(48)新生明大、予選プール突破ならず/ボッチャ東京カップ2024予選会

 ボッチャ東京カップ2024への出場権を懸け、9大学が参加した予選会。今回で3回目の出場となる明大は、今年度も1年生のみでチームを組んだ。強豪揃いのプールAでチームは苦戦を強いられながらも大会後半から本領を発揮し、2勝2敗。しかし3位となり、決勝トーナメントに進出できる2位までには惜しくも届かなかった。

 

◆11・18 ボッチャ東京カップ2024予選会 東日本大学選手権(武蔵野総合体育館)

▼プール A 

明大――3位

 

[出場選手]

大橋、北原、成田、晴山

 

 一昨年度は優勝を果たし、本戦出場への切符を手にした明大だったが、昨年度は予選敗退。〝常勝明治〟復活のため、今年度は人数を1人増やした4人体制で大会に臨んだ。「プレースタイルの異なる4人が集まり、状況に応じて様々な戦略を展開できる」(北原慶也主将・政経1=明大中野八王子)と自信を見せたが、現実はそう甘くなかった。順大との第1試合、第1エンドは序盤から劣勢を強いられる。明大が全球を投げ終えた時点でジャックボール付近には相手の球が2球。このまま2点を先制されると思われたが、相手の投球ミスでその2球が弾き出される。明大の球がジャックボールに一番近くなり、ラッキーな形で1点を先制した。「思いがけない1点だった」(大橋英晃・営1=船橋東)。しかし第2エンドは順大の正確なショットになすすべなく、合計スコア1―3で敗戦。初陣はほろ苦い結果に終わった。

 

 第2試合は前回大会王者の杏林大。第1エンドは相手の球が壁となり、ジャックボールに近づけない。北原がわずかな隙間を狙い、放った逆転への一投は真っすぐ進み、コート外へ転がっていった。「苦しい展開になるとは思っていたが、あまりに自分がふがいなかった」(北原)。第1エンド終了後に北原が成田美彩子(文1=国学院久我山)と交代し、てこ入れを行ったが劣勢ムードは変えられず。第2エンドも防戦一方となり、最終的に0―5と完敗を喫した。

 

 決勝トーナメント進出のためには一戦も落とせなくなった明大。上智大との試合では先攻を取ってジャックボールを近距離に置き、少ない球数でジャックボールに近づけて相手にプレッシャーを与える作戦に打って出た。「近い方が自分たちにとって有利だと感じた」(成田)。これが功を奏し、ついにチームの実力で先制点を獲得。第2エンドも相手が投げたジャックボールが比較的近めだったことから、作戦を継続させ、試合を有利に進める。追加点に絡む活躍を見せた大橋は「スキの糸が見えたのでそこに投げ込むだけだった」と手応えが。合計スコア3―0で勝利し、チーム待望の初白星を飾った。

 

 初勝利を収めた明大は勢いそのままに、日大との第4試合に臨んだ。第1エンドから2点を先制すると、第2エンドは晴山赳生(法1=明大中野八王子)が投じた2球がジャックボールにぴたり。「先輩との練習の成果が出てとてもうれしかった」(晴山)。試合が進むにつれて状態を上げていった新鋭がここで能力を発揮。さらに成田の2投目がダメ押しの追加点に。「いいところで球が止まってくれた」(成田)。最終試合を5―0で完勝し、4試合で2勝2敗となったが、他2チームが3勝1敗で並んだため、明大は3位で予選プール敗退が決まった。

 

 初の大会参加となったチームは粗さが目立ったが、後半にかけて大きく成長を遂げるなど〝常勝明治〟の片りんを大会を通して見せることができた。例年ではここでチームは解散となるが「もっと練習を重ねて、もっといろいろな大会に出たい」(晴山)と今後、地域で開催される大会についても参加の意欲を示した。これまでも、そしてこれからも自らがボッチャを楽しみ、そして普及する。若き紫紺の挑戦はこれからも続く。

 

[北原慶也]

 

試合後のコメント

北原

――大会全体を振り返っていかがでしたか。

「主将らしい言動を見せることができず、結果も出なかったので非常に悔いが残る大会でした。かつて出場された先輩方と共に、強化合宿を行いたいと思います」

 

大橋

――どのような所を意識してプレーしていましたか。

「仲間たちと話し合いながらだったんですけど、相手が嫌がるところを考えながら投げていました」

 

成田

――実際にボッチャをプレーしていかがでしたか。

「パラスポーツをやる機会なんてなかなかないですが、やってみると面白いしはまってしまいました。多くの人にやってみてほしいです」

 

晴山

――今後どのような活動をしていきますか。

「今回得た経験、ボッチャの面白さを後輩にも伝えていきたいと思います」