(54)インカレ直前インタビュー⑨/阿部稜汰

2023.12.06

 12月7日より全日本大学選手権大会(以下、インカレ)が開幕する。今季は関東大学1部リーグ戦で連覇を逃したものの、3位入賞を果たし14大会連続22回目の出場となるインカレ。明大の戦いは12月10日、2回戦から幕を開ける。悲願の王座奪還へ。一戦の負けも許されない戦いが今、始まる。

 今回はDF阿部稜汰(政経4=日章学園)のインタビューをお届けします。

 

――今年度ここまでを振り返っていかがですか。 

 「勝ち点の問題があったり、恵允(佐藤・文4=実践学園)がドイツに行ったりなど、いろんなことがあったと思います。しかし、その中でリーグ戦で3位に入って、毎年出てるインカレの出場権を獲得したことは、部員全員が一体となってやってきたからこその結果だと思います。これまでを振り返ると、非常にいい結果なのではないかと思います」

 

――4年生唯一のSBとして思いをお聞かせください。 

 「これまでの先輩方は強烈なサイドバックの人たちが多くて、それに比べると自分は実力不足です。栗田さんからも日頃から言われているんですけど、4年生の中でSBが1人しかいないという中で、これまでの試合で4年生として圧倒的な力を見せられていないと思っています。残りのインカレで少しでも明治のSB像というものを高められるようにしていきたいなと思っています」

 

――明大での4年間を振り返っていかがですか。 

 「自分は宮崎の日章学園から来て、本当に明治に入れたこと自体が奇跡でした。サッカーの成長もそうですし、人間として成長できた部分がすごく大きいと思っています。ここで培ったものは今後自分がサッカーをするにしても社会に出ていくにしても、絶対に生きてくるものだと思います。明治大学に来て学べて良かったと思う部分でもあります」 

 

――4年間で成長された部分をお聞かせください。

 「サッカーの部分だと、攻撃参加の回数は高校時代に比べて圧倒的に増えました。それは栗田さんが日頃から明治のサイドバック像を追求していて、自分もそれを追求することで攻撃参加の回数だったり、得点に直結するプレーを意識していました。そこがサッカーで最も成長できた部分です。日常ではやっぱ人間力がやはり一番成長できました」

 

――ご自身の考える人間力とはどのようなものですか。

 「明治の選手は他の大学の選手に比べると、常に自分にベクトルを向けています。チームが悪くなった時に誰かのせいにするのではなく自分にベクトルを向けて、自分にできることはないかと問題が起きた時にそれに対処する力ですね。自覚や責任がないとできないことだと思います。自覚と責任を持っている選手は、一つ一つのプレーのこだわりや意思の強さが絶対プレーに出てくると思います。そういう部分が人間力と言える部分なのではないかと思います」

 

――栗田大輔監督からの言葉で印象に残っているものはありますか。 

 「知的野蛮人という言葉です。知的に賢く動く人間も良いと思うんですけど、そこに野心というか、ギラギラしたものがないと絶対に上には行けないという話をされていました。自分もその通りだと思いました。野心を持って知性を持って立ち回るというところが、サッカーでもそれ以外の部分でも成長につながると感じています。心の中に一番残っています」

 

――同期への思いをお聞かせください。 

 「とても大好きです。今まで中学や高校など、いろいろな同期と会ってきましたけど、16人部屋での共同生活を通して仕事もあったので、今まで生きてきた中で一番絆が深い同期です。これから社会に出てそういう人たちに出会えるかといったら絶対そうじゃないと思います。自分にとっては一生の財産、そういうかけがえのない存在ですね」

 

――インカレに向けて意気込みをお願いします。 

 「自分が試合に出る出ないに関わらずチームが勝つことで、今まで支えてくれた人たちに恩返しをできるのが一番だと思います。残りの期間で自分がチームに対してできることを考えて行動して、自分が出た際には絶対に誰よりも走り、見ている人たちに感動を与えられるようなプレーをします。チームとしてもそのようなサッカーをできるようにして、優勝したいなと思います」

 

――ありがとうございました。

 

[岩田英佑]

 

◆阿部 稜汰(あべ・りょうた)政経4、日章学園、171センチ、68キロ