
(152)【特別企画】好記録続出! 飛躍を果たした短距離ブロック4年生座談会(前編)
日本学生対校選手権の4×100メートルR(以下、4継)で明大記録を塗り替え、悲願の3位入賞を果たした明大競走部・短距離ブロック。今シーズンは4継メンバーのみならず、多くの選手が好記録を残した。そんな明大の飛躍の一因には最高学年がつくり上げたチームの空気感がある。今回は木村稜主将(政経4=乙訓)、木村颯太(法4=明星学園)、井上史隆(理工4=市立橘)、宮川颯太(商4=富士市立)、大森優人マネジャー(政経4=八千代松陰)の4年生5人の座談会を行った。(この取材は12月9日に行われたものです)
――今シーズンの振り返りをお願いします。
宮川
「日本インカレに出られなかったのは悔しかったけど、関東インカレでしっかり400メートル、4パー(400メートルH)、マイル(4×400メートルR)って走ったから。結果は悪かったけど最低限の自分の役目は果たせたかな。自分は元々『この部活のムードーメーカーになります』って入ってきたので。その中で短長をまとめ……まとめられたかなあ」
木村稜
「どうだろうなあ(笑)」
宮川
「周りがどう思っているかはわからないけど(笑)。自分なりにはしっかりまとめて行動できたし、成績も良くはなかったけど、最低限のラインは越えられたので80パーセントくらい満足はしています」
大森
「最高学年になってからは責任ある仕事が増えて。仕事を任せたとしてもミスがあったら最高学年の責任になるので、常に緊張感はありました。立教との対校戦で幹事をやらせてもらったり、関東インカレや日本インカレでスケジュールを立てたり、マネジャーの動きを決めたりという役割が増えて、そういうことは中高含めてあまりなかったのでいい経験でした。大変でしたが、自分的には充実していたし成長できた1年だったと思います」
木村颯
「じゃあ稜さん飛ばして(笑)」
木村稜
「重いからね、多分(笑)」
木村颯
「稜は最後でいこう(笑)」
井上
「僕は大学で競技を終えると決めていた中で、高校2年生以降からずっと自己ベストを更新できていなくて。ラストシーズンでもベストを超えられなくて悔しかったです。それでも一番上の立場になったという面では、チームを引っ張っていく動きは中高やってきた中で言えばある程度集大成だったのかなと思っています。あと今年は本当にチームのみんなが強くて。自分は悔しかった部分もありますが、今年は日本インカレも応援に行くことができて、この2人(木村稜・木村颯)が走ったリレーの3位を見られたのはすごくうれしかったです。一緒のチームとしてそれを経験できたのはすごくありがたいし、良かったなと思います」
木村颯
「去年はケガが多くて思ったようにいかなかったので、今年はケガだけはしないようにしようとリスクを避けてきた中でまあそんなもんだよなって思えるような結果が出て。個人の結果は全然納得できていないですけど、まあぼちぼちかな。チームとしては俺らの代を含めて全体的にレベルが上がってきました。リレーで入賞できたり、個人で全国入賞する子がいたり。やっぱりチーム力がついた1年なのかなと思いました」
木村稜
「個人としては肉離れをして結構長く大会から離れたので、あまりうまくいったシーズンではなかったかなと思っています。でもその分、別に学ぶこともたくさんあったのでそういう面ではまあ……」
大森
「何を学んだの?」
木村稜
「やっぱりトレーナーさんを含め、いろんな方から走る以外の根本的なこともすごく教わったので、新しいことを知って楽しかったシーズンでもあります。チームとしては僕は特にキャプテンらしい行動はしていないんですけど、1年生を中心に伸び伸びと競技をしていたので良かったと思います」
――今年度、短距離部門が躍進できた理由は何だと思いますか。
木村稜
「もちろん全員のポテンシャルというか、陸上への前向きさはあったと思います。その中でもともと自由な感じを知っている子が多いと思うので、その空気のままみんながやりたいことをやりながら、お互いに意見を交換して成長できていたのかなと自分は感じました」
宮川
「自由くらいしか取りえがないから(笑)」
大森
「自由でありつつも自主性がね」
井上
「自主性はすごく芽生えたよね」
大森
「みんなに芽生えたのが良かったね」
木村颯
「今までよりももっと皆頑張るようになったんじゃない?下も強かったし。強い後輩がいるとやっぱり『やばい!』っていう気持ちにみんながなって」
大森
「たしかに。(上位大会の)標準を切っている人が同じ種目でも多くて、メンバー争いができたね」
木村稜
「初めてだった(笑)」
井上
「(今まで)見てこなかった(笑)」
大森
「標準を切ったら(上位大会に)出られるみたいな空気が今まではあったので。そこもレベルが上がったなと思いました」
――今年度一番印象に残っているレースは何ですか。
宮川
「六大学対抗戦での4パー(400メートルH)の関東インカレの標準切りですかね。決勝でもう確実に終わっただろって思うくらいに前との差があって。ちょっと諦めて……最後まで頑張って走っていたけど(笑)」
大森
「諦めた言うとるがな(笑)」
宮川
「いや、ゴールしてから(笑)!ゴールして『これ標準切れてないだろ』ってちょっと諦めかけたけど、1着が49秒0くらいって出て。これあるかもって思って、俺は7位だったかな?結果が出た瞬間は、大学の競技生活の中でも結構うれしかったね」
大森
「まあ俺は走ってないので見た印象になっちゃいますけど、日本インカレの4継の決勝はかなり強く印象に残っていますね。関東インカレも観客席から見たら3位入ったんじゃないかなと思ったんですけど、電光掲示板に3位東海、4位明治って出て。日本インカレも1位2位はすぐ出て、3位が出なくて」
木村稜
「そうだ、そうだったわ」
井上
「入っててくれ〜って祈ってた」
大森
「見ている側も正直3位だと確信はしていないというか、分からないくらいにギリギリで。今まで惜しくも表彰台に乗れなかったこととか関東インカレのこと(4位入賞)もあった中で、3位に明治って出た瞬間は印象深かったなと思います」
井上
「今年の自分(の結果)が良くなさすぎたこともあって、俺も印象に残ったやつは日本インカレのリレーかな。でも大森にほぼ言われちゃったからな(笑)」
大森
「引退試合とかどうなの?すごい盛り上がってたよね」
井上
「今シーズン最低で終わったけど、中学・高校・大学と30人くらい友人が来てくれて終われたのは、すごく頑張ってきた甲斐があったのかな。うれしかった」
大森
「人望ですね」
井上
「気持ちよく引退できたのかなって、高跳びという競技ですごくいい締めくくりができたなって感じました」
木村颯
「日本インカレの決勝で最初の方『いいぞ!いいぞ!』って思える走りができていたんですけど、足がけいれんして『うぅ!』ってなって。そこからはボロボロだったので、それが一番悔しかったし印象には残っていますね」
木村稜
「やっぱり日本インカレの4継で最後決勝を走らせてもらって3位だったことは印象に残っているんですけどもう(話題に)出ているので。関東インカレくらいにしておこうかな(笑)。人生で初めて肉離れをしたんです。結構びっくりする感覚で、衝撃が走るんですよ。ばちーんって(笑)。その後アドレナリンで意外と歩けるんですけど、めちゃくちゃ痛くて。いい意味ではないですけど印象深いですし、その後も歩けなかったので階段とかも支えてもらうとか、本当にみんなに支えてもらってありがたいなと感じましたね」
[島田五貴、春田麻衣]
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第100回箱根駅伝まであと12日。
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