(190)箱根駅伝事後インタビュー⑨/鈴木祐太

2024.01.06

 第100回を迎えた箱根駅伝(以下、箱根)。悲願のシード権獲得を目指した明大だったが、往路での出遅れが響き総合20位とまさかの結果に終わった。失意の中で選手たちは何を思うのか。今回はレース後の声をお届けする。

 

 第9回は9区を走った鈴木祐太(文3=鎌倉学園)のインタビューです。(この取材は1月3日に電話で行われたものです)

 

9区 鈴木祐太 区間順位8位 1時間10分13秒

――箱根を終えて今の率直な感想をお願いします。

 「チーム状況もかなり良かったので、シードを今年こそは取れるかなと思っていた中での今回の順位だったので、かなり悔しい気持ちもありますけどびっくりしているという気持ちの方が強いですね」

 

――レース前の体のコンディションはいかがでしたか。

 「直近のレース前の刺激がかなりきつくて、体の調子的にはそこまで良くなかったのかなと思っていたので、そういう意味でも緊張はしていました」

 

――今回のレースを振り返ってみていかがでしたか。

 「序盤はかなりいいタイムで入れて途中経過の区間順位もかなり良かったんですけど、後半にかけてかなり失速してしまったのでそこが良くなかったなというのと、目標としていたタイムが70分切りの69分台に入ることだったので、自分の目標には届かなかったなという感じですね」

 

――想定していたレースプランはどのようなものでしたか。

 「最初の下りでは無理せずブレーキをかけすぎないで入って、権太坂の上りを1キロ3分前後ぐらいで抑えて、その後は3分フラットから3分切るぐらいで押せるところまで押すという感じのレースプランでした」

 

――天候や風は走っていてどう感じましたか。

 「かなり向かい風を感じたのと、横浜周辺に入った時に建物の影で日が当たらない時が多くなってきたんですけど、そういったところでは少し肌寒く感じたかなという感じですね。そのせいでタイムが落ちたとか、走っている時に気になったというほどではなかったです。あまり関係はしていなかったのかなと思います」

 

――区間8位という結果はどのように捉えていますか。

 「区間順位としては区間一桁に入るというのを最低目標にして、一応目標は達成できたかなと思います」

 

――考えられる中でその要因などは何かございますか。

 「かなり厳しい状態で1日目が終わって、その後の2日目だったんですけど山で好走してくれましたし、尾﨑(健斗駅伝主将・商3=浜松商)が復路の順位を一つでも上げようとするすごく気持ちの入った走りをしているように見えたので、そういう部分で自分も9区を任されたからには走り切らないといけないなと気持ちが入ったのが今回は良かったかなと思います」

 

――地元を走ってみていかがでしたか。

 「友人も応援に来てくれると事前に連絡を受けていたのもありますし、本当に沿道の応援もすごい多かったので、地元でそんな経験をできるというのは本当にうれしく思いました」

 

――個人としての課題とチームとしての課題を教えてください。

 「自分の課題としては20キロ以降の失速がとても大きかったので、ハーフマラソン以上の距離で箱根を走るとなった時の準備ができていなかったなというのと、あとはピーキングがあまり合わなかったというのが自分の課題です。チームの課題としては往路がどうしてもいい順位で行けていない中で、復路はある程度で行けるというのがここ数年続いているので、やはり往路を安定して走れる力がチームとしては大きな課題かなと思います」

 

――斎藤拓海選手(政経4=市立船橋)からの給水で言われたことなどはありましたか。

 「拓海さんからは『いい調子で来ているからこのまま頑張っていこう』と声を掛けられました」

 

――4年生たちへのメッセージをお願いします。

 「4年生はラストイヤーということでこの箱根に懸ける思いは強かったと思います。その4年生が出る代わりに下級生が今回多く出場したので、その思いに応えられなかったというのは本当に悔しいですし、ラストイヤーにシードを取って気持ちよく卒業してもらう形にできなかったのでそこはすごい悔しくです。自分はあと1年ですけど、来年度から強い明治を今年の4年生には見せたいと思います」

 

――明大の選手の中で印象に残った選手はいらっしゃいますか。

 「1人に絞れないので2人挙げさせてもらうと1年生の2人かなと思いますね。去年の富田さん(峻平・令5営卒・現ロジスティード)はかなりのスタートを切れていたんですけど、大湊(柊翔・情コミ1=学法石川)はそれにも負けず劣らず1年生ながら前に付いていこうという気持ちや前と離されても最後まで粘り切る走りが本当にすごくて、箱根に懸ける思いが強いんだなというのが自分には伝わってきたのでそこがすごく印象的でした。綾(一輝・理工1=八千代松陰)は富津合宿の時にケガをして走れるかどうかが分からないような状態で、自分もそうですけど周りもちゃんと走れるのかなという不安は持っていたと思うんですけど、そんな不安をかき消すような最初から攻めた走りをしていました。周りに付いている他校の上級生にも負けないぞという気持ちがすごく出ている走りでしたし、集団で走っていたのに最後に抜け出して一つでも前で渡すというのが自分も見習わないといけない走りだなと思いました」

 

――来年度の箱根に向けて取り組んでいきたいことは何でしょうか。

 「今年度は前年と比べてハーフマラソンなど長い距離を走る力が付いたと自分は思っていたんですけど、箱根を走るにあたってはこれでもまだ全然足りないなと思いました。引き続きにはなるんですけどまずはケガをせずにAチームでしっかりこなし切るというのと、根本的な走行距離が今年度は突き詰められず、そこは形としてすごく分かりやすく改善できる点だと思うので大事にしていきたいなと思っています」

 

――来シーズンの目標と意気込みをお願いします。

 「来シーズンも自分はトラックというよりかは箱根だったり全日本大学駅伝だったり、駅伝を大切にしたいのでそこに出走して区間5位以内をしっかり取り切る走りをしたいです。ラストイヤーなので区間賞を取って終わりたいと思います」

 

――ありがとうございました。

 

[桑原涼也]