
(55)ONE TEAM ONE MEIJI〜100代目の誇りとともに〜 古田空「最後まで諦めなければこうなれるのかもという希望になりたい」
「全員で日本一の集団を作る」。廣瀬雄也主将(商4=東福岡)が今年度のスローガン『ONE MEIJI』に込めた意味だ。100周年という節目の年。悲願の関東大学対抗戦(以下、対抗戦)、全国大学選手権(以下、選手権)優勝に向けて一人一人が鍛錬に励み、ラストシーズンを迎えた。4年生に明大での4年間の感想と、最後の戦いに向けての意気込みを伺った。11月1日より連載していく。
第17回は古田空(商4=明大中野)のインタビューをお送りします。(この取材は10月11日に行われたものです)
――明大ラグビー部に入ったきっかけを教えてください。
「正直に言うと、兄が慶応でラグビーをやっていて、その姿に憧れていたので、最初は慶応を志していました。中高と慶応に縁がなかったので、そうなった時に高校選びの段階で、縁がないんだったら慶応を倒す側に回ろうって心の中で思って、明治大学を志しました。もちろんFWといえば明治というのもありますし、そういった部分に憧れていた部分もあったので、明治を選びました」
――今まで出場された試合の中で印象に残っている試合はありますか。
「去年の対抗戦の慶応戦ですね。初めてAチームのスタメンで試合に出場させていただく機会を得た試合で、慶応に勝つことを目標に明治大学に入ったので一つの目標が達成した試合っていう意味でも一番うれしかったです。その姿をやっぱり両親に見せられたことが一番うれしかったなっていうのがあるのですごく印象深い試合でした」
――これまでで辛かったことはありますか。
「一番は毎週ペガサスとルビコン、上のチームと下のチームのメンバーボードがオフの日の夜とか夕方にグループラインに貼られて。それを見た時にペガサスからルビコンに落ちていたりとか、手応えを感じていたのにずっとルビコンが続いたりする時は一筋縄じゃいかないなと。競争っていう意味では、すごく目に見える瞬間なので、それはまだやっぱりキリキリしながら見ています」
――4年生になってから成長した部分はどのようなところですか。
「スクラムが多少組めるようになったっていうのがありますね。昨年の慶応戦よりも確実にスクラムに対する思いも強くなっています。スクラムに対する知識であったり、対処の仕方や引き出しの多さは確実にあの時よりも格段に増えているなって思います。3年生から4年生に上がったってこともあるので、自分で熱いプレーをして、ちゃんと背中を見せて頑張ろうっていうのはできるだけ練習の中では意識しています」
――今年のチームはどのようなチームですか。
「自分はペガサスもルビコンもどっちも毎年経験して見ているんですけど、今年は本当に『ONE MEIJI』というのを掲げているのがスローガンだけに終わってないような感じがしています。いい意味でルビコンも明治として頑張ろうっていう気持ちが出ていますし、ペガサスも試合に出るから明治として頑張るのはもちろんなんですけど気持ちが出ていますし、全員がすごく明治として頑張ろうっていう雰囲気は感じます」
――古田選手にとって、今年のチームスローガンの『ONE MEIJI』はどのような意味を持っていますか。
「チームが一つになって『ONE MEIJI』になることだと思います。そのチームというのには、スタッフもファンの方々であったり、明スポの皆さんだったり、支援してくださる方、サポートしてくださる方も含まれますし、本当の意味で一つです。新たな100周年、その先のものを作り出していくための1年だと今年は思ってこのスローガンを掲げていたので、そういう意味で本当にきれい事なしで、みんなが一致団結するっていう意味なのかなと思っています」
――今後のご自身のチームでの役割はどう考えていますか。
「夏終わったタイミングで自分はCの一番下で始まったんですよ。そこから頑張ってAのリザーブまで上がってきたので、自分の姿を見て最後まで諦めない方がいいなと思われたり、ルビコンの選手には、最後まで諦めなければこうなれるかもという希望というか、指標になれたらいいなと思って日々頑張っています」
――4年間で学べたと思うところはどんなところですか。
「自分にベクトルを向けることの大切さっていうのは改めて感じました。競争社会はこの先社会に出てからもあるかもしれないし、どうしても人間なので気分が落ちる時とか波があると思うんですけど、そういった時に自分を見つめ直して、自分の軸を持って物事に取り組むことが大事なんだなっていうのをすごく感じました」
――後輩に伝えたいことはありますか。
「グラウンドでも伝えていて去年の自分とかもそうなんですけど、急にルビコンの選手がシーズン入ってAで出たりとかっていうのが本当にあるので、 最後まで諦めないことと、そして諦めないからには準備をしなきゃいけないっていうことですかね。あとは、同期と後輩、チームメートを大切にしてほしいなっていうのは伝えたいです」
――これからの目標と残りの期間頑張りたいことを教えてください。
「目標はもちろん選手権優勝です。そのために自分が何をできるのか日々模索して、現段階で90日っていう残された時間をどう使っていくのかというのを日々考えながら、模索しながら頑張っていきたいなと思います。その結果として個人の目標である紫紺を着るっていうのが見えてくると思うので、個人の目標である紫紺を着る、チームとしての目標である選手権を優勝するというこの二つを達成したいなと思います」
――ありがとうございました。
[廣末直希]
◆古田 空(ふるた・くう)商4、明大中野高、178センチ・111キロ
大学3年生の終わり頃からキムチ作りを始めた古田。キムチの素から作るなどかなり凝っているようで、キムチ手作りおばさんというあだ名まであるそう。「一番うれしそうに食べてくれるのは中山律希(政経4=天理)です。こっちもうれしくなるくらい美味しそうに食べてくれます(笑)」
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