
(100)全国大学選手権決勝・試合後コメント 床田淳貴
2024年1月13日。廣瀬組は5年ぶりの日本一を目指し全国大学選手権・決勝へ挑むも、最終スコア15―34と優勝はかなわず、2年ぶり13度目の準優勝で幕を閉じた。試合後、最後まで全力で戦い抜いた紫紺の戦士たちは何を思うのか。スタメン選手15人にお話を伺った。
第1回は左プロップ床田淳貴(情コミ4=桐蔭学園)のインタビューをお送りします。(この取材は1月13日に行われたものです)
――今の率直なお気持ちはいかがですか。
「悔しい気持ちがありますね」
――試合前半の方を振り返ってみていかがですか。
「開始3分ぐらいでトライを取られて、でもまだ3分だったのでそこまでダメージなかったです。まだ始まったばかりで、自分たちのやりたいアタックをしてない時に取られたんで、切り替えは良かったです。そこからもう1本取られて、1回中断とかもあったんですけど2本返せて、2点差で折り返したところは良かったかなと思います」
――中断中はどのように過ごされていましたか。
「何分から再開するのかまだ分かっていなかったのでロッカールームで少し休んで、再開時間が分かってからはアップをしました」
――中断中にチームで話したことはありますか。
「途中からひょうが降ってきてボールもスリッピーになっていたので、パス感覚を知覚したり攻め方のところを少し話しましたね」
――前半が終わってから、ロッカルームに戻る前に円陣を組んでいていつもはやっていないことだと思うのですがどのような意味があったのですか。
「ラストの試合ででもワンチームになることが大事だっていう話をしていて、リザーブもスタートのメンバーも関係なくワンチームになることが大事だったのでやりました。そこは元々予定してたわけじゃないんですけど、雄也(廣瀬・商4=東福岡)から一回集まろうって話になって。後半の入り方も大事ですし前半の終わり方も良かったので、一回そこで円陣を組みました」
――そこで廣瀬主将はどのようなことを話していましたか。
「この20分ですぐにこうやって2トライ取れたことは、めちゃくちゃいいことだから、もう後半40分だけ、特に4年生はあと40分で引退なのでもう出し切ろうっていう話はしていました」
――後半を振り返ってみていかがでしたか。
「やっぱり反則が重なってしまいました。2本ペナルティーゴールを決められて試合の動かし方が帝京大の方が上だったかなっていう感じですね」
――帝京大にペースを握られてしまった要因はどのようなところだと思いますか。
「ボールが転がっている時のオフザボールの動きだったりとか、セットプレーのところっていうのが若干精度が向こうの方が上だったのかなっていうところです。特に自陣敵陣じゃなくて、結構中盤でやっているラグビーが多かったんですけど。中盤のところでボールが転がったところの反応だったりとか、僕たちも意識しようっていう話はしてたんですけど、帝京大にボールが入るシーンがあったんで、若干そういうところで飲まれたのかなっていう感じはあります」
――試合全体のスクラムを振り返ってみていかがでしたか。
「マイボールのクオリティーを100パーセントで出すっていう目標は立てていてそれは多分達成できたと思うので、自分的にはそこまで悪くなかったかなという感じですね」
――試合中寒さは感じましたか。
「試合中はあまり感じなかったです。1回中断してから再開するときはだいぶ寒かったです」
――試合が終わってホーンが鳴った瞬間の気持ちはどのようなものでしたか。
「もちろん優勝を目指していたので、負けた時はやっぱ悔しかったです。同時にこれで学生ラグビーは終わりだなっていう気持ちも混じって涙が出てきました。みんなとラグビーできるのもラストだったので」
――試合終わってから選手同士で話しているのが印象的でしたが、誰とどのような話をしましたか。
「結構全員と話しました。特に4年生とは『今までありがとう、楽しかったよ』っていうことを言いました。後輩たちは来年もあるので『また取り返してこいよ、頑張れよ』っていう感じですね。あとは特に2番の松下潤一郎(法4=筑紫)と3番の為房慶次朗(文4=常翔学園)とは(関東大学)対抗戦から選手権までスクラムをずっと一緒に組んできて、社会人ではみんなチームがばらばらで今日がラストの一緒に組めるスクラムだったので、そこは『ありがとう』っていう言葉はお互い言いました」
――明大ファンからの声援は聞こえましたか。
「試合中は集中しているので全然聞こえなかったんですけど、途中で交代してスクラムの時だったりとか、結構明治コールがあったんですごいなと思いました。試合終わった後も、ファンの方々がすごく温かく声援を送ってくれたので、ファンの方々に応援してもらったんだなっていうのは改めて実感しました」
――特に期待している後輩はいらっしゃいますか。
「2年生の富田陸(政経2=大阪桐蔭)です。富田はリザーブで3番のポジションなので、練習中にスクラムで戦うこともありましたし、元々部屋も同じで仲も良いです。多分来年は3番で出ると思うので期待しています」
――後輩たちにはどのようなスクラムを目指してほしいですか。
「4年生がごっそりフロンロー抜けちゃうので、来年とか少し苦労すると思うんですけど、滝澤コーチ(佳之・平13政経卒)の下でまずは基礎からしっかりやっていけば、本当に強いスクラムは組めると思います。春から積み上げていってどういう組み方が強いのかを見つけ試行錯誤して、基礎を大切にしてくれれば大丈夫だと思うので期待しています」
――今だからこそ同期に伝えたいことはありますか。
「1年生から一緒になって最初はコロナ期間もあったので、一緒に寮で過ごすことが多かったんですけど本当に楽しかったです。こういう経験ってしている人にしか分からないと思いますし、本当に同期とは楽しいことばかり。本当に感謝です。(同期との時間は)とにかく楽しかったです」
――この4年間はどのような4年間でしたか。
「人生で一番成長できた4年間だなっていうのは個人的に思いますね。いろいろな経験もしましたし、1年生の頃からAチームで出るような選手じゃなかったので挫折もしました。ただ4年間諦めずにラグビーできた結果がつながったと自分では思っています。上がりっぱなしの4年間ではなくて、上がったり下がったりを経験できてとても成長できました。明治じゃないと経験できなかったことだらけだったので、本当に明治で良かったなっていうのは思います」
――ありがとうございました。
[豊澤風香]
◆床田 淳貴(とこた・じゅんき)情コミ4、桐蔭学園高、178センチ・102キロ
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