
(79)特別編 早大突撃インタビュー!大田尾竜彦監督「ライバルのチームに全力で挑む」
関東大学対抗戦(以下、対抗戦)・明早戦直前ということで、早大の大田尾竜彦監督に突撃インタビューを行いました。今年度のチームのことや明早戦への意気込みを伺った、ここだけのインタビューとなっております! (この取材は11月8日に行われたものです)。
――昨年度は大学選手権決勝で帝京大に敗れ準優勝という結果でしたが、敗戦直後の心境はどのようなものでしたか。
「決勝までいけたというよりも、決勝戦で大差がついたので一年一年メンバーは変わるものの、多くの選手がお互い残るので、この差をどう埋めようかなという思いが決勝直後は大きかった記憶がありますね」
――昨年度と比べたときの今年度のチームの特徴はどのようなところですか。
「チームの成熟度といいますか、チーム力に目を向けたときに、昨年と比べると常に2、3カ月ぐらい先を行っているようなチームづくりができているかなという風に思います。チームの特徴としては総合的なチーム力だという風に思いますね」
――対抗戦前で指導面や練習面で監督的に意識されたことはありますか。
「どこの大学もそうだと思うんですけど、7月が非常に難しい時期になるんですよね。 やはり(関東大学)春季大会が終わってほっと一息つくのと、大学もテストもありますし、夏合宿前で目標がふわっとしやすい時期です。直近でゲームがなかったりするので目標設定が難しいのが7月だなというのは、過去2年間で感じていたんですけど今年に関しては、7月に非常にいい練習ができたという風に思っていました。キャプテンの伊藤(大祐主将)は、ケガの治療でいなかったんですけれども副キャプテンの岡崎(颯馬)と永嶋(仁)を中心に非常にタフな練習を過ごしてくれたので、例年に比べて7月が非常にうまくいったなという印象ですね。 8月の夏合宿のゲームで帝京大学と試合をして敗れはしたんですけれども、そこで出た課題に似たような課題が、去年は対抗戦の後に出たりしていました。負けて順調だと言うのも変ですが、そこでもチームの進捗が順調だと感じました。」
――対抗戦前半戦を振り返ってみていかがですか。
「攻め方や守り方は春から思い描いた形になろうとしてたのでその辺はうまくいってるなという印象です。あとは、いろいろな選手が調子を上げてきたので、そこで悩むことはありました」
――監督的にはメンバーを選ぶ面では悩ましいところでしたか。
「ジュニア選手権の内容が非常に良かったりジュニア選手権だけにとどまらず、Cチーム以下もすごくいいパフォーマンスをしていたので今年はその辺りでメンバー選びが難しかったかなと思います」
――コロナ禍で中止されていた全体練習の復活はチームにも影響はありましたか。
「間違いなくあると思うんですよね。やはり内容は違えど同じ場所、同じ時間で練習することは練習しながら意識しますよね。Cチーム以下も非常に調子がいいんですよね。いいゲームをずっとしていますが、過去2年で間違いなく変わったのが全体での練習なので、そこはやっぱり見えない力にはなると思いますがその辺りは変わったと思いますね。」
――最近は元々のポジションではないところでの選手起用が注目されていますが意図はどのようなものですか。
「僕の選手起用のポリシーと言いますか、早稲田において重要だと思ってるところにもつながるんですけどFW、BKの専門職と言われるところを除いては、一番いい選手たちを順番に出すということを考えています。BKであれば、スクラムハーフを除いた6人は、一番いいポジションを当てはめていくことが僕は大事かなと思っています。例えば、12番の選手がケガをしたら次の12番の選手ではなくて、次に調子がいい選手を出すこれが早稲田では重要だなと僕は思ってるのでそうした結果ですね。あと安恒(直人)と久富(連太郎)がジュニア選手権で調子を上げてくれて帝京大戦でも非常にいいプレイをしてくれています。そういった理由で、今調子のいい選手たち使いその結果として、ポジション変更が行われたという認識を持っていただければいいと思います」
――毎回臨機応変に変える形なんですね。
「そうですね。専門的なことを要求するというよりも、トータルでラグビーのコンタクトとハンドリングの部分を注力して練習に取り組んでますし、今在籍する選手たちの特徴はいろいろなところを柔軟にこなせる選手が多いのかなという印象もあるので今このような形を取ってますね」
――伊藤大主将はチームにどのようなことを与えていますか。
「大祐はよくあるキャプテン像みたいなものでは全くないです。人間としてもまだまだ未熟なところがありますが、何より勝利への強い意思が本当にいいです。そこはうちのチームでもずば抜けているんじゃないかなという風に思っています。やはりそういう人間はタイトな試合の時に必ず何かをやってくれますよね。だから、彼が求めるようなレベルにみんなが合わせていければきっともっと強くなるかなと思っていますね」
――今年の明大のチーム全体の印象を教えてください。
「下級生から主力だった伊藤(耕太郎)君と、廣瀬(雄也主将・商4=東福岡)君、山本(嶺二郎・法4=京都成章)君と多くの経験を積んだ能力の高い選手がいますね。他にも、スピードのある選手、体の強い選手もいてどこから攻めてきても、攻め手がたくさんある非常にいいチームかなという風に思いますね」
――今年の明早戦の勝負のカギはどのようなところになってくると思いますか。
「やはり早稲田が最初の20分の、圧力がかかってくるところをしっかりと自分たちのプレーでしのいでいけるかというところだと思いますね。チャンスっていうのはそんなにないと思うので、チャンスをしっかり早稲田が仕留められるかどうかなのでやはり我慢をしていくことがカギかなと思いますね」
――明早戦では早大のどのようなラグビーに注目して欲しいですか。
「明治大学は本当に素晴らしいタレントとリーダーがいて、経験値もある素晴らしいチームだと僕は思っています。それに早稲田がどれだけ我慢できるかで、自分たちのチャンスが来た時に、どれだけ精度高くやれるかというところです。あとはとにかく、ひたむきに一団結してやりたいと思っているので、その辺りを見ていただけるとうれしいかなと思います。」
――明早戦への意気込みをお願いします。
「すごく厳しい試合になると思いますし本当にタフな局面も出てくると思うんですけれども、それだけの練習はしてきました。すばらしいライバルのチームに全力で挑むことが我々にとって成長するきっかけになると思うので、本当に全力を出し切っていい試合ができたらいいなと思っています」
――ありがとうございました。
[豊澤風香]
◆大田尾 竜彦(おおたお・たつひこ)監督
現役時代はスタンドオフとして活躍。早大卒業後は当時のヤマハ発動機ジュビロ(現静岡ブルーレヴズ)に所属し、トップリーグ通算150試合以上に出場。現役引退後はヤマハ発動機ジュビロでコーチを務め、2021年度より早大ラグビー部監督に就任した。
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