

[北原慶也]