(78)第533号ラグビー明早戦特集号企画面拡大版 福田健太選手「かけがえのない4年間を過ごせた」

2023.12.01

 今年度創部100周年を迎えた明大ラグビー部。私たちは「明大スポーツ第533号ラグビー明早戦特集号」発行にあたり、明大の著名なOB5名にインタビューを行った。本企画では紙面に載せきれなかったインタビューの拡大版を公開します。

 

 第5回は福田健太(平31法卒・現トヨタヴェルブリッツ)選手のインタビューをお送りします。(この取材は10月26日に行われたものです)(※写真はトヨタヴェルブリッツ提供)

 

――ワールドカップを終えて、今の率直なお気持ちはいかがですか。 

 「日本代表はベスト8、決勝トーナメントに行けなかったので、チームとしては目標を達成できなかったことに対する悔しさが残っていますが、個人としては明大を代表して、日本代表としてワールドカップに出ることができて、良かったなと思っています。また、(日本代表は)みんないいメンバーだったので、すごく寂しい気持ちもあります」

 

――ワールドカップのサモア代表戦で代表初出場を果たされましたが、ピッチに立った時の気持ちはいかがでしたか。 

 「幼い頃からそこを目指してきて、明大でいい経験を積んで獲得できた初キャップだと思っているので、そういった面ではピッチに入った瞬間はうれしさがすごく込み上げてきました」  

 

――明大ラグビー部での4年間を振り返っていかがですか。 

 「とても楽しい4年間を過ごさせていただきました。もちろん、ラグビーの面での明大とは”というのは4年間で教わりましたし、寮生活も入学する前は本当に嫌だったのですが、実際終わってみたらかけがえのない4年間を過ごせたかなと思います」

 

――明大での経験は今、どのような形で生きていると思いますか。

 「明大は争いがすごくて、AチームからCチームに突然落ちることもあります。そういった面では、一瞬のチャンスを逃さないことであったり、ライバルがいる中でどう自分がレベルアップしていくかというところは、リーグワンや日本代表と似ている部分もあったので、そこはすごく生かされていると思います」

 

――当時の明早戦はどのような思いで臨んでいましたか。 

 「意識はしないようにとコーチから言われましたが、明早戦は学生もすごく応援してくれますし、ファンの方々の明早戦に対する思いもすごいです。僕自身も大学1年生の頃から明早戦に対する思いというのは人一倍強くて、そこを目指して明大に入ったので、負けたらすごく悔しかったですし、勝ったらすごくうれしい。そんなゲームだったなと思います」 

 

――明早戦の中で一番印象に残っている試合を教えてください。 

 「3年生の時の関東大学対抗戦の明早戦です。2年生の時も明早戦に出て、その時に悔しい負け方をしてしまいました。ふがいなさともやもやで、絶対翌年の明早戦で見返してやろうっていう思いをずっと1年間持ち続けていて、その中での(3年次の)明早戦では僕自身もいいパフォーマンスができて勝つことができたので、3年次の明早戦はすごく思い出深いです」

 

――選手権で優勝する上で大切だったと思うことがあれば教えてください。 

 「どんなにいいチームでも4年という制約が決まっていますが、その分短期間でもすごく成長できるところが学生スポーツの良さだと思います。その中でも、ちょっとしたきっかけで、4年生がいい方向にも悪い方向にも、持っていく力を持っていると思うので、4年生のここからのまとまりはすごく大事なのかなと思います。グラウンドでも私生活でも、(試合に)出ているメンバーも出ていないメンバーに対してのリスペクトを忘れないことや、出ていないメンバーが(試合に出るメンバーに)頑張ってくれと、逆にリスペクトを持って送り出せるような信頼関係を築くことで、チームとしてもどんどんレベルアップできるのかなと思います」  

 

――今年度の明大が勝つために今必要なことはどのようなところだと思いますか。

 「帝京大、早大と大きなライバルがいる中で、どっちのチームがベストに近いパフォーマンスを出すかで勝つか負けるかが決まってくると思います。今の明大選手が持っている能力はすごく高いと思いますが、それをゲームで最大限発揮するためにミスをなるべく減らして、 逆にそのチャンスでどれだけトライを取り切れるかで、その試合の流れが変わってくると思います。チャンスをつかんで離さないことや、ピンチの場面でどれだけみんなが必死に守れるかで変わってくるのではないかと思います」  

 

――最後に明大ファンに向けてメッセージをお願いします。 

 「明大ファンのみなさん、大学4年間いつも応援ありがとうございました。明大ファンの皆さんの早明戦にかける思いであったり、明大に対する応援の熱量から4年間、『前へ』の精神を体現して走ることができました。今後リーグワンでも、僕自身、 明大出身者として恥じないようなプレーをするので応援よろしくお願いします。そして明大ラグビー部創立100周年なので、全員で応援して選手たちをサポートしましょう!」

 

――ありがとうございました。

 

[晴山赳生]

 

福田 健太(ふくだ・けんた)平31法卒・現トヨタヴェルブリッツ所属、茗溪学園高、173センチ・80キロ

福田選手が寮生活で思い出に残っているのは、1年次の洗濯機争い。「先輩のものも1年生が全部洗濯しないといけなくて、洗濯機が業務用の大きいもの一つしかなかったので、1年生約20人で毎晩争っていました(笑)」