
(10)大会事後インタビュー② 五味智信/世界選手権2023福岡大会
世界を舞台に躍動した。7月30日に閉幕した世界選手権2023福岡大会(以下、世界水泳)。明大勢からは競泳に2人、OWS(オープンウオータースイミング)に1人の計3人がそれぞれ初出場した。競泳では栁川大樹(政経3=日大藤沢)が男子200メートル背泳ぎで世界8位入賞、五味智信(商3=湘南工科大付)が混合400メートルフリーリレーで世界7位入賞となるなど好成績を連発。OWSでも江沢陸(法2=成田)が男子5キロメートルで力泳を見せた。来年3月のパリ五輪選考会に向け、選手たちはさらなる成長を遂げていく。
今回は、そんな世界最高峰のレースに参戦した明大勢の大会事後インタビュー第2弾。五味の大会後の声をお届けする。(このインタビューは8月15日に行われました。)
――世界水泳を終えて率直な感想をお願いします。
「何もできずに悔しいという気持ちだけです」
――どのような気持ちでレースに臨みましたか。
「男子の方のリレーで決勝に残るというのは1番大きい目標だったので、振り返って考えるとレベル的にもそんなに高くなかったし、全員がやれることしっかりやっておけば、達成できた目標だったのではないかなと思います」
――ご自身の泳ぎについてはいかがでしたか。
「前の泳者まで遅れを取っていたので、何とか取り返さないといけないなという感じで焦りもあり、自分の泳ぎができなかったです」
――チームの雰囲気はいかがでしたか。
「他の選手も調子は悪くないという話はしていたので、みんな大舞台の一発目のレースだったので、まだメンタルとかが仕上がっていなかったのかなという感じです」
――入場の時はどのような話をしていましたか。
「最終組だったので前の組の結果とかも見ていました。イギリスが失格して、それは結構チャンスだなと話していて、タイムを見てもこれは目指せるぞという感じだったので、ちょっとそこは気負いすぎたというか、狙えるところに来ていたからこそ力みとかも出てしまったのかなと思います」
――レース引き継ぎの時はどのような気持ちでしたか。
「隣がフランスだったので、そこは絶対に勝っていかないとなとは思っていて、結構緊張もしていていつもの精神状態ではなかったです」
――ご自身のタイムはいかがでしたか。
「遅いです、全然。48秒7というのが自己ベストで、引き継ぎの場合最低でも0.5秒くらいは縮めないといけなかったんですけど、結果的には自己ベストよりも遅いタイムだったので、遅かったです」
――その要因は緊張が大きかったですか。
「緊張とか焦りもあったのですが、その前段階のウォーミングアップとかも日本とは違っていて自分のやりたいこととかもできなくて、会場に入ってからの準備もうまくできなかったというのもあります」
――混合4×100メートルフリーリレーについてはいかがでしたか。
「本当に後ろを泳いでくれた3人のおかげ、特に3泳の池本凪沙(中大)のおかげでしかないので、本当に3人には感謝しています」
――タイムはいかがでしたか。
「こっちのレースも全然遅いですね。1泳を任されたので、最低でも49秒の頭、ベストから少し遅れるくらいで行きたかったんですけど、49秒5は本当に遅くて、自分の高校生の時とそんなに変わらないのでしょうもないタイムだなという感じです」
――世界水泳を終えてどのような収穫がありましたか。
「海外の雰囲気を知れたことは大きなことですし、混合リレーで1泳を泳いでた人達はみんな世界水泳の決勝と言ってもおかしくないくらいのレベルだったので、そういうことを経験できたのは、自分の人生の中でも大きなことだと思います」
――世界の選手はいかがでしたか。
「でかくて速かったです。すごいなっていう感じです」
――日本とのレベルの差はどれくらい感じましたか。
「自由形は特に世界との差が大きいと言われているので、日本選手権優勝したのは明治出身の松元克央さん(令1政経卒・現ミツウロコ)なんですけど、全員克央さんみたいなものですね。日本では47秒で泳ぐのは克央さんだけなんですけど、世界は全員そのレベルってなるとびっくりするくらい差が開いてしまっていると感じます」
――今後強化したいところはどこですか。
「全部が足りないなと思いました。ターン後のドルフィンキックだけは通用する部分もあると感じたのでそこは引き続き強化していって、泳ぎの方も、世界記録保持者の選手と泳いで、その人からもアドバイスをもらえたので、そういうところも含めて、夏のシーズンが終わったら少しずつフォームとかも変えていこうかなと思っています」
――会場についてはいかがでしたか。
「すごく応援してもらって気持ちも上がりましたし、海外の選手にびびりそうになった時も日本人の応援が1番大きかったし、会場の中でも外でも頑張ってね、と声を掛けてくれるのはすごい心強くて、多分人生で1番大きい歓声だったので、今後も自国開催というのはないと思うので、人生で最初で最後の1番大きい歓声だったと思います」
――パリ五輪という目標に向けて、心境の変化はありましたか。
「それはもう変わらずパリは絶対に目指していきたいところではあります。やっぱり世界に比べて遅れてしまっているということを身をもって体感できたので、どれくらいだったら準決勝や決勝に進めるラインかというのは確認できたと思うので、今回の経験を生かして来年狙っていきたいと思います」
――最後に今後見据えているビジョンを教えてください。
「インカレ(日本学生選手権)で48秒5くらいをしっかりと出して、大会記録が48秒54くらいだったので、そこを更新します。そしてアジア大会では48秒3くらい出して、そこが来年のパリ五輪の選考タイムになってくると思うので、その時点で48秒3を出して、3月の選考会では、パリ五輪個人で代表に選ばれるようにやっていきたいと思っています」
――ありがとうございました。
[清水優芽]
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