(87)第533号ラグビー明早戦特集号 特別インタビュー!恩師中村京平先生が語る伊藤耕太郎

2023.12.08

 11月30日に発行した明大スポーツ第533号ラグビー特集号で、伊藤耕太郎(商4=国学院栃木)選手の『人生の恩師』である中学時代の担任中村京平先生にインタビューを行いました。紙面には載せることのできなかったインタビュー拡大版をお届けします!

(この取材は11月7日に行われたものです)

 

――中学時代の伊藤耕選手の印象を教えてください。

 「入学当初は元気過ぎて、たくさん怒りましたけど、3年間で大きく成長し大人になりました。活発で足は速かったですね。運動は何でもできるタイプでしたね。あと、ネガティブなことはあまり口に出すようなタイプではなかったので、常に前向きで元気というのが彼のキャラクターでした」

 

――伊藤耕選手が取材中に『人生の恩師』とおっしゃっていたのですが、生活指導で一番大切にしていたことを教えてください。

 「私が感じているのは、中学校の学生たちはどうしてもその学校のルールで生きている子が多いように感じていて、私は彼らに接する時に社会に出た時に困ることのないよう、一般社会のルールで接することをすごく心がけてきました。3年生になったら、中3はもう半分大人だよってよく彼らには言うんですけど、大人になっていく過程の中で、自立しなよという話はしていたので『あまりあれしちゃダメだよ、これ言っちゃダメだよ』などは言わないようにしていました。ただ『失敗やうまくいかなかった後のリアクションがすごく大事だよ』という話は、耕太郎だけじゃなくて、いろいろな生徒にしていました。うまくいかないことや失敗はしていいけど、その後何ができるのか、自分でどうリアクションするのかというところは、すごく大事だと感じていましたし、彼らには伝えていて、結構考えさせてはいたのかなと思います」

 

――先生も一人のスポーツ選手としてどのようなことを大事に伝えていましたか。

 「耕太郎だけじゃなくて、他の生徒にも言っていたんですけど『時間はみんな一緒だから、その中で寝る時間、食事する時間、学校にいる時間以外の時間をどう使うのか』という話はすごくしていました。その中で、その1時間をテレビ見て寝転がるよりかは、他のことをして何かできることはあるんじゃないのかという考え方の話はよくしたかなと思います。あと、伊藤家の弁当がすごく印象的なことの1つで、大きい弁当で、龍之介(伊藤・商1=国学院栃木)もですけど、いつもご飯がいっぱい入っていて、鶏肉とブロッコリーと卵は絶対入っていたんです。体を作るためにすごく考えられていて、食べることに対する意識みたいなのはご家族のサポートがあったとは思うんですけど、そこは本当に他の同級生の子たちと少し違ったのは感じましたね」

 

――伊藤耕太郎さんとの一番の思い出のエピソードはありますか。

 「とてもうれしかったのは耕太郎が卒業してから私のところに結構会いに来てくれることです。年末に帰ってくると必ず連絡がかかってきて、学校に来てちょっと話をしに来てくれます。ラグビーマガジンに載った時も連絡をくれて、わざわざ持ってきてくれました。今年の4月に別の学校に異動してきたんですけど、3月31日もわざわざ時間を作って兄弟で来てくれたり、成人式の時も学校に来て一緒に写真を撮ったり、節目節目に来てくれるのは本当にうれしいことです。律義に連絡もくれるし、よく来てくれるので、義理堅いというか、そういうところは立派だなって思っています。そこは高校・大学生で関わった方々に鍛えられたところなのかもしれないけど、彼の人間性が出ているなというのは感じましたね」

 

――中学生から変わりましたか。

 「すごく大人になりましたね。今年の3月に会った時に体全体、特に足はパンパンで大きくなって、毎回見る度に体の大きさには驚かされます。あと、言葉遣いも落ち着いているし、耕太郎はずっと元気でやんちゃなイメージがあって、中学校3年生の時に期待半分、半分心配で送り出した時に比べれば、立派な青年になって、その辺はすごく成長を感じますね。どこでこんなに成長したんだろうって、関わってくださった方々のおかげでだと思うんですが、本当にすごいですよね」

 

――伊藤耕選手にメッセージをお願いします。

 「プレーしているところを生でまだ見たことないので、今年のどこかで応援に行きたいです。本人に忘れないでほしいなとすごく思っているのは、友人やチームメート、マスメディアの方もそうだし、学校の関係者の方や3年間お世話になった高校の関係者の方々、現在お世話になっている大学の方々、OBの方々などいろいろな方に支えられて、今の彼があるということです。彼がスポットライトを浴びている裏では、悔しい思いをしている選手もたくさんいるだろうし、仲間やサポートしてくれる人たちがいての彼だと思うので、そこだけは肝に銘じて忘れずに頑張ってほしいなって思います。あとは親心ではないですけど、ケガをしないで欲しいです」

 

――ありがとうございました。

 

[井垣友希]