(68)ONE TEAM ONE MEIJI〜100代目の誇りとともに〜 不京大也「大学日本一は譲れない」

2023.11.26

 「全員で日本一の集団を作る」。廣瀬雄也主将(商4=東福岡)が今年度のスローガン『ONE MEIJI』に込めた意味だ。100周年という節目の年。悲願の関東大学対抗戦(以下、対抗戦)、全国大学選手権(以下、選手権)優勝に向けて一人一人が鍛錬に励み、ラストシーズンを迎えた。4年生に明大での4年間の感想と、最後の戦いに向けての意気込みを伺った。11月1日より連載していく。

 

 第26回は不京大也主務(営4=明大中野八王子)のインタビューをお送りします。(この取材は10月26日に行われたものです)

 

――明大ラグビー部に入った経緯を教えてください。

 「付属校だったので明大の試合は見ていて、すごくかっこいいなと思っていましたし、強いチームの中でやりたいという思いはあったので、明大でラグビーをやりたいなと思っていました。通用する実力は全然なかったんですけど、当時のトップリーグでもやっていきたいなと思っていたので、セレクションを受けてというのがきっかけです」

 

――これまでで一番印象に残っている試合を教えてください。

 「先週のジュニア(予選)の帝京戦ですね。展開的にもそうですし、終わった瞬間泣きそうになるようなゲームでした。帝京ジュニアには2018年シーズン以来勝てていなかったですし、出場している選手たちの気持ちが見えたのもそうですし、応援している選手の真剣に応援する姿、勝った瞬間にみんなで喜ぶ姿だったり、そういったところにすごい『ONE MEIJI』という今年のスローガンを感じられた試合でした」

 

――目標にしていたスタッフの先輩はいましたか。

 「1年生の時の主務に、松下忠樹(令3営卒・現クボタスピアーズ船橋・東京ベイ主務)さんという方がいるんですけど、元々レフェリーと分析をやっていて、3年生の頃から主務になられた方なんですね。人としてすごく頭もいいし、監督、コーチ陣や、選手からも信頼されて、チーム内でとても信頼されていた方なのでそんな人になりたいなとずっと思いながら過ごしていました」

 

――4年生になり成長したと思う部分はありますか。

 「何が成長しているんですかね。でも今年のチームが始まった当初は、すごくいろいろ不安で、どうしたらいいか分からないという状況がたくさんあったんですけど、春の遠征や夏合宿などを通して、徐々にこういう時はこうするということは分かってきたかなと思います。それと同時に、少し堂々というか落ち着いて全体を動かせるようにはなってきたのかなと思いますね。最初は本当に自分のことで精一杯だったんですけど、徐々に周りに気を使えるというか、目が向けられるようにはなってきたかなと思いますね」

 

――後輩のスタッフの皆さんはどのような存在ですか。

 「すごく頼りになる子が多くて。いてくれてすごく安心する存在ではありますね。結構自分が抜けているところが多くて、マネジャー、医療とか分からないことがたくさんあるんですけど、今の3年生のマネジャーであったり、学生コーチ、2年生の学生コーチとかにも支えてもらいながらやっているので頼もしい後輩たちだなと思いますね」

 

――改めて不京主務にとってスローガンである『ONE MEIJI』の意味はどのようなものですか。

 「今年100周年の式典があり、これまでの明治を支えてきたOBの方たちといろいろお話しする機会があったり、周りのファンの方からもいろいろ声かけてもらうこととかあったりして、そういったことからも僕らだけの明治じゃないなっていうのをすごく感じています。明治の応援してくれる方々も含めてみんなでチームを作っていくんだっていうところは、今すごく強く感じていて、その中心に自分や廣瀬がいるだけで、みんなを巻き込みながらチームをつくってみんなで戦うという意味だと思います」

 

――これまでで学べて良かったところはどんなところですか。

 「二つあって。物事に真剣に取り組むというところと準備の大切さという部分です。一つ目のところで言うと、正直やりたくないこととか嫌なこととかもたくさんあったんですけど、そこにしっかりチャレンジしてみて、やる前は結構マイナスに思っていたこともやってみれば意外とうまくいったりとか、失敗するも実際怒られることもたくさんあったんですけど、それが取り組んでなかったら得られなかった経験が自分の財産になっているなとすごく思います。本当にそこに関してはしっかり取り組んできて良かったなと思いますね。あと準備のところで言うと中途半端な準備をしてしまって、失敗をしたことも何度もあったので、しっかり準備をしてから取り組むっていうのは、すごく自分の心の余裕にもつながりますし、大事なことだなと思います」

 

――後輩に伝えたいことはありますか。

 「(上の質問の)二つからだと思いますけど、選手も嫌なことから逃げない、素直に取り組むというところを大学4年間しっかりやっていれば、本当にいい選手になると思います。コーチ、スタッフの言うことに対して素直に受け止めて真面目に取り組んでいれば、 すごくいい選手になれる環境が整っています。また、準備のところもそうですよね。試合は80分しかないので、神鳥(裕之・平9卒)監督もよく言うんですけど、グラウンドに立っていない時間だったりが本当に勝負を分ける世界だと思うので、選手もそうですしスタッフに関しても大事なのかなと思います」

 

――これからの目標をお願いします。

 「大学日本一というところは譲れないなと思うので、そこをしっかり目指しながら日本一になれるような組織をつくっていきたいと思います。雄也(廣瀬)中心に今、チームはかなり順調には来ていると思いますけど、自分の責任も大きいとは思っているので、しっかりサポートしながらいいチームをつくっていけたらなと思います」


――ありがとうございました。


[廣末直希]

 

不京 大也(ふきょう・ひろや)、営4、明大中野八王子高。

最近、筋トレを再開した不京主務。特に胸筋が好きだそう。「一番気合い入りますよね。スクワットみたいにきついとも感じませんし、重量挙げるとこれやばいみたいな気持ちになります(笑)」