
(130)平成国際大長距離競技会事後インタビュー①/尾﨑健斗駅伝主将、溝上稜斗
箱根駅伝予選会(以下、予選会)で出走には至らなかった選手たちが多く出場した平成国際大長距離競技会。己の実力を知るため、今後の大会に向け調整するため、目的は違っても目指す先は同じだ。箱根駅伝(以下、箱根)が現実のものとなった今、より一層のレベルアップが求められた選手たちは何を思うのか。彼らの素の思いをお届けする。
第1回は尾﨑健斗駅伝主将(商3=浜松商)、溝上稜斗(商3=九州学院)のインタビューです。
尾﨑
男子5000メートル10組3着 13分54秒89
――レースを振り返っていかがでしたか。
「自分は夏以降少し練習が積めていなくて、今回は気分転換に出てみようかなぐらいの感じで監督とも話し合って出させてもらいました。思ったより走れたので、出場して良かったと思っています」
――1000メートルを過ぎたぐらいからペースアップしたように感じましたが、その要因はありますか。
「全体的に最初ペースが遅かったです。今回自分はこの大会に重きを置いているわけではなかったので、思い切って挑戦しようと思って他の選手より前で走りました。それが結果的にいい感じに走れたので良かったと思います」
――予選会前には不調だと伺いましたが、今はいかがですか。
「詳しくいうと自分はお尻がぬけぬけ病というやつになってしまいました。今もそれと向き合っていますが、自分はキャプテンの立場があるのでチームの追い風になるような走りがしたいと思っていました。今回それが少しでもできて僕自身もすっきりしています」
――話は変わりますが、予選会2位通過は駅伝主将という立場から見ていかがでしたか。
「僕が主将になってから悪い結果が続いていて自分自身もなかなか結果が付いてこないですし、走りで引っ張れていたわけじゃなかったので、僕個人としてはしんどかったです。しかし、みんなは夏合宿以降とても頑張ってくれました。今まで悪かった分、結果的に2位で自分たちのやってきた取り組みが一つの数字として表すことができてほっとしています。走った選手はもちろん、サポートしてくれた方々にも感謝の気持ちでいっぱいです」
――今の明大のレベルはどのように見ていますか。
「8月に監督が変わってチーム全体で動揺もありました。山本豪駅伝監督の指示や練習が出される分にはきちんとやろうって取り組んでいましたが、それが本当に結果につながるかっていうのは多分みんな不安だったと思います。その中で本番走ってみて2番っていう数字だったので、まだまだちゃんと戦えるんだなと感じました。決して満足しているわけではありませんが、それなりに戦えるってことが分かったいい機会になったと思います。僕たちは箱根でシード権獲得と8位が目標なので、そこに向けていい方向にいけたのかなと思います」
――主将として、今後の意気込みをお聞かせください。
「どんな形であれ、やはり自分は主将という立場でチームの目標達成のために何かしらの形で貢献したいなと思っています。最後までしっかり自分の責任、それからチームのためにという覚悟を持って残りの期間も頑張っていきたいです」
――ありがとうございました。
溝上稜斗(商3=九州学院)
溝上
男子1万メートル4組11着 29分29秒06
――レースを振り返っていかがでしたか。
「予選会前に少し発熱してしまって走ることができず、悔しい思いをしました。そこで一度落ち込んで気持ちが切れかけたんですけど、やはり箱根を目指したいと思いました。今回はがっつりタイムを狙うというよりは、次に向けてしっかり気持ちを前向きに持っていくっていう意味でのレースだったので、思ったよりもまとめる走りはできたかなっていう感じです」
――今回のレースプランを教えてください。
「体調を崩して今週から本格的にポイント練習とかもやり始めたんですけど、思うように走れなくてみんなに置いていかれたりしていました。今回はレース展開的にも不安があって早い段階で垂れちゃうんじゃないかと思っていましたが、走り始めたら集団がある程度いいペースでずっといっていたので、何も考えずにしっかりいけるとこまで付いていこうと思っていました。最後は少しきつくなったんですけど、現状を考えるといい走りができたかなと思います」
――収穫と課題はありましたか。
「収穫はメンタル的にも少し下を向いていて状態もあまり良くない中でも、自己ベストから10秒遅れぐらいでまとめる走りができたことです。課題としては体調が悪くなったりしたときに気持ちが切れてしまうようなメンタルの弱さっていうのを今後直していきたいです。また、体調を崩さないっていうことも大事にしたいです」
――今回の走り自体は自信につながりましたか。
「気持ちが下を向いていた中で今回のレースはもう一度頑張ろうって思えるきっかけになりました」
――今後出る予定の大会はありますか。
「次は世田谷246ハーフマラソンに出ます。青学大や駒大といった選手たちとしっかり勝負して、そういう人たちに勝てるようなレースをしたいと思っています。あと1カ月弱ぐらいあるので、しっかり練習を継続して状態を上げていこうと思っています」
――ありがとうございました。
[石井遥]
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