
(188)箱根駅伝事後インタビュー⑦/尾﨑健斗駅伝主将
第100回を迎えた箱根駅伝(以下、箱根)。悲願のシード権獲得を目指した明大だったが、往路での出遅れが響き総合20位とまさかの結果に終わった。失意の中で選手たちは何を思うのか。今回はレース後の声をお届けする。
第7回は7区を走った尾﨑健斗駅伝主将(商3=浜松商)のインタビューです。(この取材は1月3日に電話で行われたものです)
7区 尾﨑健斗 区間順位16位 1時間4分38秒
――7区を走ると決まったタイミングと、そこで山本豪駅伝監督から言われたことを教えてください。
「7区を走ることは2週間前ぐらいから言われていて、前もって準備はしていました。監督からは『7区は後半にアップダウンがあるコースなので、そこをうまく使ってリズムをつくって走っていこう』というような話がありました」
――足の状態はいかがでしたか。
「割といい状態で、大きなトラブルもなくきちんと臨めました。足が抜ける部分に関しても今回は大丈夫でした」
――往路の結果を受け、復路に臨むにあたってどのような気持ちでしたか。
「チーム全員が自信を持っていい状態で挑んだのですが、それなのに往路が23位という結果で、自分自身も動揺しましたし自分も大丈夫だろうかとすごく不安になりました。一方で、やっぱりこのままじゃ終われないというか、多くの人が応援やサポートをしてくださって今回この舞台に立たせてもらったので、そういった人たちに対して情けない走りはできないと思い、最後まで諦めず走ろうと強い思いで挑みました」
――往路のレース後、チームで話したことはありましたか。
「往路が終わって全体のLINEグループで杉さん(彩文海・文4=鳥栖工)、馬場さん(勇一郎・政経4=中京大中京)、橋本さん(基紀・商4=専大松戸)などの4年生から『走れなかった選手がいる中で、そういった人たちの分まで最後まで諦めないでほしい』であったり『残念な結果になったけど、もう失うものはないから思い切って走っていこう』というような前向きな言葉というのがチーム内ではありました」
――そのような状況から復路8位という結果を受けていかがですか。
「6区が繰り上げ一斉スタートで結構(繰り上げの)学校数も多かったので、そこで一度リセットされるというか、そういった面で6区から気持ちを入れ替えて走れたと思います。その中で僕個人としては流れに乗れず、不本意な走りとなってしまい悔いが残ります」
――ご自身の走りを振り返っていかがでしたか。
「序盤の5キロぐらいで足の方がきてしまって、少し体の芯に疲労が残っていた感じがしました。自分の体の状態を把握し切れていなかったというのと、きちんとそこをメンテナンスできていればもっと後半の伸びは違ったと思います。今できる100パーセントは出したのですが、せっかくこうやって箱根に向けていい準備をしてきたのに本来の練習の出来に対しての成果を出せなかったのがすごく悔しいです」
――全体の結果を受けて、臨む前のチーム状況とのギャップはありましたか。
「自分としては(チーム状況は)悪くなかったのかな、むしろ良かったのかなと思っていました。それでこのような結果になってしまったのと、4年生から『4年生がチームをうまくまとめられていなかった』という話があって、来年度は自分たちの代が最上級生ということで、きちんとチームをまとめて引っ張っていくことを大事にしていきたいと思いました」
――レース後の報告会では杉選手や斎藤拓海選手(政経4=市立船橋)から『尾﨑選手に負担をかけてしまった』とお話がありましたが、それを聞いてどう思われましたか。
「確かに4年生の中で出なかった結果自分がやろうと名乗り出ましたが、自分もそれなりの覚悟を持ってやると言いましたし、それに対して4年生は日頃から自分がチームマネジメントの面で困っている時に支えてくださる場面も多かったです。向こうは申し訳ないみたいな形で言っているかもしれないですが、自分としてはすごく感謝していますし、4年生がいたからこそこうやって今年度駅伝主将をやり切ることができたので、本当に感謝の気持ちでいっぱいです」
――異例の3年生で駅伝主将を務めていかがでしたか。
「3年生で主将をやったことはとても貴重な経験でしたし、やっぱり上も下もいる中ですごく難しかったというのはあります。キャプテンとして今年度あまり成果は出せませんでしたが、今年度1年間やった経験は来年度以降必ず生きると思います。同じ最上級生の中でも走りで引っ張る人もいれば言葉で引っ張る人もいますし、それぞれいろんな役割があると思うので、来年度はそういったところで4年生としての姿を見せていけたらなと考えています」
――駅伝主将を来年度も務めることはありますか。
「まだ全く決まっていなくて、ここから監督と相談して決まっていく形になると思います。もしやれるチャンスがあるのであればぜひやりたいですし、今年度は本当にふがいない結果が多かったのでリベンジしたい思いはあります」
――来年度に向けて意気込みをお願いします。
「僕らの代で目標を達成してもう一度リベンジがしたいです。今回結果が悪くて批判もあると思うんですけど、僕たちのやってきたことが間違っていなかったというのを示したい思いが強いです。また、下級生は力のある子が多くて本当に頼もしい限りなんですけど、やっぱりチームをまとめる4年生がいい走りをできるように、僕らの学年はケガなどで苦労している人も多いですが、何とか4年目ということでより一層競技に向き合えたらと思います」
――ありがとうございました。
[覺前日向子]
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