
(86)日本インカレ事後インタビュー⑤/清水海地
大学陸上界の頂点を決める日本学生対校選手権(以下、日本インカレ)。明大は短距離部門と競歩部門から9人の選手が出場を果たした。その中でも特に短距離部門の活躍が光る結果に。2種目で明大記録を更新し、4×100メートルRでは3位入賞を果たすなど全国の舞台で戦える実力を証明した。今回はレース後のコメントをお届けする。
第5回は清水海地(理工4=長野日大)のインタビューです。
男子1万メートルW決勝13位 44分59秒50
――レースを終えての感想をお願いします。
「環境的には結構厳しくて、暑いし湿度も高かったんですけど、まずは引退レースで最後まで歩き切れたので良かったです」
――レース展開の振り返りとしてはいかがでしょうか。
「練習の時点で少しスピードには不安があったんですけど、 環境的にも最初のスタートのペースがきつくて、集団がそこからさらに上がった時にもついていけないなっていう判断でした。それでばらけたところの中で自分に合うペースを判断して、そこで落ち着いたって感じです」
――合宿には参加せず東京に調整されていました。直前のコンディションとしてはいかがでしたか。
「あまり気負わずにこのレースを楽しみにやってこられたなというのがあるんですけど、結果から言うとちょっと準備不足っていうのがあります。ただ、気持ち的には充実した準備ができたと思います」
――自分の良さが出せたポイントはありましたか。
「大崩れしない部分では、しっかりとペースを前半のところからの判断で抑えて、最後まで歩き切れるようにペースを調整した部分は今までの経験が生きたのかなと思います」
――引退レースとしてどんな思いで臨みましたか。
「これが引退だなという実感がなくて、いつも通りみたいな気持ちで臨みました」
――4年間の明大での取り組みを振り返ってみていかがですか。
「競歩を始めたのは高校からだったんですけど、大学に入ってから自分で考えて行動して、それを分析して次に生かしていく力が付きました。自分で主体的に道筋を追って物事に取り組んでいく力を4年間で培えたなというのが振り返ってみて思います」
――今年度の競歩ブロックはどんなチームでしたか。
「明治の競歩ブロックは若い選手のポテンシャルが高くてフレッシュな感じのチームで、ルーキーがポテンシャルを持っているチームなのでこれから伸びる可能性は大きいと思います」
――明大の集団での応援はどのように聞こえていましたか。
「引退レースでこうやって応援してもらいながら歩くというのが本当に最後だったので、その応援を聞いてかみしめながらレースをしました」
――古賀友太選手(令4商卒・現大塚製薬)がいらっしゃいましたが、何かお話などはされましたか。
「古賀さんがちょうど合宿で来てくださっていました。アップの時から招集までずっと付いてきてくれて、激励してくれてやる気を出してくれました」
――一番思い出に残っているレースは何でしょうか。
「一番は大学3年生の関東学生対校選手権(以下、関東インカレ)で、濱西さん(諒・令5文卒・現サンベルクス)が1番で、僕が4番で、 近藤が6番でトリプル入賞を1部でできたというのが一番記憶に残っています。古賀さんが前年までいて、古賀さんと濱西さんがチームを引っ張ってくれていたんですけど、古賀さんが卒業した後に『翌年の関東インカレ本当に大丈夫?』みたいな雰囲気がありました。そういうプレッシャーの中で3人で同じ方向を向いて関東インカレに臨めて、3人で入賞できたというのは本当に今でも思い出に残っています」
――今後は競歩に完全に関わらない形でしょうか。
「選手としてやることはないんですけど、時間があったりしたら選手以外の関わり方というのはスポーツではできるので、後輩に教えたりサポートしたりという部分で貢献できると思うので意識していきたいなと思います」
――園原健弘監督やコーチ陣を始めとしたスタッフの方々へのコメントをお願いします。
「高校の時は自分は本当に力がなくて、明治に入れるような実力を持っているような選手ではありませんでした。しっかり1年生の時から育ててもらって、競技者でもあり大人として育ててくれたという部分と、最後のこのレースは結果よりも、自分で納得のいくレースをして楽しんでと言ってくださって、その言葉があってすごくこのレースを楽しもうという気持ちで取り組めたので、最初から最後まで感謝の気持ちです」
――理工学部で学業と競技の両立が求められたと思います。どのように工夫をされてきましたか。
「自分が大事にしていたのは勉強も競技も切り離すんじゃなくて、勉強を頑張るからこそ競技も頑張れるし、競技で身につけた計画力や継続力は勉強にも応用できるので、あまり分けずにうまく高め合いながらできたかなと思います」
――今後の競歩部門を担う後輩たちに期待することは何でしょうか。
「自分と比べてもみんなポテンシャルが高い選手たちで、今はちょっと苦労している選手もいると思います。ただ、苦労しながらやっていってその中で強くなっていくので、つらいこともあると思うんですけどしっかり頑張って、ぜひ世界の舞台に立ってくれる選手がいるとうれしいです」
――後輩や明大競走部に向けてエールをお願いします。
「競技者としてだけではなくて、1人の人間として、社会に出る一歩手前の段階としての成長を、競走部で仲間だったり指導者の方々と活動する中で身につけさせてもらえたので、これからそれを社会に出ても自分の武器にできるように、この経験をしっかり身につけてやっていきたいと思います。ありがとうございました」
――ありがとうございました。
[桑原涼也]
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