(34)関東インカレ事後インタビュー①/園原健弘監督

2023.05.16

 4日間にわたって行われた関東学生対校選手権(以下、関東インカレ)。明大は13点を獲得し、目標の1部残留を達成した。今回はレース後の選手の声をお届けする。

 

 第1回は園原健弘監督のインタビューです。(この取材は5月14日にオンラインで行われたものです)

 

――関東インカレの総括をお願いします。

 「1部残留できたことは非常に良かったです。内容的には満足できるような結果ではなかったんですが、選手が本当に精いっぱいやってくれて、持てる力を発揮してくれたんじゃないかなと思います」

 

――3ブロックの活躍をそれぞれ振り返っていただけますか。

 「短距離に関しては4×100メートルRが予想以上の好成績で、写真判定での4位、表彰台も狙えるところでしたので、非常に健闘したし最高の結果だったかなと思います。今後に関してはこの結果を継続することがとても大事なので、より一層気を引き締めたいなというところです。個人種目に関しては、1部残留したものの後味の悪い幕切れになったのは、やっぱり主将である木村稜(政経4=乙訓)が肉離れをしたというのが非常に残念だし悲しいし悔しいしというのを思っていて、1部残留を私個人としてもチーム全体としてもちょっと喜び切れないかなというところでした。短距離全体でいえば基本的にまだまだ力不足なところがあるので、より一段の向上を目指すところです。競歩ブロックに関してはやっぱり物足りないですね。3人入賞を目指していて、持ちタイムはランキング通りの力ですが、よその大学との伸び率を考えると、非常に我々環境も良いし、いい素材もそろっているので、もっと向上していきたいなというところです。長距離も少し精彩を欠いたかなというところですけども、杉(彩文海・文4=鳥栖工)がしっかり力を出してくれました。ハーフマラソンで4位という結果を出してくれて、彼がこの後もエースとして明治大学を支えてくれる走りを見せてくれたのは非常に良かったかなと思います。トラックの5000、1万に関しては、一言で言えば力不足だと思いますので、より一層の向上を図りたいなと思います」

 

――木村稜選手に関してケガをするような予兆は特にありませんでしたか。

 「万全の状態ではなくて不安を抱えたところはありました。それでもコンディションとしては悪くなくて、優勝したいという本人の思いもあって、力いっぱいやってチャレンジした結果です。木村稜の場合は、今年度は日の丸をつけたいという思いでシーズンを過ごしてきたので、彼個人とっての大事な試合は6月の日本選手権だったんですね。だから私の方が1部残留が決まったからこのレースは無理させないで、日本選手権に照準を合わせるような指示を明確にしてあげれば良かったと本当に今悔やんでいるし、申し訳なかったなと思っているところですね」

 

――競歩ブロックでは清水海地選手(理工4=長野日大)が関東インカレを大きな目標とされていました。今回の歩みについてはいかがでしたか。

 「力通りの実力を出したといえば出したんだけど、やっぱり4年間の中でもう少し伸びてほしかったなというのが本音ではあります。それでも確実に7位には入賞してくれたんでまず本当に最低限のラインの合格点というところですね。清水の2点がなかったら残留できなかったので頑張ったと思います」

 

――ファンクラブの活動も今年度で2年目に入ります。今年度やりたいことはありますか。

 「ファンクラブに関しては一旦見直しをしないといけないなと思っています。やっぱり遠くの方がなかなか応援に来られないこともあるので、広く浅く情報発信していき双方向でコミュニケーションが取れるように、ファンクラブの性格も少し変えられるようにいろいろ考えてやっていきたいです」

 

――関東インカレを通して印象に残った選手はいらっしゃいますか。

 「影のMVPとして挙げたいのは、出なかったんだけど応援団長として頑張ってくれた競歩の村越(優汰・文3=横浜)です。村越がすごい応援団長としてスタンドでも音頭を取って応援してくれたし、それから招集所に入る選手を出迎えてくれたり先陣を切ってくれたりと、とにかく雰囲気作りをすごく頑張ってくれたので、やっぱり支えるメンバーがしっかりしていました。あとはマネージャーですね。マネージャー陣が朝早くから夜遅くまで、お天気が悪かったので雨風をしのぐテントの設営に毎日毎日奔走してくれました。それからスタンド下の場所取りやサブトラックの場所取りとか、競技場の中だけじゃなくて他のところでもサポートのための競争もあって、本当に一生懸命頑張ってくれていた姿が印象的でした。選手が頑張るのはもちろん当たり前なんだけど、その周りでサポートしている人が自発的に頑張って動いてやってくれたというのは非常にうれしいし誇らしい気持ちでしたね」

 

――やはり村越選手のような明るい方がいるのは大きいですか。

 「心強くなると思うんですよね。選手はすごく緊張しているし孤独感を感じていると思うし、不安と自分に対する期待とのはざまを揺れ動きながら、自分を信じようと思いながらやっているんだけども、やっぱり信じ切れない時に彼らの声援が後押ししてくれて大きな勇気を与えてくれます。現実にそういうことは伝わっているし、伝わったという声は聞いているんでね、非常にチームワークの取れた大会だったなと思っています」

 

――最後に明大を応援してくれている方々へ一言お願いします。

 「1部残留という最低限の結果が出せました。その結果だけを見るとふがいない結果に見えるかもしれないんだけど、競争の中のステージレベルのようなものがあります。上位何校と1部残留を争うというチームでは、チーム状況が全く違うので、同じ対校戦を戦っているようですけど、違うレベルで戦っているんですよね。そういうもしっかりお伝えできて結果を評価していただけたらうれしいなと思います。ファンクラブの皆さんやOBの皆さん、それから校友の皆さんも現場に駆け付けていただいて、この雨で寒い中ですけど、相模原まで足を運んでいただいたり多くのご声援を頂いたり、当日差し入れまで頂いたり本当にありがたい気持ちで感謝の気持ちでいっぱいです。今後は大事にしている全日本大学駅伝予選会、それから秋に箱根駅伝予選会も続きますので、そこにしっかり気を引き締めてチーム一丸となって頑張っていきますので、引き続き応援していただければと思います」

 

――ありがとうございました。

 

[萩原彩水]