白崎望愛 両親と共に歩んだテニス人生 新たな幕開け

2023.09.26

 テニスに挑む最後の4年間。白崎望愛(法1=仁愛女子)は、高校時代に主将を務め団体戦で全国ベスト16へと導いたリーダーシップを持つ逸材だ。得意とするプレーは粘り勝ち。強健な精神力と力強いプレーで明大硬式庭球女子部を王座初出場へと導く。

 

負けず嫌いの精神

 自分の性格を一言で表すと「負けず嫌い」。劣勢のときほど自分のプレーができるのが彼女の強みだ。強靭(きょうじん)なメンタルと体力の裏側には、両親の支えがあった。兄の影響で小学2年生からテニスを始めた。当時は「テニスウエアを着ることにわくわくしていた」。心の底からテニスを楽しんでいたと振り返る。両親は試合結果に関係なく成長した点を褒めてくれた。それが積み重なり自信へとつながったのだ。

 

心身鍛えた三年間

 地元で活躍がしたいという思いから、福井県の仁愛女子高等学校に進学。小学生の頃から指導を受けていたコーチや両親のそばでプレーすることを決断した。

高校1年次、テニス人生に歯止めがかかる。「この先もここまで落ちることはない」。当時のチームは全国選抜高校大会(以下、選抜)で団体3位という好成績を収めたが、勝利へ貢献できず、素直に喜べなかった。そんなときでも一番の支えとなったのは両親の存在だ。理想とするプレーができず、涙を流し「辞めたい」が口癖の日々。それでも両親は反対や深入りすることなく、いつも話を聞き味方でいてくれた。両親のサポートで調子を取り戻した白﨑。高校2年次の夏には主将に任命され、チームの先頭に立つ存在となった。チームの雰囲気を保つため、両親に支えてもらったように仲間に声を掛けた。主将として臨んだ選抜。得意の粘り強いプレーを披露し、幼馴染に初勝利。チームは団体戦で選抜ベスト16の成績を残す。1年前の結果を超えることはできなかったが、自身の成長を感じることができた。

 

新たなテニス人生

 「両親は自分のことを一番に考えて生活してくれていたんだなと思った」。両親の元を離れプレーを始め、改めて痛感した。大学で現役生活に幕を閉じる白崎。支えてくれた両親へ恩返しをするため、後悔なく競技人生を締めくくるために死力を尽くす。座右の銘である〝初志貫徹〟を胸に取り組む最終章。明大硬式庭球部で有終の美を飾る。

 

[髙橋未羽]

 

(写真は本人提供)

 

◆白崎 望愛(しらさき・のあ)法1、仁愛女子高。趣味は格闘技観戦。「テニスの試合を見るより好き」。164センチ。