(186)箱根駅伝事後インタビュー⑤/吉川響

2024.01.05

 第100回を迎えた箱根駅伝(以下、箱根)。悲願のシード権獲得を目指した明大だったが、往路での出遅れが響き総合20位とまさかの結果に終わった。失意の中で選手たちは何を思うのか。今回はレース後の声をお届けする。

 

 第5回は5区を走った吉川響(文2=世羅)のインタビューです。(この取材は1月4日に電話で行われたものです)

 

5区 吉川響 区間順位21位 1時間15分13秒

――箱根を終えて今の率直な感想をお願いします。

 「調子がすごくいい状態で当日までは来られたんですけど、その調子には見合わない結果で前回と同じぐらいのタイムで登ってしまったので、率直に言うと悔しい気持ちでいっぱいです」

 

――今回のレースを振り返っていかがですか。

 「前回よりも前半のペースは速く登れることができて、前半の区間順位はまだ一桁とかで通過できていたのでそこは良かったんですけど、後半の登りぐらいからペースが落ち始めて区間順位もどんどん下げていってしまったので、まだそこは自分の走力が足りていないんだなというのと1人で走る力がないんだなというのを改めて感じました」

 

――後ろから日体大の選手が迫ってくる形でしたが意識などはありましたか。

 「結構差が離れていたので、あまり意識せずに前を追って走ろうという気持ちの方が大きかったです」

 

――天候や風は走っていてどう感じましたか。

 「寒さ対策はいろいろしていたので雨の冷たさは影響がなかったんですけど、頂上に行くまでに向かい風を受けていたのでそれが走っていてつらかったです」

 

――区間21位という結果はどう受け止めていますか。

 「区間一桁でゴールするという目標が自分の頭の中にあったので、それとは程遠い結果になってしまい本当にチームにも申し訳ないし応援してくださる方々にもすごく申し訳ないなという気持ちでいっぱいになりました」

 

――ゴールした瞬間はどんな思いでしたか。

 「ゴールした瞬間も前回と同じで、すごく悔しいなという気持ちがいっぱいになっていました。走っている途中で日体大の選手とかに追い越されたりしてつらいところもありましたし、自分の力を出し切れていないということも感じていました」

 

――レース中に監督からかけられた言葉で印象的なものはありますか。

 「豪さん(山本駅伝監督)からは『1秒でも速くゴールして6区の堀(颯介・商2=仙台育英)につなげよう』と言ってくださったのが一番印象に残っています」

 

――この結果となった考えられる要因はありますか。

 「今までの練習の調子は良かったんですけど、自分が先頭に立って引っ張ったり単独で走ったりするような練習ができていなかったので、そういう面での練習不足がいざ箱根を走って単独走になった時に弱さとして出てきたなというのがありました」

 

――大学最後のレースとなった4年生たちへのメッセージをお願いします。

 「今の4年生はチームのことを思ってくれる人たちがたくさんいてくれたので、その背中 を見せてくれる姿がなかったらここまでのチームはなかったと思います。4年生が積極的にチームの雰囲気も盛り上げていたので感謝の言葉を言いたい気持ちでいっぱいです」

 

――明大の中で印象に残った選手はいらっしゃいますか。

 「大湊(柊翔・情コミ1=学法石川)です。1区なので自分はホテルのテレビで中継を見ていたんですけど、常に先頭集団や第2集団の方に残っていて粘ってシード圏内で襷を渡していたので、さすが高校時代から力のあるスーパールーキーだなと思いました」

 

――来年度の箱根に向けて取り組んでいきたいことは何でしょうか。

 「単独走になった時に1人で押し切れる力を身に付けていかなくてはいけないなと思ったので、常に集団を引っ張って自分でペースをつくっていけるような力を付けたいと思いますし、登り坂を走っていてきつくなってくると上半身がぶれたりして効率の悪い走りになっていたので、体幹とか補強のトレーニングを今年度も改めて力を入れてやっていかなくてはいけないなと思いました」

 

――来年度も5区を希望しますか。

 「今回もひどい結果でゴールしてしまったのですが、自分は4年間5区を走りたいと思って明治大学に入りました。来年度こそはいい結果を残したいと思っているので、今回見えた課題や経験を生かして自分の弱いところを一つ一つなくしていき、本番はどんな状況でも自分の最大限の力が発揮できるような状態に仕上げていければと思っています」

 

――ご自身で考える5区へのこだわりの根幹にあるものを教えていただきたいです。

 「自分の一番の目標が5区の明大記録を更新することでその思いが一番強いですし、やっぱり山登りってみんなからもすごく印象が強い区間だと思います。大舞台でも外さないような走りをしたいと思っているので、そういう意味では山登りをやりたくて強いこだわりがあります」

 

――来シーズンの目標と意気込みをお願いします。

 「まだ自分はトラックの記録がそこまで良くないのでまずは1万メートルで28分台を出すようにするのと、5000メートルも13分58秒なので50秒は最低でも切るようにしたいと思っています。これから東京六大学対校大会とか関東学生対校選手権が始まってくるので、自分がまだ何の競技になるか分からないんですけど自分らしさが出せるような走りをしていきたいと思っています」

 

――最後に応援してくださった皆さんへメッセージをお願いします。

 「シードを今年こそは取ってくれるだろうと期待してくださる方々にまだ応えられていないですし、常に応援してくださる方々がたくさんいます。その方たちが納得できる結果で自分たちはこれから走らないといけないので、そのような走りをこれからしていきます」

 

――ありがとうございました。

 

[桑原涼也]