秋季リーグ戦開幕前インタビュー(前編)/大澤舜主将×新楽圭冬

 勝負の季節がやってきた。昨年度の関東学生1部秋季リーグ戦は3位に終わった明治大学グリフィンズ。今年度は櫻井亮新監督のもと〝ALL GRIFFINS〟を掲げ、甲子園ボウル優勝を狙う。本特集では、チームの核となる6名の注目選手インタビューを前・中・後編にわたってお送りする。

 

 前編はDB#2大澤舜主将(情コミ4=都立三田)、QB#15新楽圭冬(商2=都立戸山)のインタビューです。(この取材は8月29日に行われたものです)

 

――春季の振り返りをお願いします。

大澤 「個人としては春季を通してインターセプトを1本だけ、結構チャンスがあった中で1つしか取れませんでした。最近DBの中でも「もう少しボールをこだわっていこう」というのを言っているので、個人としては足りなかったなと思います。あとはタックルの精度も夏の間でコーチたちといろいろ取り組んできたので、秋はいい形で迎えたいです」

新楽 「2年生が主体となって試合に出られたのが良かったです。個人としても、春シーズンを通して1本目で出場して、精神的にも成長できたと思います」

 

――夏の練習はいかがでしたか。

大澤 「8月の頭には合宿に行くことができて、4年目にして初めての合宿だったのですが、1日をアメフトに注ぎ込むという生活を5、6日間やって、学年やポジションの垣根を超えた信頼関係が構築できたと思いますし、オフェンス、ディフェンス共に夏合宿を通して雰囲気やプレーの面で成長できたと思います」

新楽 「大学に入って初めての合宿でしたし、コーチがいる夏が初めてでした。QBは特にコーチが厳しくやってくれて、練習後もトレーニングしたり練習のちょっとした隙間にも追い込んでくれて、そこは自分たちだけではできなかったものだったと思うので、夏をより濃いものにできて、特に精神的に成長できたと思います」

 

――QBコーチからはどのようなことを教わったのですか。

新楽 「技術的な部分、プレー中の視野であったり、体の使い方を覚えるトレーニングを豊富に教えてくれます。今までは球を手だけで投げている感覚がありましたが、全身を使ったトレーニングをやったことで、少しの力だけで強い球を投げられるようになりました」

 

――お互いの印象はいかがですか。

大澤 「2年生が主将のサポート役に就くのですが、それを新楽もやってくれています。詰めが甘いところはあるけど(笑)。ちょっと気を抜いている時とかは僕が口酸っぱく言うようにしています」

新楽 「いやまあ、愛のムチだと思っています(笑)」

 

――プレーの面ではいかがですか。

大澤 「新楽が1年生の頃は、逃げるのが上手いQBという印象が強く、正直パスの脅威はそれほどありませんでした。でも2年目になってコーチからの教えや、他QBとの拮抗(きっこう)した1本目争いというところに感化され、パスの精度も上がってきて、今年は積極的に奥へ投げるようになりました。かつ、1年目からの走って逃げるというところを武器にしているので、やりづらさを感じるQBかなと思います」

新楽 「大澤さんはパスカバーが上手く、ボールに対する執着心を感じます。空いていると思って投げたら、素早く入ってきてインターセプトされてしまいます。あとは、同じ一般入試で入ってきてキャプテンにまでなったというところは見習っていきたいです」

 

――お二人とも一般入試で入学し、グリフィンズに入部しようと思ったのはなぜですか。

大澤 「7個上の兄が明大でプレーしていて、試合をよく見に行っていて、やりたいなと思っていたからです」

新楽 「僕は全く大学でアメフトを続けるつもりなかったのですが、高校時代マネジャーをやっていた岡田京香(政経2=都立戸山)に誘われて、体験会に行ったらめちゃくちゃ雰囲気が良く、このチームなら楽しいかもと思って入りました」

 

――今年のディフェンスのキーマンは誰ですか。

大澤 「ディフェンスは、DL#99今熊力丸(政経4=佼成学園)とかは有名で実力者ですけど、あとは飛び抜けた才能はいないのかなと。だからこそ笛が鳴るまでやりきって、個人に頼らずにチーム全員で止めるというところを秋のシーズンで見せたいです」

新楽 「DLだったら圧倒的に今熊さんです。ランも完全に止められてしまうし、パスの時も隙間から入ってきてサックされてしまいます。あとはLB#6深尾徹(政経3=啓明学院)さん。パスカバーがうまいのはもちろん、ランへの反応の速さが異常すぎて相手にいたら嫌だと思います。DBには大澤さんがいるので、それぞれのポジションに脅威となる選手がいるのがディフェンスの強みかなと思います」

 

――オフェンスに関してはどうですか。

新楽 「若い選手が多く、特にRB#39廣長晃太郎(商3=箕面自由学園)さんと#21高橋周平(文2=足立学園)のランは見応えがあります。あと今年は体感的に、パスをより多く投げようとしていて、そこは僕とか#13水木亮輔(商2=千葉日大一)のQBとしての技量が試されるところかなと思います。パスユニットの中心はWR#10山口翔(国際4=箕面自由学園)さんで、キャッチが上手いのはもちろん、捕球後のコース取りは見ていてわくわくするし、本当に最後にボールを託せるような存在かなと思います」

 

――やはり山口選手には1番ボールを投げやすいですか。

新楽 「投げやすいです。他にも、WR#19後藤航太郎(政経1=南山)は好きなタイプのレシーバーです。体が大きいのと、少しずれても手を伸ばしてキャッチしてくれるので投げやすいですね」

 

――大澤選手が練習で対戦していて強いと感じるオフェンス選手は誰ですか。

大澤 「1人あげるなら、TE#89金子航大(政経2=千葉日大一)です。身長が高いのでボールの競り合いが強いです。加えて、彼の1番の武器はブロックなのですが、体が大きいし手が長く、つかむ力も強いので当たるとどうしようもできないなと感じます」

 

――秋季リーグ戦で1番大事になってくるのはどの試合ですか。

大澤 「昨年度の初戦、東京ドームでの日大戦が、本当に自分のミスで負けたような悔しい試合でした。今年度開幕戦で当たる東大も、できれば初戦で当たりたくなかった相手で、なにをしてくるかわからないのが1番怖いところですが、初戦を大切に勝ちにいきたいと思います」

新楽 「初戦ももちろん大事ですし、それ以外だと2戦目、東京ドームでの試合も大事だと思います。相手の立大が4年生に主力を揃えていて強いというのもあるし、なにより東京ドームという普段やれない舞台で勝利を収めることができたということがチームにとって大きな意味を持つのではないかなと思います」

 

――最後に秋季リーグ戦への意気込みをお願いします。

大澤 「昨年度の悔しさを胸にこれまで練習してきたので、今年度こそは悲願の日本一を達成します。応援のほどよろしくお願いします。」

新楽 「春季の自分はランが目立っていてパスの精度は低かったので、パス精度の高い秋季にしたいです。また、TOP8の他QBは名が知れている人たちばかりですが、僕や水木はそうではないので、今年の秋で存在感を残せるよう頑張りたいです」

 

――ありがとうございました。

 

[澤尚希]