(36)ONE TEAM ONE MEIJI〜100代目の誇りとともに〜 石塚勝己「チーム全体が同じ方向を向くことが大切」

2023.11.02

 「全員で日本一の集団を作る」。廣瀬雄也主将(商4=東福岡)が今年度のスローガン『ONE MEIJI』に込めた意味だ。100周年という節目の年。悲願の関東大学対抗戦(以下、対抗戦)、全国大学選手権(以下、選手権)優勝に向けて一人一人が鍛錬に励み、ラストシーズンを迎えた。4年生に明大での4年間の感想と、最後の戦いに向けての意気込みを伺った。11月1日より連載していく。

 

 第2回は石塚勝己(情コミ4=桐蔭学園)のインタビューをお送りします。(この取材は10月16日に行われたものです)

 

――明大に入学した理由を教えてください。

 「高校でも日本一を経験できたっていうこともあり、大学生になっても日本一になれる環境でラグビーがしたいと思い明治大学に入りました」

 

――明大での4年間で、ご自身の中で変化はありましたか。

 「あまり性格面では変わっていないかもしれないですね。プレー面では高校3年でフランカーをしていたので、大学に入ってセンターに戻って少し戸惑いとか色々技術面で足りないところがありました。ですが、日々練習していく中でスキルアップしていったし自分のやるべきことができたのかなと思います」

 

――明大に入学する時にはセンターでプレーすると決まっていたのですか。

 「最初は迷っていて、自分でもどっちにいっていいか分からなかったです。当時の田中監督(澄憲・平10文卒・現東京サントリーサンゴリアス監督)と面談した時に『俺はお前をBKでとったつもりだ』とおっしゃっていただいたので、大学はBKでプレーしようと決意しました」

 

――4年間で印象に残っている先輩はいらっしゃいますか。

 「僕が2年生の時の4年生の竹之内駿太(令4政経卒・現九州電力キューデンヴォルテクス)さんです。一緒に遊ぶ機会が多くて、普段はすごくお調子者みたいな人なんですけど、練習が始まって試合に出たらすごく気迫あふれるプレーをして盛り上げてくれました。そこがかっこよかったので憧れていましたし、今でも憧れる存在です」

 

――4年生としてチームを引っ張る上で意識していることはありますか。

 「引っ張り方は人それぞれだと思いますが、自分の中ではしっかりと気迫あるプレーでチームの流れを変えるということを意識しています」

 

――4年間で辛かった時期はありますか。

 「去年も今年もシーズンが始まってから紫紺のジャージーになかなか袖を通せなかったことが辛かったなと思います」

 

――そのような時期にどのようにモチベーションを保っているのですか。

 「自分は結構モチベーションに波があるタイプで、一喜一憂しちゃうとかそういった面があります。なので目の前の小さいことからやっていって、モチベーションを保つということを意識してやっています」

 

――ご自身のセンターというポジションへのこだわりはありますか。

 「自分はどちらかというとディフェンスが得意なので、そういったプレーで勢いづけてチームに流れを持ってくるというのを意識してやっています」

 

――同期はどのような存在ですか。

 「本当に仲がいいし、子供のような同期かなと思います。小学生がやっていそうなことをやっていてそれで楽しめているので、精神年齢が低い一面もあると思います(笑)一方でラグビー面では、1、2年生の頃から試合に出ているメンバーが多くてラグビーの理解度が高いですね」

 

――寮生活で楽しかった思い出はありますか。

 「毎日が楽しいですね。寮って基本誰かがいるので、いる人と一緒にご飯を食べたり風呂に入ったりゲームしたりとか毎日が楽しいですね」

 

――今の時期だからこそ後輩に伝えたいことはありますか。

 「頑張りすぎずに頑張ってほしいかなと思います。毎日頑張ることも大事なんですけど、常に頑張って毎日気を張っていたら疲れちゃうと思うので適度に遊んでほしいですね。なんでもいいので、少し息抜きしながら上手くやってほしいなと思います」

 

――石塚選手が思う今年度のスローガン『ONE MEIJI』の意味を教えてください。

 「色々意味があるんですけど、自分の中ではチームとして一つの方向に向くっていうことだと思いますね。それは正直難しくて、みんなそれぞれ色々なことを思ってやっているので納得いってない後輩とかもいると思います。そういった面で、最後にはチーム全体が同じ方向を向くっていうのが大切なのかなと思っていますね」

 

――チーム全体が同じ方向を向くには具体的に何が必要だと思いますか。

 「そこは4年生の頑張りどころで、上のチームもそうですけど下のチームにいる後輩たちを4年生がどう同じ方向に向かせるかです。自分が下級生の時はモチベーションが上がらないっていうことがすごくありました。今そういった思いをしている子たちもいると思うので、自分たち4年生が『頑張ろう』とかそういう言葉をかけて、あと3カ月日本一という目標に少しでも向けるように頑張っていきたいと思います」

 

――個人としての今後の目標を教えてください。

 「あと引退まで3カ月を切っているので、自分が置かれた環境に一喜一憂せず最後までやり抜こうと思います」

 

――ありがとうございました。

 

[豊澤風香]

 

◆石塚 勝己(いしづか・かつき)情コミ4、桐蔭学園高、182センチ・93キロ

特にかわいがっている後輩は朝島燎夏(法2=正則)。「頑張って欲しいなと思いながらいつもいじっています(笑)」