
(57)全日本予選事後インタビュー⑤/溝上稜斗、吉川響
15年連続でつなぎ続けた伊勢路への道は断たれた。選手、スタッフは死力を尽くしたものの、惜しくも栄光の地へは届かなかった。だが、下を向いてばかりではいられない。今回得た反省はきっと箱根路への足掛かりとなるはずだ。今回はレース後の競走部の声をお届けする。
第5回は溝上稜斗(商3=九州学院)、吉川響(文2=世羅)のインタビューです。(この取材は6月18日に電話で行われたものです)
溝上
3組 32着 30分20秒05
――レースを振り返っていかがですか。
「全く自分の持ち味が発揮できず、自分のレースができなかったというのがすごく悔しかったです」
――レース展開という面ではいかがでしたか。
「自分の中でスローになった時に後半5000メートルをすぎてから必ずレースが動くタイミングがあると思っていたので、その時にすぐ前に出るために集団の中でずっといい位置をキープしながら走ろうとしていました。ただ集団がすごく混み合っている中、外から追い抜かす時に足を使ってしまいました。そのためいざレースが動いた時に足が全く残っておらず、対応できなかった点が一つ課題であり原因です」
――集団が縦に伸びたりまとまったりしていましたが、ペース変動はありましたか。
「レースの中で誰かがぱっと前に行ったと思ったら、またレースが落ち着いてっていうのが結構頻繁にありましたね。自分は前に出た人を毎回マークして前に行くようにしていたので、それがすごく無駄だったなと思います。少し考え過ぎるといったレース経験のなさが課題だったかなと思います」
――同じ組に出場された吉川選手も結構前の方で走られていたと思うのですが、どのように見ていましたか。
「吉川がずっと前を引っ張っていたので、吉川1人で前に出ていると最後上がった時にきつくなってしまうと思い、何回か前に交代しにいこうと考えていました。しかし結果的に自分は後ろで足を変に使ってしまいました。吉川は前で自分のペースで淡々と走れていたので、吉川の方がうまく自分のレースができていたのかなと思っていて、少し後悔しています」
――今回出場していない3年生もいると思うのですが、尾﨑健斗駅伝主将(商3=浜松商)もキャプテンなりに、やはり難しいところはあると思いますか。
「尾﨑は3年生でキャプテンなのでいろいろ気遣う部分もあると思います。関東学生対校選手権後にケガをして、それもあって今回前半の組になって自分の中で葛藤もあったと思います。尾﨑はすごくチームのことを考えてやってくれているので、自分たち3年生や尾﨑以外のみんながもっと頑張らないとなっていうのはありますね」
――今後の意気込みをお願いします。
「今回3組を任せられて、監督らの期待に応えることはできなかったのですが、自分のチーム内での立場や期待されるものもすごく大きくなっていると感じました。そこにしっかり応えられるチームの軸となる選手になれるよう、まずはホクレン・ディスタンスチャレンジ2023で結果を出していきたいです。自分がチームを引っ張るという自覚を持ってレースの結果を求め、夏合宿でもチームを引っ張っていけるようにしたいなと思います」
――ありがとうございました。
吉川響(文2=世羅)
吉川
3組7着 29分53秒02
――レースを振り返っていかがでしたか。
「チームの結果としては本当に予選落ちということで悔しいという気持ちが第一にあります。周りの人は頑張ったねって褒めてくれますが、やはり個人としてはあまり納得のいく結果ではなかったので、まだ他大との実力の差があるなって思いました」
――1、2組目の結果を受けてレースに臨む前に考えていたことはありますか。
「1組目の結果だけ聞いていて、本戦の出場を獲得するための順位の中に入っているということだったので、いい滑り出しだなと感じていました。その雰囲気や流れは絶対終わらせたくないなって思っていたので、出るときは自分に集中するっていうのとしっかりチームに貢献するっていう思いもありました」
――レースプランはありましたか。
「レースプランはとにかく他大のレース展開に巻き込まれたり極端に反応したりしないようにしました。自分の走りをしっかりするようにと山本佑樹駅伝監督からも指示が出たので守るようにして走りました」
――先頭で集団を引っ張っていた時に考えていたことを教えてください。
「後ろに付いている選手が体力温存しているのは分かっていたのですが、それでも絶対誰かが最後ペースを上げて前に出ることも分かっていました。そのため自分が引っ張れるとこまで引っ張って、誰かが前に出たら自分は離れることなく付いていくつもりでした。粘ることを意識して、ラストスパートで勝ち抜くっていうプランは考えていました」
――同じ組の溝上選手と走る上で意識していたことはありますか。
「事前に溝上さんともいろいろ話をしていて、走るときは2人とも前の方にいようという話はしていました。レース前半中盤はお互いの位置をしっかり把握しながら走ることができていて良かったです」
――今回のご自身の記録についてどう捉えていますか。
「正直記録を狙いたかったっていうのがあります。スローペースの展開からスタートしたので仕方ないっていうのはありますが、実際(いい記録が)出てないっていうのも事実なのでそこはあまり評価はできないです。まだまだ自分では納得してないっていう感じではありました」
――今後に向けて一言お願いします。
「次自分たちが狙うのは箱根駅伝(以下、箱根)の予選会を突破して、本戦に出場することです。全日本大学駅伝は出られなくなったのですが、その分箱根に一点集中してこれから練習に臨めると思うのでしっかり箱根を意識していきたいです。これから自分たちは夏合宿も始まるので、合宿をこなしていいチームをまた作っていきたいです」
――ありがとうございました。
[萩原彩水、熊谷実夏]
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