
(66)全日本大学選手権 決勝対京産大戦 試合後監督コメント
栗田大輔監督
――試合と大会を振り返っていかがですか。
「監督の栗田です。ありがとうございました。まずは本当に、大会関係者の皆様、学連全日本の運営の方たちが一生懸命やっていただいて、今日もこういう素晴らしいカシマスタジアムという場で決勝の舞台を迎えられて、本当に最高のピッチで、最高の環境でできたこと、本当に関係者の皆様に感謝したいと思います。そして僕らが優勝できたのも、本当に素晴らしい京都産業大学さんという、技術の高い、僕らも見習うようなサッカーがあったり、準決勝では筑波大学さんという関東のチャンピオンがいて、やはり僕らの力が引き出されたり、素晴らしいゲームができたり、3回戦も仙台大学、そして2回戦は関西学院大学という関西人の雄と対戦できて、明治大学が一つにまとまり、本当の強い明治というものが体現できたこの大会だったなと(思います)。今日も前半、後半、見ての通りサッカーの勢いが違ったと思いますし、関西学院大とのゲームも、前半5点取りましたが後半3失点したり、1試合の中で色々な波がありましたけれども、本当に選手は隣の井上主将(樹・法4=ヴァンフォーレ甲府U-18)を中心に4年生がよくまとまって、下級生を引っ張って、いいチームになったなと。本当によく成長してくれたなという思いでいっぱいです。選手に本当に感謝したいと思います」
――4年生への思いをお聞かせください。
「前回優勝したのが2019年の時代でその後コロナになり、その年に入ってきたのが彼らですね。2020年には関東大学リーグ戦(以下、リーグ戦)で優勝したし、2021年はインカレが3位で、リーグ戦は目の前で流経さんに優勝もぎ取られて、昨年はリーグ戦優勝したと。ただ、全国の舞台の優勝というのは、今の4年生は知らない世代なので、まず、やはりこの全国大会の決勝という舞台を経験させてあげたいと、それがまた一つ決勝の舞台に上がったことによって、勝っても負けてもそれが後輩にまた引き継がれ、その山を勝てばまたそれを継続したいし、負ければ絶対に『もう一回優勝するぞ』というところにつながるので、そういう意味でこの1年やってきました。やるべきことはもう毎年同じというか、選手は変わりますけれども、うちはプロになるところではないから、人としてきちんと1年間明治大学という中で成長していくことと、あとサッカーを追求していくことに尽きるので、いろいろなことがあったとしてもうちは全くぶれることもないし、誰一人それにネガティブになる人もいないし、今の自分たちをしっかり見て毎日毎日を乗り越えてきた結果が今日につながったのかと(思います)」
――エース・佐藤恵允(文4=実践学園)の離脱からの中村草太(政経3=前橋育英)の躍進、そしてインカレ優勝につながるまでの要因はどのような部分にありますか。
「まず、夏に恵允がドイツのヴェルダー・ブレーメンに行ったということについては、その一瞬はみんな驚いたと思いますし、動揺もあったかもしれないです。しかし、世界のトップリーグの1部に仲間が行くという、そのスケールの大きさ、自分たちもそういったところに届くんだと、やはり一緒に切磋琢磨(せっさたくま)している仲間が行けるという、そういった『よし、自分たちもやろう』というふうにチーム全体がなってくれることを期待していたし、選手を僕は信じているので、そこで『何だよ』と後ろ向きになる選手は一人もいないと思っていました。中村の10番はあまり考えていなかったですが、本当にこの1年成長してくれて、やはりリーグ戦で得点王とアシスト王というのはそう簡単に取れることではないし、特に準決勝・筑波大戦でのあの一撃、今日もそうでしたがああいうところで決められる選手になれるかなれないかというのが、やはり草太がこれからもう1個上のステージで、本当の意味で日本のストライカーになっていかなければいけないと思っているので、そういった思いも込めて10番を託しています。もちろん太田(龍之介・政経4=ファジアーノ岡山U-18)と中村という違うタイプのFWが切磋琢磨していい関係を築きながらやってくれたことが10番という重みにも伝わってきたかなと(思います)」
――明治の強さの秘訣(ひけつ)は何ですか。
「いろいろな要素があるのですが、まずやはりみんな総じて明治が好きで、毎日を全力で取り組んで、心の底からぶつかり合って、日々を本当に清々しく大学生としてやり抜いているからかなと。それを先輩が後輩にしっかりと引き継いでいく、その魂を引き継いでいく、明治らしさみたいなものを、初めは葛藤があるかもしれないけど4年間の中で本当にそれを心の底から好きになって頑張っていくのが力かなと思います」
――今日の試合の狙いと、後半ギアが上がって得点取れた理由についてお聞かせください。
「本日のゲームの狙いは、関西学大戦がそうだったように、明治のハイプレスは思っている以上に圧が高い。だからそういった圧力はおそらく感じたことはないだろうと(思っていました)。相手がそこに慣れる前に、やはりうちの持ち味である前半の立ち上がりからプレッシングをかけていって、相手にサッカーをさせないというところから、ショートカウンターで点を取りに行くというのが狙いでした。途中から相手をリスペクトしてしまって、少し相手に合わせてしまったなと(いうところがありました)。後半、克幸(田中・商4=帝京長岡)を入れてもう一回ボールを握るということと、HTに優しい喝を入れさせていただきまして、もう一回背後から行こうということでギアが上がり、後半は明治らしいサッカーが見れてよかったです」
――4年生にはどのような成長が見られましたか。
「今年の4年生は本当に個性があって、非常に仲が良いのですが、1年生の頃はどちらかというとつるんでいくようなところがあって、そこから一人の人間として道を歩いていけるような、しっかり決断と責任を持てるような、それでいて、きちんとチームのベースというか思いを共有して戦ってくれたらいいなと、4年間一生懸命指導してきました。最後は4年生一人一人が自分の今の役割を全うしてくれました。大学の後はもう社会ですから、そういった意味では、もう生きていける人間になっていった姿が見れたのが本当に良かったなと、成長してくれたなと思います」
関連記事
RELATED ENTRIES