(7)「日本一になるにふさわしい組織をつくっていきたい」不京大也 新体制インタビュー
昨年度は惜しくも準々決勝で敗戦した全国大学選手権(以下、選手権)。100周年という節目の年に、5年ぶりの日本一奪還を目指す。新スローガン『ONE MEIJI』の下、チームやファンが一丸となって廣瀬雄也主将(商4=東福岡)率いる新体制が始動する。本連載では新チームの監督、4年生のインタビューを全7回にわたって紹介します。
第7回は、不京大也(営4=明大中野八王子)主務のインタビューをお送りします。(この取材は3月22日に行われたものです)
――主務とはどのような役割ですか。
「全体的には監督の下についてチームの運営の部分を主導して、チームのマネジメントを行うというような形です。例えば、ヘッドコーチや監督とスケジュールを作ったり、メディカルの方やSCの方など、チーム内ではいろいろな専門の方たちの間に入ってその調整役を執り行うといったことをやっています。チーム外では協会関係だったりホテル関係だったり、遠征のスケジュール関係だったりそういった部外の人との連絡をしたりするのも主務の仕事です」
――入部のきっかけを教えてください。
「元々選手をやっていて大学でも選手を続ける予定だったのですが、セレクションで落ちてしまって、サークルにはいるか他競技の体育会に入るかいろいろ迷っていました。ですが当時の監督からレフェリーをやらないかと誘っていただいて、それでも少しは迷っていましたが、高い目標、すごい舞台を目指して頑張りたいという思いと付属出身で明治大学ラグビー部への憧れもあったので、最終的には日本一を目指す組織に入って自分を高めたいという思いで入部を決めました。1、2年生の時には大変なこともかなりあって、他の選択肢を選んでいたらどうなっていたのだろうと思うことも少しはありましたが日本代表やプロの世界の最前線で活躍してきた方々の側で仕事をする、日本一を目指す組織の中でいろいろな仕事をさせてもらうというなかなかできない貴重な経験をさせてもらっていますし、やりがいを感じる日々を過ごしています」
――試合にはどのような意識で臨んでいますか。
「本当に責任のあるポジションだと思っているので、もしかしたら試合前は選手以上に緊張しているかもしれないです(笑)選手ももちろん緊張していると思いますが、それと同じようにしっかりと準備して緊張感を持ってやっていますね」
――これまでで印象に残っている試合はありますか。
「一番は一昨年の帝京との(全国)大学選手権の決勝です。自分は2年からコーチだったのでグラウンドに立ち、国立競技場でウォーターボーイとして入らせてもらって、自分が選手のままだったら絶対立てなかった場所だなとその時はすごく思いました。日本一が目の前の試合で、結果は負けてしまいましたが、スクラムだったりラインアウトだったり、FWコーチなのでそのようなところで負けてしまったことは来年に生かそう、次に向けて頑張ろうという思いと悔しさも含めていろいろな感情が混ざり合った試合でした。あとは去年の(選手権の)早稲田戦ですね。本当に悔しくて、なんで負けてしまったんだろうとあの時は全然気持ちの整理がつかなかったです。ペナルティーが2つ連続したりだとかPGを2つ取られてその点差で負けたみたいなところもありますが、そういったところで責任を感じた試合でもありました」
――主務として意識していきたいことはどのようなことですか。
「一番は日本一を目指す環境をつくるということです。準備をいいかげんにやっているチームや細かいところにこだわれないチームは絶対に日本一になれないと思うので。そのようなところを主務として先導しながら、日本一を目指す組織として体現していきたいと思いますし、少し抽象的ですが組織として日本一を目指すというところをやっていきたいなと思います」
――4年生はどのような学年ですか。
「一番に思うのは全員がリーダーシップを持った学年だなということです。本当にどんな場面でも誰でも全体に対して声を掛けられることができて引っ張れる人間がいるなと思っていて、あとはすごく仲がいいですね。自分も1、2年の頃は一人暮らしをしていたのですが、3年から寮に入って、一緒に寮生活をするようになり、すごく仲がいい学年だなと思いますね。学年会の雰囲気だったりとか一緒にご飯を食べていても思う事ですし、一緒にいて安心するのでそれが下級生にも伝染していって、いいチームになればいいなと思います」
――今年度脅威になるチームなどはありますか。
「チームとしてはやっぱり帝京ですよね。去年もボコボコにスクラムで負けていますし、今年もそのメンバーも残っていますし、そういった部分で今年も春からフィジカルの部分を強化しています。例年はスクラムをこの時期は試合形式でばんばん(スクラムを)組んだりはしなかったのですが、今年は何本も組んでいますし、そのような部分で少し帝京を意識しながらこのシーズン過ごしています。そういった意味で春の帝京戦がまず一番の大きな一戦になると思いますね。5月の初旬くらいからシーズンが始まって、6月の末くらいまでの2カ月間、毎週試合があってしんどいシーズンが続くと思いますが、その期間は本当に気が抜けない1日が続きますし、この春シーズンはケガ人が出てきたりだとかU―20がいなかったりなどで誰かがいないとかいう事態もあると思うので、チーム力がかなり試される期間なのかなとは思います」
――今年度の目標を教えてください。
「チームとしては日本一です。今年は100周年でもあり、あまりそこは意識せざるとも意識してしまう部分だと思うので(笑)でも100周年というのは関係なく、4年間としての集大成で、今までの悔しい気持ちもありますし、今年は絶対に日本一を取りたいなと思っています。個人としては日本一に導きたいっていうのが一番大きいですかね。日本一になるためには自分は主務としてもそうですし、FWコーチもやっていますし、レフェリーもやっていますし、責任重大なポジションだなとは思っています。日本一になる組織というのを常に意識しながら、自分の中で日本一になるにふさわしいと思う組織をつくっていきたいです」
――ありがとうございました。
[廣末直希]
◆不京 大也(ふきょう・ひろや)営4、明大中野八王子高
レフェリーとしての顔も持つ不京主務。リーグワンの入替戦担当を務めることも。「ゆくゆくはリーグワン、そしてレフェリーとしてワールドカップに立つという夢をかなえるために一つでも上のカテゴリーに絡んでいけるように頑張りたい」とのこと。
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