朝比奈大心 3冠に向け欠かせない存在へ

 明治に新たな旋風を巻き起こせ!今年度も実力派ぞろいのルーキーたち。4月1日発行予定の紙面に載せ切れなかったルーキーを先取りしてお届けします。フレッシュな若さとこれからの4年間に期待です!

 第6回はスケート部アイスホッケー部門、朝比奈大心選手(令5営入学=埼玉栄)です。

 

 アイスホッケーといえば北海道。そんなイメージを覆しつつある関東の強豪・埼玉栄から期待のDFが明大へ。朝比奈は体の強さを武器に、高校1年次から全国の舞台を経験。高校3年次には主将としてチームをけん引し、さらにはU―18日本代表にも選ばれるなど、輝かしい実績を持つ。しかし、これまでの道のりは決して平たんなものではなかった。

 

 朝比奈は長野県でアイスホッケーを始め、中学へ上がるタイミングで埼玉県へ。昨年度、明大で1年生ながら活躍を見せたFW井口藍仁(商1=埼玉栄)やDF村社海莉(文1=埼玉栄)らとプレーし、技術を磨いた。多くの選手が強豪ぞろいで環境の良い北海道へ進学する中「埼玉で日本一を目指したい」という思いから、埼玉栄高への進学を決意。そして1年次から、今では明大のDF陣を支える一人でもあるDF成瀬翼(商2=埼玉栄)と共に主力として試合に出場した。順風満帆かと思われた競技生活だったが、大きな壁が立ちふさがる。

 

 1年次に出場したインターハイ準決勝。北海道の強豪・白樺学園との一戦でも、1年生ながら1セット目に抜てきされる。しかし、序盤から自らのミスで3失点と思うようなプレーができず。試合終盤にはセットも落とされ「主力としての責任を果たせず、悔しかった」と挽回する機会もなく敗退。高校最初のインターハイで苦い経験を味わうこととなった。その試合をきっかけに、練習から常に全力で、誰にも負けない高い意識を持って取り組むようになった朝比奈。そして、高校3年次にはU―18日本代表候補へ選出されるまでに上り詰めた。

 

 しかし、トライアウトの結果は落選。「(代表に)選ばれるには技術はもちろん、メンタル面も重要だと痛感した」。トライアウトでは、北海道でしのぎを削る選手たちを目の当たりにしたことで自信を失い、本来のプレーをすることは叶わず。大会直前にケガ人が出た影響で追加招集されたものの、精神面のもろさがあらわになり、悔しさが残る結果となった。

 

 「埼玉で一緒にプレーをした先輩方と、もう一度同じチームで戦いたい」。その気持ちが明大進学への後押しとなった。大学での目標は「1年目から試合に出て3冠に貢献」すること。昨年度は、圧倒的な攻撃力を武器に2冠を達成した明大。朝比奈が加わることでDF陣の層も厚くなり、3冠へ近づくこと間違いない。高校での悔しさと、恵まれた体格を生かしたプレーを武器に、1年目からの活躍を誓う。

 

[倉田泰]

 

◆朝比奈 大心(あさひな・たいしん)令5営入学、埼玉栄高。中学から今年度で7年目の寮生活。「新しい寮でも、楽しみながら頑張りたい」。177センチ・76キロ。

(写真は本人提供)