(14)シーズン直前インタビュー 堀義正

 長いオフシーズンを越え、ついにシーズンが開幕する。今シーズンからは部練を積極的に取り入れ例年以上に結束力の強いチーム明大。日本学生氷上選手権(以下、インカレ)の連覇、そして各選手が掲げる目標の達成に向けて何を思うのか。本インタビューではそれぞれの選手の思いをお届けする。

 

(この取材は9月4日に行われたものです)

 

第10回は堀義正(政経4=新渡戸文化)のインタビューです。

 

――最近の調子はいかがですか。

 「最近の調子はまずまずで、良くも悪くもといったところが目立つのですが、細かいところであったりエッジワークの使い方などは前の試合よりは精度が上がりつつあるのかなと自分では思っています」

 

――げんさんサマーカップが終わってからの期間はどのように練習されてきましたか。

 「大きいことと言ったら明治合宿があったんですよ。強化合宿があって、そこに参加させていただいたことで、チームみんなで練習するわけでモチベーションも上がりましたし、ジャンプ、スピン、ステップの面においても全てがブラッシュアップできたかなと思います」

 

――インスタグラムの投稿などからもチームの仲の良さがうかがえますが、その点に関してはいかがですか。

 「ものすごい仲が良くて、男子と女子で別れるのではなくて男子女子混ざっての仲の良さも目立つところではあると思うので、そういうところも今回練習が一緒で練習時間も多かったです。そういった中で一緒に仲間意識がある中で練習したことで、より一層みんなもやる気、モチベーションとかは上がっていたのではないかと僕の目線からは見えました」

 

――チーム仲の良さというのは例年よりも部練の回数が多いことが要因ですか。

 「そうですね。1カ所に部員全員が集まるということが前はほとんどなかったので、そういう機会を作ることで、みんなホームリンクが違うので1カ月後とかにジャンプここまで精度上げてきたんだとか、小さな点だけでもお互いの刺激になると思うのでこういう機会は増やしていこうかなと思っています」

 

――主将としてチーム全体を見ていかがですか。 

 「今ものすごい良い状態で、仲がいいですし、一人に固執した部というわけではなくて部全体で一人一人にいいところがあって、足りないところがあればチーム全体で補い合えるような、一致団結したチームだと自分からは見えます」

 

――主将として具体的にされていることはありますか。

 「前主将の山隈太一朗さん(令5政経卒)みたいな主将としての威厳というのが自分にはまだないんですよ。そういうキャラクターでもないし、そういう風格も元々持ち合わせていないですし。合宿でのミーティングの際に、みんなに対して『山隈太一朗くんみたいに主将たる威厳を見せるよ』みたいな感じで言ったので、今からですよね。インカレに向けて主将としてみんなを支えてあげられるような大きい背中の持ち主になっていければいいなという願望ですね」

 

――昨シーズンを振り返っていかがですか。

 「全試合ボロボロではあったのですが、反省点がしっかり残るような試合が多かったと思います。ラストシーズンになるのですが、悔いのないように。やり切れなかったという思いを残さないように昨シーズンがあるから今年頑張れたよねというシーズンにしたいです」

 

――シーズン後インタビューの際には『ジャンプを戻したい』とおっしゃっていましたが、ジャンプの調子はいかがですか。

 「正直そこまで大きな変化はないのですが、最初の方に言った通り細かい精度とかは上がってきていると思います。そういうところを上げていくと、成功確率とかそういうところにも直結してくるかなと思うので、地道な努力というのを残り少ないオフシーズンで決めていければいいかなという感じです」

 

――スピンやステップなどに関してはいかがですか。

 「スピンは明治合宿でかなり監督から強化してもらって実践しているところもあるので、まずまずだとは思います。ステップとか表現面に関しては、まだ曲に食われている感じが自分の中に残っているので、1カ月かけて自分になじませていければいいかなという風に思っています」

 

――SP(ショートプログラム)は、今シーズンから新たにプログラムを変更されていますが、その点に関してはいかがですか。

 「前回のインタビューでもお話しさせていただいた通り思い出のあるプログラムではあるので、そういうことを考えても、ノーミスはしたいですし、まだ全然自分の中ではSPは滑り切れていない実感はあるので、シーズン初戦までには滑りこなして、シーズンを通してより良いプログラムにしていければいいかなという風に思っています」

 

――衣装は何かイメージされているものはありますか。

 「自分の使ったことのない色を使いたかったので赤というのを相談させていただいてチョイスはしました。特に意識とかは持っていなかったんですけど、直感みたいなところがあって、色を見せてもらったときに『この色いいわ』ってなってそういう感じなんですよね。あえて言うなら、『My Way』という曲で、ジプシー・キングスという方たちが歌ってて、それが結構ラテン調なので、カラッと爽やかではあるけど情熱的に見せたくて赤みたいなのはあるかなと思います」

 

――SPFS(フリースケーティング)、それぞれの仕上がり具合はいかがですか。

 「SPは仕上がり具合で言ったら6、7割ぐらい。FSに関してはまだまだ5割、6割ぐらいです」

 

――SP、FSの今できている点と、これから仕上げていかないといけない面をそれぞれお願いします。

 「SPに関してはジャンプがハマるようになってきました。強化していかないといけないなと思う点はスピード感であったり、軽快さがまだ足りないので、そういうところを強化していきたいなと思います。FSの方はもちろんジャンプもそうですし、ステップもそうですし、SPをやりすぎて、まだFSの方がそこまで練習できていないです。本当に今日明日からはFSの方をものすごいかけて、強化していってというところですかね。だからFSは、いいところといえばスピンがちゃんとできているぐらいで、今から全部やっていかないといけないという感じなのでちょっと焦りはあります」

 

――SPとFS、それぞれの見どころをお願いします。

 「何と言ってもSPは、スピード感が途切れないところですかね。ずっと動いてステップを踏んでいるところが見どころかなと思います。FSの方が結構タフなんですよね。途切れないステップなので、FSもSPも頭から終わりまでずっと途切れないステップというところが見どころではあるかなと思います」

 

――シーズン開幕を控えての今の心境はいかがでしょうか。

 「割と落ち着いていて、ラストシーズンということもあるんですけど。だからこそ緊張とかもするかなと思うんですけど、今まで以上に楽しんでいきたいなと思っています」

 

――今シーズンの目標をお願いします。

 「全日本選手権に出場して笑顔で終わりたいので、全日本選手権に出場することです」

 

――最後にファンの方へメッセージをお願いします。

 「僕が大きい試合に始めたのが大体小学校2年生からなので、その頃から応援してくださった方もいますし、僕のことを途中で見つけてくれて応援してくださった方もいますし、いろんな方が僕のスケート人生に関わってくださって、応援してくださってとても感謝しています。ラストシーズンに懸ける思いは特にはないんですけど、いいものをお見せして最後に皆さんにも笑顔で終わって送り出してほしいので、ラストシーズンに悔いのないように頑張ります。応援よろしくお願いします」

 

――ありがとうございました。

 

[冨川航平]

 

(写真は本人提供)