(153)【特別企画】好記録続出! 飛躍を果たした短距離ブロック4年生座談会(後編)

2023.12.17

 日本学生対校選手権の4×100メートルR(以下、4継)で明大記録を塗り替え、悲願の3位入賞を果たした明大競走部・短距離ブロック。今シーズンは4継メンバーのみならず、多くの選手が好記録を残した。そんな明大の飛躍の一因には最高学年がつくり上げたチームの空気感がある。今回は木村稜主将(政経4=乙訓)、木村颯太(法4=明星学園)、井上史隆(理工4=市立橘)、宮川颯太(商4=富士市立)、大森優人マネジャー(政経4=八千代松陰)の4年生5人の座談会を行った。(この取材は12月9日に行われたものです)

 

――期待している後輩はいますか。

木村颯

 「出たこの質問!」

宮川

 「期待している後輩か、たくさんいるけどな。絞るの難しいな」

井上

 「俺もう想定質問の1個だった(笑)」

宮川

 「そんな就活の面接みたいな対策(笑)」

井上

 「僕は小林真名世(政経3=八王子)。帰る方向が一緒で、丸亀製麺を30回くらい食べた仲なので。あとはすごく考えて陸上をやっていて頭もいい子だし、今年すごく伸びて。まだまだいけるのかなと感じています。技術面をしっかり考えながらやっている彼にはすごく伸びしろがあると感じるので、輝いてほしいなと思います」

木村稜

 「1人は竹尾拓真(農2=明星学園)で、すごくトレーニングとかも強くて。そういう強い選手が(チームを)引っ張るべきだと思うんですけど、まだ小さい輪の中でしか盛り上げていないので、もっとそれを全体に還元してあげたらチームとしてもいいのかなと。あとは普通にすごくいいやつで、人懐っこくて可愛いやつなので(笑)。竹尾と、あとは佐田(龍昇・法2=大分東明)。佐田は意外と陸上のことを聞いてくるとか、すごく積極的な姿勢を持っているので。あとは結構お世話になりました」

宮川

 「お世話?(笑)」

大森

 「何でお世話になったんですか(笑)」

木村稜

 「いろいろ教えてもらって、自分も成長したので(笑)。佐田と竹尾はもっとチームに自分の色を出していけばいいのかなと思っています」

宮川

 「俺も2人かな。まず1人は真名世。400メートルHをずっと教えてきた立場でもあり、一緒に練習してきた仲でもあって。自分の自己ベストも今年越えられたし、普通にやっていれば51秒5くらいは出せると思う。そこら辺を一緒に考えてできていたので、親心としてはやっぱり一番輝きを放ってほしいなって期待しています。もう1人は鷹羽柊弥(法2=盛岡四)くんですかね。同部屋ってこともあるけど、ポテンシャルもすごく高いので。身長もあって体もしっかりできていて、素材がいい。プライベートも楽しみつつ陸上も集中する時は集中して。いい感じで、生活感的には一番楽しくできているのかなと。そのまま楽しく陸上もやってくれれば結果が出ると思うので。20秒6くらい出してほしいですね」

木村颯

 「いくねぇ」

井上

 「稜だ」

木村稜

 「かかってこい(笑)」

木村颯

 「俺も竹尾拓真かな。後輩たちは全国入賞している子がいっぱいいる中で、あいつは全国で入賞したことがない劣等感みたいなものが少しあると思うけど。その中でも一番陸上にひたむきな陸上男なので。いつでも陸上のこと考えている感じで、ちょっと『大丈夫?』ってなる時もあるんですけど、その熱量はたいしたものだなって思うし。あとはやっぱり高校の直属の後輩っていうのもあるので、頑張ってほしいなって思いますね」

大森

 「これマネジャーでもいいですか?」

井上

 「おお(笑)!」

宮川

 「期待のマネジャー?」

木村颯

 「数いる中から誰を選ぶのか」

宮川

 「けんか勃発するよ?もしかしたら(笑)」

大森

 「そんなに?(笑)頑張ってほしいなという意味で、1個下の岡田明香里(農3=東洋英和)ですね。最高学年になるといろいろ大変だと思うんですけど、マネジャーとしての能力は自分や先輩を含めて見てきた中で一番高いと思うので、そこは問題ないと思います。恐らく逆にできちゃうからこそ、1人で全部やっちゃうところが彼女はあって。そこは一番上になったらどんどん後輩に任せてほしい。後輩のためにも仕事を振らないと、今後彼女が抜けたあと大変になっちゃうと思うので。それがしっかりできるようになればさらにいいマネジャーになってくれると思うので、期待しています」

 

――競走部全体へエールをお願いします。

井上

 「(高跳び用の)マットを準備していただいたり、競技場の改修をしていただいたりと、動けるいいコーチがそろっているので、うまく頼っていけば自分たちの練習効率も上がると思います。今の雰囲気は全体としても良いと思うので、そのままやっていっていけばいいんじゃないかな」

宮川

 「スポーツは結果論というか、成績で全てが決定してしまうことが当たり前なんですけど、その結果にとらわれ過ぎないでほしいな。結果を出すことも大事だけど、それ以外にもたくさん学ぶことはあるよと思います」

大森

 「短距離に関しては、自分が入った頃よりマネジャーが増えてサポート体制がより整っていると思うので、うまくチームの結果につながるように頑張ってほしいな。競走部全体としては、短距離・長距離・競歩で練習とかも一緒にできない分コミュニケーションをとることは難しいのかなと思います。でも関東学生対校選手権などはみんなで1部残留に向けて点数を取るので、そういった機会で交流して選手同士で仲良くやってくれたらうれしいです」

木村颯

 「短距離に対しては、強い選手がいっぱいいて走りとか能力面で自分の中で優劣を多分つけちゃうこともあると思うけど、そこは楽しくね。競うところは競って、考え過ぎないところは考え過ぎず、肩に力入れ過ぎないでやれたらいいね。部全体としては、短距離の和気あいあいとした楽しい雰囲気を他のブロックにも広げられたらいいなと思います」

木村稜

 「短距離に対してはみんなが言ってくれたように、頑張り過ぎないことはすごく大事だと思う。楽しめないと4年間続けるのはつらいから。そこは気にしながらも、やっぱり必死さもすごく大事だと思います。そういった面で今年のかなう(松下・法3=大分東明)とかはすごく見習うべきところが多いと思うので、いろいろな人を見ていい部分を盗んでいったらどんどん強く、いいチームになるんじゃないかな。チームとしては、そうだな…」

宮川

 「やっぱり一番上だったからね、そこは全体主将としてしっかりやってもらわないと」

木村颯

「前主将からのお言葉です」

木村稜

 「全体としてはそれぞれの目標が違って、なかなか一つになるのは現実的に難しくて。その中でも一体になって頑張ろうって動こうとするんですけど、やっぱり難しいので。難しいね。どうしようかな」

井上

 「すごく話せてる感じだったのに(笑)」

木村稜

 「難しいけど(笑)。今までは一体でやろうと言いつつも、お互いが歩み寄る姿勢があまりなかったと感じるので。そこはお互いに歩み寄るというか、何て言うんですかね。やっぱり難しいですね」

大森

 「もうあと一歩くらいだよ(笑)」

木村稜

 「歩み寄りながら、平和にいいチームを作ってください。頑張ってください(笑)」

 

――ありがとうございました。

 

[島田五貴、春田麻衣]

短距離ブロック4年座談会の記事は12月21日発行の明大スポーツ第534号(箱根駅伝特集号)にも掲載します。ご購入フォームはこちらから!

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