(51)ONE TEAM ONE MEIJI〜100代目の誇りとともに〜 床田淳貴「目の前の敵に集中することが大事」

2023.11.13

 「全員で日本一の集団を作る」。廣瀬雄也主将(商4=東福岡)が今年度のスローガン『ONE MEIJI』に込めた意味だ。100周年という節目の年。悲願の関東大学対抗戦(以下、対抗戦)、全国大学選手権(以下、選手権)優勝に向けて一人一人が鍛錬に励み、ラストシーズンを迎えた。4年生に明大での4年間の感想と、最後の戦いに向けての意気込みを伺った。11月1日より連載していく。

 

 第11回は床田淳貴(情コミ4=桐蔭学園)のインタビューをお送りします。(この取材は10月16日に行われたものです)

 

――入部を決めた理由を教えてください。

 「田中澄憲前監督(平10文卒)にお誘いもらったっていうのが始めで、その時まだ高校2年生の頃だったのであまり大学のことは深く考えてなかったんですけどそれが最初の決めてとなって意識をし始めました。色々な大学があったんですけど明治大学はFWが強いっていうイメージでもあったので、自分もFWなので自分に合っている大学だなと思って明治大学進学を希望しました」

 

――大学4年間で一番印象に残っている試合を教えてください。

 「この前行われた夏合宿での帝京大学との練習試合ですね。今年は春に台風の影響で帝京と試合ができなくて夏合宿で初めての試合だったというのもありますし、去年帝京大学に負けてしまったのでずっとチームとしても意識していました。点数では負けてしまったんですけど特にFWとしては、セットプレーだったり自分たちが力をつけてるところが上手に立ったのかなと思ったので、その試合がとても印象に残っています」

 

――大学に入ってからスクラムを組んだ人で一番強いと感じた選手を教えてください。

 「一番やばいなと思ったのは去年の卒業生の大賀宗志(令5営卒・現東京サントリーサンゴリアス)さんです。1個上の先輩で、背番号3番をされていたんですけど一番強かったですね。シンプルなパワーも強かったですし、やっぱり使うのって力だけじゃなくてテクニックもあるので、駆け引きだったりとかそういうのがやっぱりすごかったです。去年は練習中にずっと大賀さんと組んでいたので、 逆にそれが自分の中では強みになったというか、試合でどの相手になっても大賀さんよりは強くないだろうっていう気持ちで助けられました」

 

――ご自身のポジションであるプロップとしてのこだわりを教えてください。

 「フィールドプレーもそうなんですけど、やっぱりプロップなのでセットプレー、特にスクラムの部分は本当に自分が要になると思っています。やっぱり大学だと、セットプレーだけで試合がガラッと変わってしまうのでスクラムをこだわっています」

 

――明大ラグビー部に入って自分自身が変わったことはありますか。

 「プレーを細かく細部までこだわるようになったところが高校の時とは違うなと思います」

 

――それは周りの影響もありますか。

 「そうですね。大学になると全国各地からスター選手が集まっている場所なので、ただやるだけでは試合に出れないというのもあります。高校の時は、どちらかというと漠然と高校生なのでコーチ陣に言われたことをやっているって感じだったんですけど大学では一つ一つのプレー、スクラムもそうですし、ボールキャリーもハンドリングも自分で考えながらどういったプレーだったら有効的なのかとかを、ただやるだけじゃなくてコーチ陣に提示されたものプラス自分の考えを肉付けしてみたいな感じで細部までこだわるところが変わったところだと思います」

 

――4年間で印象に残っている先輩はいらっしゃいますか。

 「2個上の山本耕生(令4商卒・現NECグリーンロケッツ東葛)さんです。同じ桐蔭学園高校も一緒の方なんですけど、同じ高校で同じポジションっていうのもあってよく、1番のポジションのことを教えてくださったので印象に残っています。寮の部屋も一緒だったので良くしてもらって。卒業されてからも『スタメンで出れるように頑張れよ』ってずっと言ってくださっています」

 

――今だからこそ後輩に伝えたいことはありますか。

 「諦めないこととチャンスをつかむことが大事だということです。僕自身1年生からずっと試合に出ている人間でもなかったです。2年生までは、僕もずっと下のチームでしたし試合でずっと出れるような保証のある選手ではなかったです。だからこそ、なかなか試合出場の機会が与えられないと自分的にもチベーションが上がらないんで、ずっと練習してて、本当に試合出れるのかっていう不安ももちろん自分の中でもありました。でもどこかで必ずチャンスは転がってくると思います。例えば、僕も今年の春はリザーブだったんですけど、夏合宿でスタメンで出てそこからチャンスをつかめました。今でも試合に出れると保障されているわけじゃないし、これだけスター選手がたくさんいて競争率が激しいんですけど腐らずにコツコツやっていけばいつかチャンスっていうのは獲得できると思います。今特に下にいる選手だったりとかずっと誰かに負けていて、リザーブに出ている選手だったりとかたくさんいると思うので、そういった選手に諦めずに頑張ってほしいっていうのを伝えたいですね」

 

――改めて床田選手にとってスローガンである『ONE MEIJI』の意味はどのようなものですか。

 「4年生で考えたスローガンなのでたくさんの意味が込められているんですけど、僕個人的には紫紺を着れる23人のメンバーだけじゃなくて、チーム一体となって、もちろん試合メンバーに選ばれなくて悔しい選手もいると思うんですけど、そこはもう割り切って全部員100人弱のメンバー全員が一緒の気持ちになって戦うことが大事だと思います。それにプラスして、応援してくださるファンの方々だったりとか、教えてくださったスタッフの方々、トレーナーの方々だったりだとか、明治に携わっている方々全員が同じ気持ちになって戦うことだと思います。ラグビーはチームスポーツなので誰か一人がやればいいとか、試合に出ている誰かがやればいいっていうのではやっぱり絶対に勝てないので、そういう意味で一つになるという意味のスローガンだと僕は思っています」

 

――今後の意気込みを教えてください。

 「やっぱり対抗戦を優勝すること。その先に大学選手権優勝、日本一っていう僕たちが掲げた目標につながると思うので、先のことを見すぎず一戦一戦目の前の敵に集中することが大事だと思うので、個人的にもチーム的にもおごらずにやっていきたいです」

 

――ありがとうございました。

 

[豊澤風香]

 

◆床田 淳貴(とこた・じゅんき)情コミ4、桐蔭学園高、178センチ・102キロ

好きな食べ物はギョーザとのこと。好きなお店を聞くと「実家のお母さんがつくったものが好きです(笑)」とかわいらしい答えが返ってきた。