
(145)MARCH対抗戦2023事後インタビュー①/山本豪駅伝監督
箱根駅伝(以下、箱根)に出場するMARCH5大学が顔をそろえた今大会。ハーフマラソンと比べてスピード勝負のレースが繰り広げられる1万メートルで多くの選手が積極的な走りを披露し、自らの実力を示した。白熱したレース後に行われたインタビューの模様をお届けする。
第1回は山本豪駅伝監督のインタビューです。
――今大会の総括をお願いします。
「世田谷246ハーフマラソン(以下、世田谷ハーフ)に続いて出た選手も多かったので、疲労がある中では練習通りの走りができたと思っています。箱根駅伝予選会から久しぶりのレースだった綾(一輝・理工1=八千代松陰)は自己ベスト、堀(颯介・商2=仙台育英)も自己ベストに迫るタイムでレース内容としても良かったので、一定の収穫はあったと思います」
――世田谷ハーフの疲労を抜くためにどのような調整をしてきましたか。
「いや、変に抜こうとしてしまうと、ここ一番のための練習ができないので続けていこうと。今日が終わって次の合宿まではしばらく練習量を落として、富津の合宿でまた練習を積むという流れになります」
――世田谷ハーフに出場した選手の走りはいかがでしたか。
「世田谷ハーフでよく走った子は今日もよく走っているし、駄目だった子は今日も思ったような走りができなかったと思いますので、選考にあたって明確な基準というか当落線がよく分かったんじゃないかなというところです」
――実力のある選手が集まった3、4組目の選手の走りはどのように評価しますか。
「堀颯はしっかり粘って、最後のスパートも効いていましたから本当にいい走りだと思います。基紀(橋本・商4=専大松戸)についてはハイペースにしっかりと付いていきましたから、世田谷ハーフの疲労もある中で自己ベストを更新し、よくまとめて走ったと思いますので、それも合格ですね。4組目の尾﨑(健斗駅伝主将・商3=浜松商)も同様ですね。世田谷ハーフの疲労が残る中であの走りは上出来です。綾は自己ベストを踏まえて考えると今日のペースは速かったと思うんですよ。本人もスピードがないことを気にしていたので。その中で中間走もよく走りました。反省点としては、彼が苦手としているラストでかなり前と離されて後ろにも抜かれたのでそこは課題ですね。溝上(稜斗・商3=九州学院)についても世田谷ハーフの疲労がある中で前半は積極的に前の方にいました。もうちょっと後半の落ち込みが少なければなお良しですけれど、レース後に彼と話した時は『積極的に攻めてどこまで行けるか試したかった』と発言していましたので、そういった試みは非常に良いんじゃないかなと思います」
――上尾シティハーフマラソン(以下、上尾ハーフ)のインタビューで『タイムはもちろんレース内容も見ていきたい』というコメントがありました。その点はいかがでしたか。
「ペースがとにかく速かったので、おそらく選手としては駆け引きというよりもどこまで粘るかみたいな感じだったと思うんですけど、だらっとせずにある程度の選手はまとめてこれたと思います。そこは練習通りのものが出せたと感じています」
――上尾ハーフに出た選手も引き続き調整はうまくできていますか。
「はい。今のところは特に故障や体調不良も出ていないので、このままスムーズに富津合宿に入れれば良いんじゃないかなと思います」
――富津合宿は具体的にどのようなことを強化する合宿になりますか。
「合宿だから距離をいっぱいやろうという狙いではないので、ポイント練習が3回入りますが、それをしっかりと確実にこなすということですね」
――今後に向けた意気込みをお聞かせください。
「とにかく学生が掲げている箱根8位という目標をクリアする。あとは取りこぼしを極力少なくする。1区間の落ち込みが命取りになりますから、そういった駅伝をしないように全員が平均的、もしくは平均以上に走れるような仕上げをしていきたいと思います」
――ありがとうございました。
[松原輝]
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