(2)「全員で日本一の集団を作る」廣瀬雄也主将 新体制インタビュー

2023.04.02

 昨年度は惜しくも準々決勝で敗戦した全国大学選手権(以下、選手権)。100周年という節目の年に、5年ぶりの日本一奪還を目指す。新スローガン『ONE MEIJI』の下、チームやファンが一丸となって廣瀬雄也主将(商4=東福岡)率いる新体制が始動する。本連載では新チームの監督、4年生のインタビューを全7回にわたって紹介します。

 

 第2回は廣瀬選手のインタビューをお送りします。(この取材は3月17日に行われたものです)

 

――昨年度を振り返っていかがですか。

 「チームとしては、コロナなどがはやってしまいあまりチームとして活動することができていなくて、そのままぶっつけ本番のような形で(関東大学)対抗戦に挑んでしまったので少し悔いが残っています。ただあまり練習できていなかった割には、帝京大戦の前までは自分たちのラグビーを体現できていたのですが、帝京大、早大はそれでは勝てない相手でもっと夏にチームが一つにならないと勝てないということは感じました。個人としては、今まではプレーに波があったのですが昨年度は安定してプレーできたと思います。ようやく12番らしいプレーができ、キックも高い成功率で自分らしさを確立できたと思います」

 

――12番らしいプレーとは具体的どのようなプレーですか。

 「10番、12番が波のない安定したプレーができないと明治のラグビーは体現できないと思っています。僕の調子が良かったり悪かったりすると周りも機能しなくなってしまうので、去年は常に自分のパフォーマンスの80パーセントから90パーセントのプレーを出せていてよかったと思います」

 

――最上級生になって変わったことはありますか。

 「いつもだったら上に先輩がたくさんいて頼る人がいたのですが、自分たちがもう頼られる側の存在になったということが大きな変化です。みんなの中では、特に変わったことはなくただ時間がたつのが早いという話はしていて、4年生になったからといって何かを変えることはなく、自分たちの学年のカルチャーや雰囲気を下級生たちに落とし込めたらいいと思います」

 

――主将はどのように決めたのですか。

 「まず主将の人数などの体制を決めて、主将が1人、副将が1人に決まったのですが、そこから主将にふさわしい人物や主将に求めるものなどを4年生全員で話し合いました。そして出た意見にふさわしい人は誰かとなった時にみんなで推薦して、自分が1番数が多かったので自分が主将に決まりました」

 

――4年生が求める主将とはどのようなものだったのですか。

 「まずプレーでしっかりとチームを引っ張って、相手の流れでも主将1人のプレーで流れをつかむことができる人という意見が挙がりました。それと主将は私生活も必ず見られると思うので、当たり前のことが当たり前にできてみんなに信頼されている人が主将になるべきだという意見もありました」

 

――主将を任されたときの心境はいかがでしたか。

 「みんなから推薦されて決まったのでプレッシャーはすごく感じました。自分が3年間してきた行動がみんなに認められて主将に選ばれたので、100周年というのもあって相当プレッシャーはあります。ただそれと同時に、一日一日がどのような1日になるのか楽しみだという思いもあります」

 

――100代目主将ということに意識するものはありますか。

 「本当に巡り合わせといいますか、100代目の主将というのは自分にしか経験することができないことなので運もあると思います。監督も100周年の監督ですし、自分も100周年の主将ですし、山本(嶺二郎・法4=京都成章)も100周年の副将ですし、プレッシャーもありますが僕たちにしか経験できないこの1年間を貴重な経験だと思って、一日一日をかみ締めて頑張っていきたいです」

 

――今年度のスローガン『ONE MEIJI』に込められた意味を教えてください。

 「選手とスタッフとファンが一つになって日本一の集団を目指す。そしてその先に僕たちが目指す日本一が待っているかもしれない。ずっと日本一ばかりを追い続けてきたのですが、それ以前の問題ができていないと日本一は取れないと思います。日本一の集団を目指した先に、僕らが目指し続けてきた結果としての日本一が待っているという意味が込められています」

 

――今年度のチームは廣瀬選手から見てどのようなチームですか。

 「雰囲気はすごくいいと思います。ラグビーはまだあまりしていないので強みなどは分からないのですが、強みにしていきたいのはFWのフィジカルの部分。そこは絶対に負けてほしくないので、僕はBKですがしつこく言っていこうと思っています。今年は誰も止められないFWのチームにしたいです。そしてFW任せにするのではなく、BKもしっかりとサイズアップしてBKも誰も止められない、会場の雰囲気や試合の流れもつかんでいけるような勢いを大事にしたいというのがあるので、それを今年のチームのカルチャーにしていきたいです」

 

――今年度の目標を教えてください。

 「『ONE MEIJI』にも込められた日本一の集団を作ることをしっかりとやって、部内だけでなくファンの方々も明治のファンということで見られているので、紳士的でいなければいけないと思います。日本一のチームを僕たちから作っていくことでその先に結果としての日本一もあると思うので、まずはその日本一のチームを作って最終的には日本一を奪還する。そして上のチームだけではなくジュニア戦もBチームもCチームも、みんなが応援されるようなチームを作り上げていきたいです。かなりきれい事にはなってしまいますが、それぐらいを目指さなくては日本一は取れないと思っているので、理想のチームを作り上げていきたいと思っています」

 

――春シーズンの目標を教えてください。

 「勝ち負けというよりは、自分たちに合ったラグビーを見つけることを目標にしていきたいです。これは自信持ってやることができる、これだけは絶対に勝てる、といった自分たちの強みを見つけたいです。そして、その強みを夏にしっかりと伸ばして対抗戦に臨めるようにしていきたいです」

 

――ありがとうございました。

 

[久保田諒]

 

◆廣瀬 雄也(ひろせ・ゆうや)商4、東福岡高、179センチ・92キロ

地元福岡県のおすすめスポットは糸島。「糸島で食べるカキは本当に絶品です。ぜひ行ってみてください!(笑)」