
川東由直 不屈の闘志で目指すグリフィンズ〝最後の砦〟
明治に新たな旋風を巻き起こせ!今年度も実力派ぞろいのルーキーたち。4月1日発行予定の紙面に載せ切れなかったルーキーを先取りしてお届けします。フレッシュな若さとこれからの4年間に期待です!
第3回はアメリカンフットボール部川東由直選手(令5法学部入学=佼成学園)です。
創部史上初、悲願の日本一を目指すグリフィンズに期待の新戦力が加わった。川東は高校日本一決定戦・クリスマスボウル7年連続出場中の高校アメフト王者・佼成学園でDB(ディフェンスバック)として活躍。3年次のクリスマスボウルではフル出場を果たし、2年ぶり5度目の王座に大きく貢献した。
川東は佼成学園中時代、友達に半ば強引に連れていかれた体験会でアメフトに出会った。「アメフトをやるつもりはなくて怖かったし、『嫌だな』と思っていた」。しかし、実際に体験してみると「プレー一つ一つに緻密な作戦があり、頭を使わなければいけない。野球やサッカー以上に頭を使ってプレーすることが魅力的だった」。迷わず入部を決めた。アメフトを始めると、徐々に才能が開花。中学3年の春には目標であった日本一を達成した。高校進学後も下級生からの活躍を期待されていた川東。しかし、高校入学後すぐに足首靭帯を断裂。常にケガに悩まされる日々が続くこととなる。「遅れをとりたくなかった」川東は、ケガを押し練習を続行した。だが、足首を庇いながらプレーを続けたことで体のバランスが崩れ、肉離れを起こすなど悪循環に陥る。「高校3年の途中まで常にどこかを痛めていた」。ケガに加え、コロナ禍も重なり満足に練習できない日々が続いた。それでも川東は腐ることなく自分と向き合ってきた。「『無理かも』と思ったことは何度もあるが、チームメイトや友達に支えてもらって頑張れた」。その姿はまさに佼成学園での教え『勝っておごらず、負けて腐らず』を体現したものであった。
治療を重ね、ケガを治し迎えた3年次のクリスマスボウル。「普段は緊張するが、この日だけはなぜか緊張せず、かなり動くことができた」。ディフェンスの〝最後の砦〟DBでフル出場した川東は、泥臭いプレーを貫き目標の日本一を達成した。
実はアメフトを始める以前、小学生の頃から明大への進学を希望していた川東。「学力や雰囲気が良く、一度訪れた時からずっと入りたいなと思っていた。グリフィンズも学生主体を掲げていて、(監督主導で取り組んでいた)高校とは少し違った楽しみ方ができるのでは」と、憧れの明大でアメフトを続けることを決めた。「少しでも早くチームに貢献したい。1年次から狙っていく」と、やる気は十分だ。昨年度、秋季リーグ3位と甲子園ボウルを逃したグリフィンズに新風を吹き込めるか。静かに闘志を燃やす川東に期待をせずにはいられない。
[菅波陸哉]
◆川東 由直(かわひがし・ゆうじ)令5法学部入学、佼成学園。目標とする選手は同校出身でDBとして活躍した野村響選手(令5政経卒)。168センチ・70キロ
(写真は本人提供)
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