(5)シーズン直前インタビュー 菊地竜生

 長いオフシーズンを越え、ついにシーズンが開幕する。今シーズンからは部練を積極的に取り入れ例年以上に結束力の強いチーム明大。日本学生氷上選手権(以下、インカレ)の連覇、そして各選手が掲げる目標の達成に向けて何を思うのか。本インタビューではそれぞれの選手の思いをお届けする。

 

(この取材は9月13日に行われたものです)

 

第1回は菊地竜生(政経1=目黒日大)のインタビューです。

 

――大学生活はいかがですか。

 「大学に入って勉強などすごく大変な部分もありますが、勉強を通してスケートにも生きているなと思います。気持ちの面で、何事にも真剣に取り組むっていう姿勢がスケートにもすごく通じるなと感じます。また、ユーチューブを姉と一緒にやっているのですが、スケートのことだけではなく、明治大学で学んだ知識なども生かしてさまざまなことを発信していくために頑張っています」

 

――大学の授業でどういったところに関心がありますか。

 「具体的な内容というよりかは、大学での学び方といいますか、コミュニケーション能力やプレゼンテーション能力などを養って将来に生かしていきたいなと思っています」

 

――大学に入って、これまでとは変化したことはありますか。

 「リンクを移籍したということがあって全く新しい環境でやっています。最初は慣れなくて、大学も新しいリンクも慣れるのはすごい大変だなというのは感じていたのですが、今5カ月たって慣れてきたのでそこは良かったと思います」

 

――大変だったことはありましたか。

 「去年の全日本から強化選手を外れてしまい、NTC(競技別強化拠点)が使えないということもあって練習量が減ったりなど大変な部分もありました。でも最近は勉強とも両立しながら神宮外苑スケート場でも一番上のクラスに入れたので、うまくやっていけていると思います」

 

――昨シーズンまでを振り返っていかがですか。

 「昨シーズンからコーチを変えて、自分の足りない部分、スケーティングスキルなどを磨いてきました。『新しい自分』を表現してそれを試合で発揮できるようにしていきたいと思っています」

 

――新しいコーチの方や振付師の方に関してはいかがですか。

 「振り付け師の方も今まで1人の方にずっとやっていただいていました。(今シーズンから変更になって)挑戦というか、新しい自分を見せられるように頑張っていきたいなという気持ちがあります」

 

――8月には明治大学のチームメイトと合宿がありました。得られたものはありましたか。

 「やはり先輩方と一緒に練習することができて、佐藤駿(政経2=埼玉栄)先輩などの滑りを近くで見ていてすごく自分の練習のためになると思いました。自分にすごいプラスになったので、そういったところで今後試合でも結果につながっていけばいいなと思います」

 

――どういったところがプラスになりましたか。

 「ジャンプもそうなんですけれど、経験や表現力、手や体の使い方が自分に足りないものだと思っていたので、それを間近で見ることができて参考になりました」

 

――東京夏季大会のSP(ショートプログラム)では『進撃の巨人』の楽曲に乗せた演技を披露されました。選定理由をお聞かせください。

 「元々、『進撃の巨人』というアニメはすごく好きだったというのと、その好きな曲をスケートで表現したいという気持ちがあったので選びました。『進撃の巨人』が好きな方は多いと思うので、そういう意味でもこの演技にしました」

 

――具体的にどういった描写をスケートで表現したいと思っていますか。

 「巨人に圧倒され支配される悲しさや、それに立ち向かっていく勇気などです。そういった感情の浮き沈みを表現したいと思っています」

 

――FS(フリースケーティング)はいかがでしたか。

 「FSはSPとはまた違って勢いのある、力強さのある演技を目標にして滑りました」

 

――改めて今シーズンのSP、FSでの見どころを教えてください。

 「SPは自分の使いたかった、好きなアニメの楽曲を使用します。いろいろな悲しさや怒り、立ち向かう勇気といった感情をしっかり全身で表現していくところが見どころになります。FSはSPとはまた違った味を出して、あふれる疾走感と力強さを表現したいと思っています」

 

――間もなくシーズンが本格的に始まります。現在の調子はいかがですか。

 「4回転もだいぶ安定してきています。試合で4回転とトリプルアクセルをしっかり着氷できるようしたいです」

 

――今シーズンの意気込みをお願いします。

 「今シーズンはジュニアでの出場が最後なので、全日本ジュニア選手権で表彰台に登れるように、悔いを残さないように頑張ります」

 

――ありがとうございました。

 

[橋本太陽]

 

(写真は本人提供)