(113)夢の舞台 箱根駅伝出場へ/箱根駅伝予選会展望

2023.10.13

 記念すべき第100回目となる箱根駅伝(以下、箱根)に明大が姿を見せないわけにはいかない。まずは箱根駅伝予選会(以下、予選会)の突破が不可欠だ。今年度は全国の大学が出場資格を有し、史上最多の57校が本戦出場を目指す。例年よりも3校多い上位13校の枠を狙う白熱した戦いが予想される中で予選会を通過し、箱根路への切符を手にしたい。

 

 今年度も明大の主力の一人としてチームをけん引してきた児玉真輝(文4=鎌倉学園)は、ケガからの復帰を果たし「夏合宿が終わるまでは我慢の時期だと思うので、我慢した分を予選会と本戦で放出したい 」(児玉)と調整を重ねてきた。斎藤拓海(政経4=市立船橋)、杉彩文海(文4=鳥栖工)も最後の予選会となる。駅伝シーズンを最後まで生き残るためにここで負けるわけにはいかない。甲斐涼介(情コミ3=宮崎日大)、鈴木祐太(文3=鎌倉学園)、溝上稜斗(商3=九州学院)らはハーフマラソンや大会への出場経験を積み、昨年度の同時期よりも一皮むけた走りが見られるだろう。夏合宿では「他大学や実業団の選手と勝負する中で主力としての自覚が芽生え、自分が引っ張る立場になったと思うことが増えた」(溝上)と上級生としての自覚が生まれた。

 

 4年生が多くエントリーした昨年度と打って変わり、下級生が多くエントリーを果たした今大会。最多出場人数を誇る2年生からは選手層の厚さが感じられる。昨年度箱根出場を果たした吉川響(文2=世羅)、堀颯介(商2=仙台育英)、森下翔太(政経2=世羅)はさらにレベルアップした走りを目指す。「もう一度山登りをしたいと思っているので、山対策をしてシード権獲得に貢献できるように頑張りたい」(吉川)、「2区でチームの主戦に貢献したい」(森下)と先を見据え準備に余念はない。その他にも「夏合宿が終わってからもしっかりと調子を上げている。2年生の中で一番強いと思う」(堀)と多くの選手から期待の声が上がる古井康介(政経2=浜松日体)、ケガを治し駅伝シーズンへ本腰を入れる山本樹(営2=専大松戸)、関東学生対校選手権以降も努力を重ね、力を伸ばす窪田悠人(政経2=沼津東)が名を連ねている。また、1年生ながらエントリーメンバーに選ばれ、初のハーフマラソン出場となる綾一輝(理工1=八千代松陰)、大湊柊翔(情コミ1=学法石川)。彼らも積極的な走りでチームを盛り上げ、本戦出場への貢献を目指す。未来のエース候補である下級生の走りにも注目だ。

 

 全日本大学駅伝出場の機会を逃した5カ月前。苦汁をなめた選手は箱根駅伝に照準を合わせて、猛暑の中の夏合宿を乗り越えた。100回記念大会による規定の変更や駅伝監督交代など例年と違った面もあるが、彼らの〝いつも通り〟の走りで予選通過を果たし、箱根路を駆け抜けたい。古豪復活に向けて、明大の威信をかけたレースに臨む。

 

[熊谷実夏]