(41)明スポ単独インタビュー① ボッチャ日本代表・杉村英孝選手/ボッチャ東京カップ2023

 3月11日と12日の2日間で行われたボッチャ東京カップ2023。今大会は一般参加者に加えて、ボッチャ日本代表・火ノ玉JAPANやアスリート、芸人など多くの著名人が参加した。今回はその中から、東京パラリンピック個人種目で金メダルを獲得した杉村英孝選手(伊豆介護センター)、世界選手権リオ2022金メダリストの内田峻介選手(大体大)、そして長年ボッチャの普及に取り組んでいる、元競泳日本代表でアテネ五輪金メダリストの柴田亜衣氏にインタビューを行った。今回は、第1弾として杉村選手のコメントを全文お届けします。

 

杉村選手

――今大会を振り返ってみていかがですか。

 「大会の規模が大きくなっていますし、参加者のレベルが年々上がっていく中で、私たちも日本代表として参加していますが、今回も私のチームは悔しい負け方をしてしまいました。もちろん危機感はあるのですが、それよりもこの大会を通してとてもいい刺激をもらっていますし、自分たちのプレーの強化という部分においてもさまざまなヒントをもらっている大会になっています。今回もとても有意義な時間になったと思っています」

 

――今大会の決勝は大学生同士でした。学生ボランティアも多く参加する中、学生に対しての思いを教えてください。

 「この大会に限らず協会主催のイベントやボッチャの体験会を各地でやっていますが、そういったところで各地の大学生のボランティアの支えに助けてもらっています。そういった方々のおかげでボッチャの運営ができていると思っていますので、本当にいつも感謝しています」

 

――現在のボッチャの普及状況についてはいかがですか。

 「協会の代表理事もボッチャの知名度が半数近くになっているという話をされていましたが、数年前まではボッチャという競技を言われても、名前も知らないしイメージも湧かなかったと思います。しかし、ここ数年は東京でパラリンピックが開催されたこともあって、知名度も上がっていますし、その上で普及も広がってきていると思っています。ただ、まだまだ知らない人がいると思いますので、大会に見にきてもらったり、また実際に体験して投げてもらったりすることで、ボッチャの面白さや魅力を感じてもらえると思います。どんどん多くの人たちに楽しんでもらいたいなと思っています」

 

――ボッチャの魅力を教えてください。

 「ボッチャの魅力はいっぱいありますが、もちろん色んな人たちが誰でもできる、楽しめるところは大きな魅力の一つです。競技者の観点で言うと、ボッチャは自己選択・自己決定のスポーツだと私は思っています。やはり障害を持っていると言うと自分の思い通りに活動できなかったり、周りに気を使ってしまったりということが実際にあります。しかしコートの上に立つと助けてくれる人はいませんし、自分の考えたことや選択したものを実行して、それをプレーに移していく。それが自分の思い通りにできた時が一番気持ちいい、うれしい瞬間だと思うので、そういったところがボッチャの魅力だと思います」

 

――ボッチャを知らない人に向けてメッセージをお願いします。

 「ボッチャは見るのも楽しいですが、やってみることで楽しさがより分かると思うので、ぜひボールに触れてもらって一球投げてほしいなと思います」

 

――ありがとうございました。

 

[末吉祐貴]