(11)シーズン直前インタビュー 堀見華那

 長いオフシーズンを越え、ついにシーズンが開幕する。今シーズンからは部練を積極的に取り入れ例年以上に結束力の強いチーム明大。日本学生氷上選手権(以下、インカレ)の連覇、そして各選手が掲げる目標の達成に向けて何を思うのか。本インタビューではそれぞれの選手の思いをお届けする。

 

(この取材は9月7日に行われたものです)

 

第7回は堀見華那(商3=愛知みずほ大瑞穂)のインタビューです。

 

――最近の調子はいかがですか。

 「60パーセントぐらいです」

 

――60パーセントは理想的な調子なのでしょうか。

 「昨シーズンの今ごろよりはいい感じで、プログラムに入れようと思っているジャンプは跳べるのであとは曲で跳べるようにするだけという感じです」

 

――スピンやステップはいかがですか。

 「スピンは昨シーズンよりは良くなっていて、ステップもSP(ショートプログラム)は継続なのでSPは動けるようになってきています。FS(フリースケーティング)は今年作ったので今はFSの比率を多くして練習しています」

 

――最近はどのような練習をしていますか。

 「最近は朝と夜の2回練習しています。夏休みはとりあえず1日にSP、FS1回ずつはジャンプ入れる入れない関係なしに曲を1回通して体力をつけるようにしています」

 

――体力はもう心配ないですか。

 「FSはまだ後半の方はしんどいです。SPはいいんですけど、やっぱりFSがずっと私の課題なのでそこを重点的に練習しています」

 

――オフシーズンの間はどのような練習をしていましたか。

 「オフシーズンも特に何かが変わったというわけではなくて、朝練習行って昼間学校がない時は昼間少し滑って、また夜。オフシーズンの時、5月6月ぐらいはジャンプの調子が全体的に良くなかったので、まず跳べるように戻すというところでジャンプはいっぱいやっていました」

 

――ジャンプの調子には波がありますか。

 「いつも波がありますが、6月ぐらいにちょっと感覚が良くなってきて、ちょっと体調悪いというか体の調子悪そうだなというときも全く跳べないということはなくなりました」

 

――これまでは体の調子が悪いときは跳べなかったですか。

 「ずっと去年の11月ぐらいから足が痛かったのもあったりして、全然トリプル一つも跳べていない時があったのでそこから戻すのを、ちょっとしたスランプみたいになっていて、そこから頑張ってオフシーズンの間に戻そうと思って前向きにやっていました」

 

――今はトリプル何種類跳べますか。

 「4種類跳べます。でも今度の試合で入れようと思っているのは3種類でそれでしっかりまとめられたらいいなと思っています」

 

――どんどん構成は上げていくのでしょうか。

 「上げられたらいいなと思っています。ただ、やっぱりミスをしないことが大事だと思っています」

 

――昨シーズンを振り返っていかがですか。

 「昨シーズンはその時はすごく一生懸命やっていたんですけど、今振り返るとモチベーションがちょっと下がっていたというか『インカレも自分は出られないし』みたいな感じでした。足が痛かったのもあってどうしようというのをずっと抱えながらやっていて、あまり練習に集中できなかった部分もあったので、なんとなく模索している間に終わってしまった感じです」

 

――今のスケートをやるモチベーションを教えてください。

 「今のモチベーションは今シーズンは自分が頑張ればインカレに出られそう、人数も少なくなったので出られるのではないかなと思っているので、それに出たいなと思っています。あと2年しかなくなってきたというのがあって、モタモタしている場合ではないというか、あと2年しかないんだからスケートに全振りして。昨シーズンまでは学校のこととか遊びのこととかいろいろなものに手を出してしまったので、今シーズンはスケート比率を上げてスケートに集中しようというのができています」

 

――大学卒業の時期に引退することは前から決めていましたか。

 「大学に入った時は全然これから大学だから引退とかいう文字は全然なかったんですけど、やめるなら4年生でやめようかなぐらいでした。4年生で競技を続けるというのも自分の身体的にも大変だし、違う世界を見たいなという気持ちの方が今は高まってきたので、大学4年生で後悔なくというかやり切ったと思えるようにこれから頑張りたいと思っています」

 

――2年生のときよりもスケートの比率を上げた理由やそのきっかけを教えてください。

 「シーズンが終わった時に、昨シーズンの試合がうまくいかないことの方が多くて、それはなんでだったんだろうというのを考えました。シーズンの時は試合ばかりでとりあえず滑って練習するしかない感じなので立ち止まって考える時間はあまりないですが、終わってから考えた時に朝と夜練習は行っているけれど、氷の上に乗ってるだけだなというのを感じました。毎日ちょっとしたことでも、例えば『このジャンプを3回連続で降りる』とか小さい目標でいいから一つずつ一日一日目標を立ててやっていることがないからただ滑っているだけかなとなり、それは結果もついてこない練習をしていたかなと思いました。昨シーズンは、日中は学校にも行っていましたが遊びにも行ってとかゼミのこととかで、他の陸のトレーニングとかそういうのを全くやっていなくて。他にももうちょっとできた、高校生の時はもうちょっとやっていたなみたいなのがありました。上京する前はお母さんとかが全部連れて行ってくれていたりサポートしてくれていたので、自分で行こうとすると足が重たくなるところがありました。そういうのを1回見直したところがきっかけで『このままじゃダメだしこんな感じで終わりたくないな』と思ったのでそこがきっかけです」

 

――今のスケートの強みを教えてください。

 「楽しそうに滑るところですかね(笑)。ジャンプとかは全然自分にあまり自信がないので、ジャンプとかそんなにできないですけど、それでも他のジャンプ以外のスピンとか、右回りをやっている人はあまりいないと思うし、そうですね。すぐスピンとかも対応できるバリエーションを持っていたりとか、あとはまあどんなことがあってもスケートを好きって思っているので、それで楽しく毎日練習して諦めないということですかね。ちょっと難しいですね(笑)」

 

――SPは継続の中で昨シーズンから変えた部分はありますか。

 「昨シーズンから変えた部分はスピンです。一つレベルがこのままだと4にならないというのを見つけたので、ちょっと変えただけですね。でも試合の前に1回ブラッシュアップで振り付けの先生に見てもらうので、試合直前ですけどこれからやる予定です」

 

――表現面に関してはいかがですか。

 「表現面はジャンプもそうなんですけど、表情とか顔の向きとか、練習のことが試合に出ると思っています。今年はビデオを撮って客観的に見るというのを昨シーズンよりやっています」

 

――それによる変化はあったのでしょうか。

 「自分でやっている感じだと音に合わせてやっているけれどちょっと遅れていたり、もうちょっと早く、早く動いているつもりだけど見てみたら全然遅いみたいなこともあるので、そこは良くなったかなと思います。気付くということがまず大事なので」

 

――今のSPの仕上がり具合はいかがですか。

 「SPは毎回ノーミスできるわけではないですが、たまにノーミスができる感じで、80パーセントぐらいですかね。この間のげんさん(げんさんサマーカップ)はけっこうSPが良くて、スピンでレベルが取れていなかった部分があったので、そこを直して、ジャンプは日によるので『今日跳べない、今日は跳べる』とかそういうところに一喜一憂せずに試合に合わせられたらいいなと思っています」

 

――東京選手権(以下、ブロック)までにどれぐらいまで持っていきますか。

 「ノーミスできると思うのでSPはノーミス目指しています」

 

――FSの曲名と選んだ理由を教えてください。

 「曲は『ラ・ラ・ランド』で選んだ理由としてはいろいろな人が滑っていて、それを見るとやっぱりいいなというのと曲がすごく好きで、好きなものを。今まではちょっと違うやったことないものを選んでいましたが表現が難しかったりとか、自分の滑りに合っている曲とか好きなものだと心から楽しんで滑れるのでそっちを今回は重視して選びました。最近『ラ・ラ・ランド』を使う人がすごくいっぱいいるというわけではないので、いいかなと思いました」

 

――プログラムの見どころを教えてください。

 「中盤に長めのイナバウアーが入っていてその時に音にも合っているので、そこが一番の見どころです。昨シーズンよりはイナバウアーが長めに入っているのであとスパイラルやコレオシークエンスです。そこまではゆっくりな感じでずっと曲調がスローで最後にステップで終わりますが、そこはけっこうノリノリで楽しく元気にという感じの曲を入れていて、そのメリハリがポイントです」

 

――今の仕上がり具合はいかがですか。

 「FSは50パーセントぐらいですね」

 

――ノーミスはまだという感じですか。

 「そうですね、まだノーミスはしてなくて最初にループが2本入っていますがそこが鬼門で全然跳べないんですよ。いつも曲がない時に2本続けて跳ぶ練習をしていますが、曲ではやっぱりなぜかタイミングが変わっちゃったりとか、やるぞという気持ちが強過ぎるので軽く跳びなさいといつも言われます」

 

――そこを跳べなかったら後に引きずるのでしょうか。

 「後半はコレオシークエンスを挟むのでけっこう切り替えやすいプログラムだなと思っているのでそこまで引きずることはないです。あとは体力、後半のジャンプは絶対体力だと思っているので、そこは何回も何回もやるしかないです」

 

――ブロックまでにどれぐらいまで持っていきますか。

 「ブロックはループ絶対1本目は降りたくて、2本目は降りられたらいいなという感じで。後半はそんなに難しいジャンプは入っていないので、1ミスぐらいで、あまりノーミスって言うと意気込んでしまうので1ミスぐらいで収められたら。次東日本(東日本選手権)に進むことが目標なので、1ミスまでならセーフかなと思っていますが、気持ちはノーミスででもそんなに意気込み過ぎずにいきたいなと思っています」

 

――明大合宿の雰囲気はいかがでしたか。

 「合宿はすごく昨シーズンよりきつくて滑る時間が倍でみんなヘトヘトという感じでした。1年生が入ってきて去年多かった4年生が抜けたので、人数が少なくて寂しい感じがありました(笑)。人数が少ないから練習時間が多くなったというのもあって、去年まで分けていたところを分けると少なくなるからみんなでやろうみたいになって、みんなで全部の時間を滑るという感じで、1日6時間とか滑ってみんなヘトヘトでした(笑)。でもみんなけっこう仲良くなったかなと思います。1年生の2人もけっこうしゃべりました。女子男子でそれぞれみんな同じ部屋だったので」

 

――今の明大の雰囲気はいかがですか。

 「雰囲気はいいと思います。部練の時もみんな集中してしゃべったりするわけではなく、けっこう部練は積極的にみんな参加してくれるし、部での取り組み、合宿とかに関してもけっこう前向きでいいと思います。あまり部練しか集まる機会ないですけど、楽しくやっています」

 

――夏休みらしいことはしましたか。

 「この間友達とドライブに行きました。(ドライブお好きですよね)ドライブ好きです。運転免許を取って今は車があるので車で練習に行ったりとかしています。けっこう運転する機会が多くなって、この間はさわやか(げんこつハンバーグの炭焼きレストランさわやか)を食べに行きました」

 

――3年生でキャンパスが変わってから神保町でどこか行きましたか。

 「ご飯屋さんが多いですよね。週に1回友達とご飯を食べる機会があってそのときに、何回か開拓しようとなってカレーを食べに行ったりとか喫茶店に行ったりとかしました」

 

――シーズン開幕を前に今の心境を教えてください。

 「今は試合が近くなってくるとできなかったときにすごく焦りみたいなのが練習の中で出てしまって、そこからどうしようとなると全然何も跳べなくなってしまったりとかもありますが、あまり考え過ぎてもよくないよというのも言われたので、あまり『試合だ』みたいな感じに思わずに毎日の目標を、1日を進んでいって試合に挑みたいなと思っています」

 

――今シーズンの目標を教えてください。

 「今シーズンはインカレに出場して大学の成績に貢献することと、FSを今まであまりノーミスしていないのでFSノーミスしたいです。それをクリアして全日本(全日本選手権)が見えたら、行けたらいいなとは思っていますが、とりあえず今自分のできる最高の演技というのを1回でもいいのでやるというのが目標です」

 

――ありがとうございました。

 

[堀純菜]