(番外)明スポ、スポホウ合同企画/明法主将対談

2023.10.16

伝統の明法戦。順位に関係なく常に白熱した勝負を繰り広げてきた一戦だ。そんな大一番を前に明大の井上樹主将(法4=ヴァンフォーレ甲府U-18)と法大の吉尾虹樹主将(現4=横浜F・マリノスユース)による主将対談を行った。明法戦にかける思いや両主将から見た注目選手など盛りだくさんのインタビューをお届けする。

(この対談は10月5日にオンラインで行われたものです)

(法大の吉尾選手の写真は法政大学体育会サッカー部提供)

 

――これまでのお互いに面識や交流はありますか。

井上:今年度のデンソーカップチャレンジ(以下、デンチャレ)の関東選抜Bで同じでそこが一番大きいところかなと思います。前から知ってはいましたけど、同じチームになるとかはなかったので、デンチャレが最初です。

吉尾:そうですね。

 

――お互いにどのような印象をお持ちですか。

井上:法政のキャプテンもやっていてすごいと思いますし、技術や足元のテクニック、あとは守備で体を張るところが一緒にプレーしたり相手にする中で脅威だなと感じました。

吉尾:樹と直接対決ってこれまであったっけ。

井上:そんなにしてないね。

吉尾:そこまで直接は対戦してなくて、もちろん見てましたしプレーは知ってましたけど、デンチャレで一緒にやってみて後ろでの体を張るプレーや安定したビルドアップなどもそうだし、明治特有のしっかりした人間性も頼もしくて一緒にいて素晴らしいキャプテンだと思いました。

 

――それぞれ大学への進学理由を教えてください。

井上:サッカー面はもちろん、人間的なところが当時は高校卒業したばかりでまだまだ未熟だと感じていて、そこを伸ばせる環境が整っているのは明治だと思ったので、自分から足を踏み入れました。

吉尾:自分はそこまで自己分析はしてなかったし、大学に関してはそこまで調べてなかったです。ただ、常に日本一を争っているチームが法政で自分も名前を知っていたのと、マリノスユースの先輩も毎年のように受けていたので自分も受けようと決めました。

 

 

――入学後のチームの印象はいかがでしたか。

井上:人間性のところ含め、全員が立場関係なく勝利を目指してチームのために頑張るというところに衝撃を受けましたし、練習の強度や質、規律にもこだわっているところにも衝撃を受けたので1、2年生は付いていくだけで必死でした。今は伝える立場になったので大事にしているところは後輩に伝えていこうと思っています。

吉尾:入った印象としては、上下関係があまりないというかみんな仲が良くてとてもいい雰囲気だなと感じました。1年の頃は仕事も多くて正直言えば辛い時期もありましたけど、それも意味のあるものだと受け入れてやりました。それが今となっては横のつながりという意味でも高い基準で人間性の部分も成長できたと思うし、先輩も尊敬できる先輩が多くて、初めての寮だったんですけど先輩と関わることも多くて、いろいろと会話して盗むものも多くて成長につながる時間だったかなと思います。

 

――主将就任の経緯を教えてください。

井上:自分は立候補もしましたし、同期の全員が後押ししてくれたのもあったのでなった形です。

吉尾:自分は1年の頃から学年ミーティングとかで仕切ることも多くて、高校の時キャプテンをやっていたのもあって任されることが多くて、最初はやらされている部分もあったんですけど、だんだん覚悟を決めて最終的には立候補したという形です。

 

――主将ならではの苦労があれば教えてください。

井上:やはり伝えることの難しさというか、後輩に伝統や明治で大切にしていることを伝えるところに難しさは感じています。それは言葉で伝えるのはもちろんですけどプレーとか行動とかいろいろな伝え方があると思うので、上級生中心に試行錯誤しながら頑張っています

吉尾:自分は一番は結果につながらないというところを迷いながらやっています。どこを修正してどこを継続していくのか、どのタイミングでどういったミーティングをするのかなどを結果にどうつなげていくのかというのを考えています。こんなに結果が出なかったことが初めてで、ましてや自分がキャプテンでいろいろやらないといけない立場の中でこういう結果になっているので、常にチームを分析しながら行動に移しているという感じです。

 

――主将としてお互いに聞いてみたいことはありますか。

吉尾:同期に苦労したことはあるかとか聞いてみたいです。

井上:ありますね。4年生が背中見せないといけないし、もちろん4年生がやるのは当たり前でその上で背中で見せていくべきなのに、違う方向に行くメンバーが出た時に難しさを感じます。あとは進路が決まる決まらないなどそれぞれ悩みを抱えてるので、そことの兼ね合いもあって苦労したことはあります。

 

――井上選手は、吉尾選手に対して聞きたいことはありますか。

井上:下級生に対してどういった指導をしているか聞きたいです。

吉尾:今季のやり方としては、色々縦割りをつくるという今までにないようなやり方をやっています。試行錯誤しながらやっているのですが、普段からよく話して下級生の雰囲気や変化に気づいてあげる、言いやすい環境を作ることも意識しています。厳しく言うところもありますが、常に上級生だからと言って壁をつくるのではなく、場合によっては対等になって、言いやすい環境をつくっています。

 

――それぞれ相手チームについてどのような印象をお持ちですか。

井上:常に関東リーグや大会で上位にいて、いい成績を収めていて、いい選手や能力の高い選手がそろっている印象があるので対戦時は毎回苦戦している印象があります。

吉尾:同世代の中でも名の知れた選手が多くいて、なおかつうまいという印象です。明治で鍛え上げられた人間性や規律の上で、さらにパワーアップした姿が印象的です。毎年明治とやる時は、法政の選手たちも勝手にモチベーションが上がります。

 

――ここまでの今シーズンを振り返っていかがですか。

井上:自分たちが最初に思い描いていた結果が出ていないという事実に、自分自身責任を感じていますが、そういう反省を生かして一戦一戦勝つしかないです。どのような試合になっても勝つことが求められているので、チームとしてそれは毎日言っていますし、そういうイメージを持って取り込んでいます。

吉尾:蓋を開けてみれば現実を突きつけられたようなシーズンです。思い描いていたような結果にはなっていませんが、難しいながらでも常にもがきながらやっていますし、毎週勝ちを目指しながらやっています。結果が出ない状況ではありますが、難しい状況の中でも総理大臣杯全日本大学トーナメントでチーム一丸となって準決勝まで行けたというのは、次につなげないといけないです。リーグ戦再開後の日大戦では負けてしまいましたが、常に次の試合につなげられるようにという意識で毎日準備をして、毎週勝つために取り組まないといけないなと感じています。

 

――残りのシーズンに向けて意気込みをお願いします。

井上:とにかく明治のために戦って、明治に何かを残せたらという気持ちです。

吉尾:自分たちは順位を見ても崖っぷちですし、降格もすぐそばにあります。一戦一戦、一日一日危機感を持ってやっていくことと、ここで4年間お世話になったので、最後に最悪な形では終わりたくはないので、1部に残るためにチーム一丸となって自分が中心に頑張らないと思っています。

 

――明法戦の印象をお聞かせください。

井上:ギリギリなイメージがあります。今回もそうなるかもしれないですし、ちょっとした所で勝敗が決まると思うので、そういう細かいところをこだわり持っていきます。また、勝ちへの執念というところで負けないようにしたいなと思います。

吉尾:1年の時から見ていますが、法明戦となるとピッチに立つ選手たちはより一層動きのキレが良くなってバチバチにやっているイメージがあります。明治相手だとモチベーションが勝手に上がる〝特別な相手〟だと思うので、週の初めからかなり気合が入って準備に向かっていますし、明治に対しての勝利はとても大きいものなので、次の法明戦は勝てるように一生懸命取り組みたいと思っています。

 

――主将から見たキープレイヤーは誰ですか。

井上:明治は誰が出るかわからないです(笑)。誰が出ても勝つのが明治、立場関係なくやる、それが明治なので。

吉尾:自分もそう言いたいのですが、ここはスーパールーキーの小湊絆(スポ1=青森山田)ですかね。チームを助けるゴールを何点も決めてくれて、1年生ながら頼もしいストライカーなので、小湊に期待してほしいです。

 

――逆に警戒している選手はいますか。

井上:小湊選手です。どういった選手かまだわかりませんが、マッチアップすると思うので、そこは十分に気をつけないといけないと思っています。

吉尾:明治は全員警戒していますが、中村草太選手(政経3=前橋育英)はゴールやアシストとゴールに直結するプレーが多いと思いますし、今ノリに乗っていると思うので、そこは特に警戒しないといけないなと感じています。

 

――明法戦に向けて意気込みをお願いします。

井上:とにかく全員で同じ方向を向いて、法政に勝つために、運営、応援、ピッチに立つ11人、ベンチ全員で全力尽くして絶対に勝ちます。

吉尾:もうやるしかないので、どんな相手でも勝たないといけないのですし、明治となるととても気合が入ってモチベーションも高まります。それくらいやらないと戦えない相手で、ちょっとでもスキを見せたら負けてしまうので、常に緊張感を持って最終的に自分たちが勝って喜びたいなと思っています。

 

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[明大スポーツサッカー部担当、スポーツ法政サッカー部担当]