(8)RISE OF ROOKIES~ルーキー特集2023~ 伊藤利江人「信頼される選手に」

2023.06.01

 22人のフレッシュマンが、今年度100周年を迎える明大ラグビー部の門を叩いた。輝く未来に向かって、100周年の歴史に新たな風を吹き起こすだろう。本企画では彼らに電話取材を行い、高校時代のエピソードや4年間に懸ける思いについて伺った。6月1日より連日連載していく。(※写真は本人提供です)

 

 第1回は伊藤利江人(商1=報徳学園)のインタビューをお送りします。(この取材は5月25日に行われたものです)

 

――明大に進学した理由を教えてください。

 「僕の父親が明治大学出身だということもあって、小さい頃からすごく親しみもあったし、憧れもあったので、中学、高校時代から明治に行きたいなと思っていて入りました」

 

――明大の試合は当時見に行くことはありましたか。

 「高校は兵庫県でしたがその前の中学生の時は東京だったので結構見に行っていました。梶村(祐介・平30政経卒・現横浜キヤノンイーグルス)さんが印象に残っています。梶村さんの影響もあって高校は報徳に行きました」

 

――高校年間を振り返っていかがですか。

 「高校ラグビーは各校によって特色があるのですが、報徳は3年生の代の選手たちが自分たちのやりたいラグビーを決めていて、選手主体でやらせてもらえる学校でした。結構自由にできたので花園でも悔いがないというか、自分たちがやりたいことができて成長できた3年間かなと思います」

 

――今までで番印象に残っている試合を教えてください。

 「2つあって、1個目が2年生のときの花園の東海大仰星戦です。1月1日にあって、夏に練習試合をした時はあまり点差がつかなかったのですが、花園になってから報徳が0点で抑えられてしまいました。相手のフィジカルが強くて、何もできない状態で負けてしまって、そこで自分たちのフィジカル面やディフェンス面を強化していこうという話になりました。そこからいろいろ学んで(高校3年次の)花園で僕たちは2位になれたので、その試合がなかったら2位にもなれなかったのかなと思います。もう一つがやっぱり3年生の花園決勝です。報徳学園として初めて決勝に行ったのですが、初めての有観客になって緊張感もある中で、結構点差がついて負けてはしまったんですけど、その舞台でできたのが楽しかったなと思います」

 

――花園に出場する中で強いなと感じた選手はいますか。

 「やっぱり同じ大学に進んだ藤井達哉(政経1=東福岡)とかは強かったです。あとは花園で直接対戦はしていないですが、小さい頃から仲が良かった伊藤龍之介(商1=国学院栃木)は、国体でも対戦したのですが国体では負けてしまったので結構意識していることはあります」

 

――ルーキーリストを見たときに、お二人の名前を見て驚きました。

 「そうですよね。僕もびっくりしてました(笑)」

 

――同じスタンドオフとしてポジション争いをすることになると思います。伊藤龍選手のここがすごい、逆にここは負けないという部分はありますか。

 「そうですね。コミュニケーション能力や人のスキを見たりするのが(伊藤龍は)得意なので、そこはすごいなと思うし、見習わなくてはいけないなと思う部分です。逆にステップや早い動きは僕の方が得意なんじゃないかなと思います」

 

――明大ラグビー部のホームページに目標としている人はお父様(伊藤宏明BKコーチ・平10文卒)だと書いていましたが、具体的にどのようなところを尊敬していますか。

 「やはりラグビーを考えているところが1番すごくて、意外とラグビーは単純だなと思ったりもするのですが、その単純にいくのが難しいです。そこをすごい考えていて、いろいろ教えてもらったし、小さい頃から僕は試合をよく見に行ったりしたので尊敬もするし、憧れている人です」

 

――大学では直接指導を受けていると思いますがいかがですか。

 「やはり厳しいですね(笑)。厳しいんですけど言われてることはちゃんと正しくて、それをやるのは結構難しいこともあるのですが、教えてもらいながら少しずつ上達してきてはいるのかなと思います」

 

――今年度の新入生も全国トップレベルの選手が集まっています。同期から刺激を受けることはありますか。

 「同期は全員仲が良くて向上心があるというか、ラグビーに対して結構熱心な子が多いです。大学に入ってから時間が高校の時よりもあるので、その自分の空いてる時間をどう使うかを考えている人が多くて、そこは見習わなければならないし切磋琢磨(せっさたくま)しあえる仲間だと思います」

 

――大学年間ではどう成長してどのような選手になりたいですか。

 「頼られるというか、安心感を与える選手になりたいです。あとはダイナミックにプレーしたいと思っています。自分のステップを出せるようになって、大学卒業後には日本代表にも入りたいので、その代表に選ばれるようなプレーができるようになって、コミュニケーション能力も持てる選手になりたいと思います」

 

――今後の意気込みをお願いします。

 「この間まではルビコンだったのですが今はペガサスになって、少しずつ上がって来れているなという感じがします。とりあえず1年生でどんどんフィジカルをレベルアップして、信頼される選手になりたいです。あとは、まだ大学に入って自分の持ち味であるステップをあまり出せないので、そこら辺を1年生の間に前面に出せるようになって、スタメンに食い込めるぐらいに頑張りたいと思います」

 

――ありがとうございました。

 

[安室帆海]

 

◆伊藤 利江人(いとう・りえと)、商1、報徳学園高、173センチ、71キロ

3年ぶりに東京に戻ってきて驚いたことは街が変わっていたこと。「知らない間に近くにスーパーができていたり、前まで通っていた道に新しい道ができていて驚きました(笑)」