
(43)シーズン後インタビュー 佐藤駿
掲げた目標の達成を目指して、今シーズンをひたむきに戦い抜いた。今年度の日本学生氷上競技選手権では20年ぶりにアベック優勝を果たし、チームとしても目覚ましい結果を残した。その中でも、近い将来を見据えながら歩み続ける選手もいれば、今シーズンでスケート競技から引退した選手もいる。それぞれが感じる思いを、選手の言葉を通じてお届けする。
(この取材は3月28日に行われたものです)
第13回は佐藤駿(政経2=埼玉栄)のインタビューです。
――WBCイタリア戦を観戦したことが一躍話題になりましたがいかがでしたか。
「すごくいい試合でした。先発が大谷翔平選手(エンゼルス)でリリーフがダルビッシュ有選手(パドレス)で神試合でした」
――プロ野球で応援しているチームや好きな選手はいますか。
「特にはないですが、地元なので東北楽天ゴールデンイーグルスを応援しています。浅村栄斗選手(楽天)が好きですね。でも野球のゲーム(プロスピ)の自分のチームは、ソフトバンクにしています。(理由は何ですか)強いのもそうですし、好きな選手が多いからというのがあります」
――世界選手権を現地でご覧になった感想をお願いします。
「すごく刺激を受けました。特に男子のFS(フリースケーティング)は神試合で、最終グループとかもうほとんどノーミスみたいな感じで逆にメンタルをえぐられたという感じでした。『みんなすごいな』と。来年度はこの大舞台に立てるようにしたいと思いました」
――特に印象に残った選手はいますか。
「SP(ショートプログラム)はキーガン・メッシング選手(カナダ)がすごく印象に残っています。FSはかなりみんな印象に残っていますが、ジェイソン・ブラウン選手(米国)とケヴィン・エイモズ選手(フランス)ですかね。個人的にはエイモズ選手がすごく良かったのがうれしかったです」
――どのような点で印象的でしたか。
「全員そうなのですが、滑りに引き込まれるというか、ジャンプだけではなく見ていてすごいと思える演技でしたし、心に残る演技だったなと思います」
――今シーズン全体を振り返っていかがですか。
「今シーズンを振り返って、シーズンの最初の方は何もできていなかったのですが、ここまでいい内容のシーズンになると思っていなかったので、個人的には満足している部分はあります。でもまだ改善できる部分が多いと思うので、来シーズンに向けて頑張っていこうかなと思っています」
――具体的にはどのような点を改善したいですか。
「昨年度はスピンなどのレベルの取りこぼしが多かった印象があるので、今シーズンはそこを改善できたらいいかなと思うのと、演技構成点をもう少し伸ばしていければいいのかなと思っています」
――今シーズン成長したと思う点はありますか。
「メンタル面で強くなったかなと思いますね。いつもならFSの後半はミスが多くなる傾向にあるのですが、今シーズンは逆にミスをしても引きずらないで演技を終えることができる試合が多かったので、そういった部分で成長できているのかなと思います」
――全日本選手権(以下、全日本)を振り返っていかがですか。
「悔しい部分もありましたが、今シーズンここまでやれると思っていなかったし、今までの全日本の中でも一番いい順位になることができたので、そういった面では来シーズンに向けてプラスになる演技だったかなと思っています」
――四大陸選手権を振り返っていかがですか。
「コロラドスプリングスで行われた試合なのですが、標高が高いリンクなので体力面がすごくきついよと前から言われていたので覚悟はしていたのですが、FSの後に体力面がすごくきつかった試合だったなと思いました。途中までは全く問題なかったのですが、最後のステップのあたりになると特にきつかったですね(標高が高いとジャンプが跳び上がりやすいと言いますがいかがでしたか)そう聞いてはいたのですが、実感はあまりなかったです」
――鬼門としていたSP、チャレンジカップでついにノーミスを達成しましたがその時の心境はいかがでしたか。
「その時はアクシデントなど多かったのでそれどころではなかったです(笑)。シーズン最後の試合でようやくノーミスの演技をすることができたのはすごく良かったかなと思います」
――今シーズン一番印象に残っている試合はどの試合ですか。
「四大陸選手権ですかね。標高が高くてきつかった中でFSをノーミスできたのは大きかったですし表彰台に乗れたので、昨年度の悔しさを晴らすことができたかなと思っています」
――チャレンジカップ終了後から現在までどのように過ごしてきましたか。
「一応世界選手権の補欠なので、それまではある程度練習していたのですが、世界選手権のSPが終わってからはオフにして、遊んだりしていました。みんなで遊びに行ったり、ちょうどWBCで盛り上がっていたので、埼玉の男子が多いのもあってみんなで野球しようと言って野球したりしました」
――ここから本格的にオフシーズンに入っていきますが、やりたいことはありますか。
「特にこれといったことはないですが、振り付けを今やっているので、それをしっかりと覚えて、新しいジャンプに取り掛かれたらいいなと思います。(それは4回転フリップですか)そうですね。フリップや、サルコウも練習して頑張ってみようかなと思っています」
――明大に入って1年が経ちますが、大学での1年間を振り返っていかがですか。
「春学期はしっかりと授業にも出られて友達も作ることができて、いろいろ助けてもらいながら単位を取ることができましたね。秋学期はなかなか学校に行ける機会はなかったのですが、ある程度単位も取ることができて、今シーズンは大学生活と両立できました」
――来シーズンのプログラムはどのようなジャンルを考えていますか。
「SPはもうできてはいるのですが、タンゴのような曲がいいかなと思っています。FSはまだ考え中です」
――来シーズンに向けての抱負をお願いします。
「来シーズンは自分にとってもかなり大事なシーズンになってくると思うので、順位に関して言えば今シーズンよりもいい順位を取って、昨年度できなかった全日本での表彰台を目標として、4回転の種類をもう少し増やしていけたらいいかなと思います」
――今シーズンお世話になった方、ファンの方へのメッセージをお願いします。
「ケガもありながらここまで来られたのはファンの皆さんや先生方のおかげかなと思っています。これからもケガなく行きたいなと思っているので応援よろしくお願いします」
――ありがとうございました。
[布袋和音]
(写真は本人提供)
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