フェンシング部 有終完美/卒業記念特別企画

2023.03.23

 2年半の間、数え切れないほど試合会場に足を運び、輝かしい勝利も涙のにじむ敗北も見てきた。そして、私にとってフェンシング担当としての活動の締めくくりとなった2022年12月18日、全日本選手権最終日。女子エペは、創部史上初となる日本一の称号を獲得し、最高の形で今年度の終幕を迎えた。

 

◆12・16〜18 全日本選手権(垂水市中央運動公園体育館)

▼女子エペ団体

 明大――1位

 

 昨年度、決勝の舞台で日大に逆転負けを喫し、悔しい準優勝となった明大。代替わりして全日本選手権を迎え、4年生に見守られる中試合は始まった。「全員が100%の力を出せた」(長尾康司監督)。今まで培ってきたチーム力と、鍛え上げた実力を全員が発揮し、不安を感じさせることなく順調に勝ち上がっていく。全戦圧勝し、迎えた決勝では日大との因縁の対決に。第2セット以降一度もリードされることなく試合は進む。最終セットではエース・稲山友梨(営2=星槎国際)が9ポイントを奪取し、45―29で日本一を決めた。

 

 「明大フェンシング部の強みはチーム力」。この言葉を取材の際に幾度となく聞いてきた。後輩が先輩に気兼ねなく意見を言うことができ、先輩はその意見と真摯に向き合う。互いが互いの強みや弱みを理解し、適した声掛けをすることで助け合う。主将・中村優里(営4=成立学園)や小佐井彩花(総合4=宇土)が中心となって〝みんなで横一列になって高め合うチーム〟をつくり上げた。「先輩たちが築いてくださったチーム力を、いい方向に持っていけるようにしたい」(佐藤琴美・政経3=一関第二)。歴代の部員が築き上げたものは脈々と引き継がれ、強固なものとなっている。それが結果に結び付き、今回の日本一につながったのかもしれない。バトンを受け取った新生明治は、5冠に向け走り始めている。

 

 2年半の取材の中で、フェンシング部の皆さんと関係者の皆さんには本当にお世話になった。取材の際に労いの声を掛けていただいたり、記事を褒めていただいたり、ご飯に連れて行ってもらったり……。最後にトロフィーを持たせていただいた時は、皆さんの努力の重みを感じて感無量だった。私が一方的に応援しているだけのつもりが、選手や監督などの言葉が私の励みになり、頑張ることができたと思う。そして来年度のチームは、1年生の頃から見てきた選手たちで構成されるチームとなるため、思い入れも強い。新しい1年生が加入し、男子のさらなる活躍も期待される。これからも一ファンとして会場に足を運び、応援という形で恩返しをしたいと思う。

 

[萩原亜依]