(74)富士裾野トラックミート事後インタビュー①/山本佑樹駅伝監督

2023.07.18

 関東の駅伝強豪校が集い、前半シーズンの締めくくりとして位置付けられる富士裾野トラックミート。明大からは5000メートル、1万メートルの全組に選手が出場し、夏合宿に向けて収穫や課題を得た。今回はレース後のコメントをお届けする。

 

 第1回は山本佑樹駅伝監督のインタビューです。

 

――今大会に出られた目的や意図は何でしょうか。

 「主力の選手はホクレン・ディスタンスチャレンジ2023(以下、ホクレン)に行って記録を狙いにいくというのがあります。そうじゃない選手は対校戦など試合をこなして前半を終わろうというところで、できるだけトラックで出遅れた選手がここに合わせられるようにしていきました。故障で苦しんだ選手がとりあえずレースに出られたというのは良かったんじゃないかなと思います」

 

――5000メートルに出場された選手の総括をお願いします。

 「記録的にはちょっと低調でしたけど、コンディション的に記録を狙えるわけじゃなかったかなと。ただ、粘ってやれたのは杉(彩文海・文4=鳥栖工)とか綾(一輝・理工1=八千代松陰)、大湊(柊翔・情コミ1=学法石川)とかでしっかりやれたと思います。組の上位で行けた選手は今回に関しては良かったのかなと。前半、故障で出られなかった1年生の石堂(壮真・政経1=世羅)とかも粘りのある走りをしてくれたので、そういう意味では収穫はあったのかなと思います」

 

――1万メートルの選手たちについてはいかがでしょうか。

 「1組目の新野(冴生・文4=日野台)は後半しんどかったので、そこは夏合宿で埋めなきゃいけないかなと。2組目はうちの主力選手なのでそこがどう頑張るかというのはありました。響(吉川・文2=世羅)に関してはこのコンディションでペースメーカーにしっかり食らいついていったので、タイム以上によく走ったと思います。本当は響とかもホクレンに連れていきたかったんですけど、授業の関係もあったのでそれは来年度以降にとっておいて。あとは室田(安寿・情コミ2=宮崎日大)、曳田(道斗・政経3=宮崎日大)あたりはきついところを我慢できなかったですね。この2人がチームの主力に割って入っていくようじゃないと今後は厳しいかなというのはあるので、この2人に関しては本人に厳しめのコメントも言いました。ただ、成長する段階のことだと思うのでバネにして夏合宿を超えて、秋以降につなげてくれたら良いと思います」

 

――ホクレンでの尾﨑健斗駅伝主将(商3=浜松商)、溝上稜斗選手(商3=九州学院)、馬場勇一郎選手(政経4=中京大中京)の走りについてはいかがですか。

 「馬場に関しては1500は集大成であとは駅伝を目指していくんですけど、本人としては記録を出せず悔しい思いをしていると思います。彼の3年半の取り組みは与える影響が大きくて、馬場を見習って頑張る選手が増えたというのは良かったと思いますし、出し切って1500終わってくれたのは良かったかなと。5000の尾﨑と溝上に関して、尾﨑は13分台でいってほしいというのはありましたけど、14分1桁で2本まとめてくれて力は付いてきたと思います。キャプテンとしてもそうなんですけどこうやって外に出るレースを経験して、個人的に力を付けるのはいい経験になったかなと。溝上は1本目失敗して、2本目に高校の恩師の禿雄進先生が見ていていい緊張感の中、13分台でしっかり走り切ってくれました。ホクレンに連れていって良かったと思うし、本人としても13分台という結果を出したのは良かったと思うので、これから尾﨑、溝上はチームの主力としてやっていく手応えをつかんだと思います」

 

――前半シーズンの振り返りをお願いします。

 「一つは全日本大学駅伝予選会(以下、全日本予選)に落ちたというのに象徴されると思うんですけど、トラックの結果が全体的に振るわなかったというのが非常に大きいです。うちとしてはトラックの結果を一つ売りにしていたところはあったので、チームの良さが出なかったですね。全日本大学駅伝の15年連続出場が途絶えたというのは私も非常に責任を感じていますし、そこを危機感としてしっかり捉えつつ、それをどうバネにするかというのが大事だと思います。全日本予選落ちから選手はミーティングを重ねて前を向こうとしているので、8月1日の合宿から気持ちを切り替えて臨んでいきます」

 

――現状のチームとしての課題や、合宿で取り組んでいきたいことは何でしょうか。

 「こういうチーム状況だとどうしても目線が下がってしまって、下のラインに合わせてしまうというか一体感とかそういうものを求めてしまいます。ただ、どんどん突き抜ける選手が必要になると思うので個人の目標にしっかりフォーカスした中でお互いを尊重し合いながら、結果として一体感が生まれれば良いと思います。目標を下げずにどんどん上を目指す選手を増やしていったらいいチーム状況になると思うので、こういう時だからこそ上を向いていきたいなと思います」

 

――夏合宿に向けての意気込みや展望をお願いします。

 「ここから気持ちの切り替えはできると思うし、秋に関してはいい流れが例年できています。そういった今までのいい流れをくみつつ、もう一つ、二つ上を目指していけたら良いなと。そこは本当にスタッフと選手が一丸となって、前を向いてやっていきたいなと思います」

 

――ありがとうございました。

 

[桑原涼也]